#29:黒い物体の正体
「成程、グヴィ枢機卿の性格の変化は“魔力”の質によって変わったあの物体だったのか」
マドンは頷き先程の黒い物体―――魔力の塊を出した
「欲深ければ欲深い程その欲の深さと強さで塊と共鳴して抗う事が出来ずあのような性格になる事が多いので我々大罪の力を持つ者達はその魔力の半分を外に居る魔物に捨てておく事が多くあのような変化が多いのです」
「成程・・・・あっ」
マドンと話し合っているとグヴィ枢機卿が目を醒まし
「ここは一体・・・はっ!」
「グヴィ枢機卿!」
「レピア聖騎士長?!何故貴方が洞窟に?!」
状況を把握していないグヴィ枢機卿は何故か姿が変わり―――
結構なお手前のイケメンに早変わりした。
俺は早速状況を説明し納得させた。
「申し遅れました。私王都の冒険者ギルド職員のセヴン=シンズと申します」
「あっ、これは態々どうも」
紹介し終えて本題に入る。
グヴィ枢機卿が醜い姿になったのもあの黒い塊化影響しているに違いないと思ったからだ。
「成程、それであの大罪の者まで従うように」
「えぇ、そうですね。それと・・・」
「あぁ、大丈夫ですよプリス様にも迷惑かけた事ですしここから出ましょう」
マドンと別れを告げて転移魔法の刻まれた魔法陣に乗り、四人共無事に地上に戻って来た。
この後が大変だった。
プリス様やレピアに引き留められて現役続行で枢機卿を続けており今までより積極的に動いているとの事。
「―――と言う事でですね」
「成程、それなら【嫉妬の洞窟】に挑むのはどうでしょうか?」
嫉妬の洞窟、一切の恋愛感情が憎悪に変えてしまう大罪者が居ると言う洞窟。
何でも場所は海底神殿だとか。
「・・・そうですね、彼女と一緒にギルマスに相談してから行動してみます」
「その方が良いかもしれないですね。なにせあそこは男女問わず相手の認識により仲間割れしやすい洞窟なので」
そして洞窟のある海底神殿の近くの場所は海上公共国クレイスだと言う。
事前準備が必要だな・・・
「・・・確かあそこの公国は何でも色んな調味料や魚介類などが豊富だそうで」
「その話詳しく!」
長時間に亘り、話し合いを終えて一泊する事になった。
「セヴン、明日私冒険者になって地道に行動するわ」
「分かった。書記長さんの家に俺が戻ってくるまでの間居させて貰うか?」
俺がそう言うとシアンが頷き
「そうするわ」
そうしてその日の一日を終えた。
翌朝、荷物はそんなに多くない為そのまま戻る事になった。
「達者でな、セヴン殿」
「貴殿も体に気を付けて」
お互いにそう言い握手して別れを告げた。
※この作品以外にも2作品(曜日毎に)投稿しています。良ければぜひご愛読くださいませ。
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」




