#15:国王とギルドの調査職員
「【ベリヴェラの洞窟】か・・・冒険者ではなくやはり俺を含む数人程で調査を?」
「おうよ!お前の前の職場で二人派遣でこっちも派遣なんだが・・・」
【ベリヴェラの洞窟】は魔法は使えるが代わりに状態異常の特性が強力なので通常のポーションでも治せないのだ。ただ、聖職者を除いて。
ギルマスのラインズさんはそれにと付け加えて
「教国から聖職者・・・いや聖女二名が派遣される事になった」
「教国。確か聖職者が多く輩出する国でしたっけ?」
ラインズさんは頷き
「教国では不正や住む人々の安寧の脅かしを排除し、長年各々正しき秩序を守って来た国だ。それに・・・聖天の神ヴィンズを信奉していてな、余り魔族を好ましく思わん連中なんだ」
「確か聖天の神ヴィンズは大罪の神の永遠の友・・・でしたっけ?」
そう大罪の神。
今は俺も含め誰もその男の神の名を知らず、知っているのは神々のみとされている。
もしくは魔族の一部が知ってたりして?
「んでだな・・・その教国から二名が国王に謁見するらしい。無論、お前も行く事になっている」
「あーマジかー(棒)」
そして今現在―――、
「うむ、貴殿が例の踏破者か」
「左様で御座います。国王陛下」
国王の居る玉座の間にて俺は片膝を着いて頭を下げていた。
「うむ、面を上げなさい。名を聞いても良いか?」
「はっ。私の名はセヴン=シンズで御座います」
国王の発言により頭を上げて姿勢を真っ直ぐ伸ばし、身なりを整える。
俺の目の前にいる国王陛下レヴン=ロードリア国王陛下。
ロードリア王国の国王陛下にして4代目だ。
「うむ、私は貴殿の活躍を聞き入れた。ギルドの事やその妻の事もな・・・それに吾輩の【鑑定眼】もビックリだ。大罪の神に会った事あるのか?」
世界で最も希少なスキル【鑑定眼】は世界で最も所持者の人生を左右させる能力だ。
そのスキルを持っている王は必ず子孫代々そのスキルを継承する事が可能である。
そんな国王に問われた俺は正直に答えた。
「あー、何と言いますか・・・もちろん会ってます」
「うむ・・・その方の名前を聞いても良いか?」
城内では位の高い貴族や宮廷の働き者達が居て、そんな人達が俺の返答で騒めいている。
俺は頷き―――彼女の名前を出した。
「大罪の女神トリニティア。既に三度程会っています」
「やはりか・・・」
ざわめきがさらに強まり、さらに玉座の間の扉が開いた。
中に入って来たのは聖職者―――
「ディヤアアアアアアアッ!!!」
「【怠惰鈍足】」
聖職者の攻撃を咄嗟に避けてその瞬間に彼女の体の一部に触れて鈍化させた。
彼女はそれでも俺を攻撃しようとするが動きが先程よりも遅く俺は楽々と避ける。
「きっ貴様ぁあっ!」
「私の許可無く身勝手な攻撃は許しません!お下がりなさいッ!!!」
更に扉の奥から聖女らしき女性が聖魔法を放ち俺を襲った女を紐ですごい形に縛り上げた。
※この作品以外にも2作品(曜日毎に)投稿しています。良ければぜひご愛読くださいませ。
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」




