#01:宜しくお願いします
「・・・決めました。これにします」
俺が選んだギルドは─────
「─────ってな訳で新しく入った新人だ!何人かは彼より年下にはなるが先輩として指導するように!以上!」
新しく入ったギルドは【火の鳥】と言った冒険者専門のギルドだ。
冒険者だけじゃ無く、商業や鍛冶や飲食等のどの部類にも入っているので実質なんでもありのギルドだ。
職員面接を受けた時、手短に分かり易く前の職場の事について話し、ここの業績や職場環境。
そして何より冒険者達との信頼関係等のホワイトさに憧れて面接に挑んだ。
「ふむ、仕事は上々に熟しているな」
「あっ、秘書長。セヴンさんの仕事ぶり凄いですよ!僕ら皆のやっていた書類を一人で纏めたんです!」
秘書長のアールさんは俺のやっている書類仕事の量を見て若干ドン引きしていた。
「こ、これお前一人で・・・?」
「・・・はい。前の職場では1日200枚程の山のような書類をやっていたので慣れました」
事実【革命】では毎日1日程、書類仕事で、200枚をノルマ達成しなければ御飯でさえ食べさせてもらえない事や、休憩や仮眠なども一切禁止にされていた。
「前の職場どんだけブラックなんだよ・・・拷問過ぎるだろ」
「ど、どなたか手が空いてますかー?あの冒険者の御方の相手をお願いしま〜す!!!」
職員の一人が怪しげな格好をした冒険者を相手にしていたが、意味が分からずにどうすれば良いか困ったらしく助けに来た。
当然俺が代わりに行き
「・・・担当変わりました。セヴン=シンズと申します」
「・・・あなたの魔力、面白いわね」
「そうですか?」
年下である先輩のアキアさんが困ってた通りの冒険者だ。
しかも風貌が冒険者とは程遠い格好をしていて─────
「また会いましょう。いずれどこかですぐに会うわ」
「はぁ、ご利用ありがとうございます・・・?」
俺はアキアさんとギルドマスターのラインズさんと秘書長のアールさんとで話し合いの場を設けで先程の会話を話した。
「そうか・・・依頼を受けるどころか君を見て嗤っていたのか・・・なんか怖いなぁその人。俺そう言うの苦手だわ」
「私が少し見回りをしておきましょう。不審な人を見かけたら捕縛しますので」
「分かった。取り敢えずアキアとセヴン、ご苦労さん」
俺とアキアさんは一礼してその場を後にする。
「さて・・・厄介事に巻き込まれなければいいが・・・」
そして仕事を終えてお昼帰宅をして貰えた。前の職場の影響もありあまり夜遅くに活動するのは無しとのギルドの掟を出したのでラインズさんの厚意に甘えて帰宅する事にした。
「・・・・さて、ここまで来れば姿を現してくれますね?冒険者さん・・・いや魔族の御方」
「むっ、流石に私の正体に気付いたのね」
影の底から闇に包まれた一人の女性─────いや、女神とも言うべきか・・・
そんな姿の魔族が現れた。
「さてと・・・あなたを視た時から良い魔力を持っているって思ったのよ〜!」
「すいません。俺、魔法とかそう言うの一切覚えた記憶ないんですが」
その女性は壁に寄りかかりながらクスクスと笑い
「いいえ、貴方は私と出会った時点で既に力を得ているわよ、ステータスを見なさい」
俺は言われた通り自分のステータスを開示してみた。
※この作品以外にも2作品(曜日毎に)投稿しています。良ければぜひご愛読くださいませ。
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」