#10:代償なんか必要無い。
暴食の大罪の魔神ベルゼスの眷属はどれも彼の食欲旺盛なのを想像し「食」に関する事から肉食系の眷属である魔物が増えているのである。
またベルゼスはベルゼブブ直系の子孫である事からとも。
「性格的な情報から察するにヤツは祖父から直接【暴食】の大罪を植え付けられ彼の周りは彼の力によって失い彼は村民から逃げられ、やがて奴は王都の人間に悪魔と称して襲われて・・・」
「今現在は魔神に・・・って事ね」
彼自身その罪の力を拒む精神力さえあれば出来るのだ。
だが彼自身祖父が横暴な所為で逆らう事は出来ず烙印を押し付けられたと言う事になる。
ベルゼブブ自身も食に関しては横暴で逆らった奴を縛り上げて喰う人肉愛食者だ。
男女関係無く差別する事から元は暴食の大罪者に相応しい結末を迎えるだろう。
「ベルゼブブって言う名前自体蠅なのに豚男爵なのね」
「聞いた話だと魔法は蠅に関する汚らわしい使い手で豚男爵なのは見た目からの連想らしい」
シアンは成程と納得し
「それじゃ“蠅|の王”なのは間違いないんだね」
「あぁ、当の孫本人は蠅を使った魔法じゃなくて暴食の力だしな」
俺がふと思い出した
何故トリニティアがこの洞窟を先に勧めたのか。
「もしかして・・・・」
「どうしたの?」
俺はトリニティアの考えをシアンに伝えた。
シアンは少し考えて――――
「まさかとは思うけどその暴食の力を利用すれば宝玉でデメリットを打ち消して唯一最強が使えるとかじゃないかしら?」
「だよな、やっぱり・・・・それに見た感じそうなったら代償なんか必要無い。・・・っぽいし」
前に一度スキルの確認をした事がある。
暴食の力を見てみると
「魔物の体力や魔力を奪いさらには食べられた相手は魔力が復活しない限りは永久的に魔法が発動できない。つまり―――」
俺が豚系の魔物を手持ちの武器で切りながら食材と素材を収穫し
シアンは筆記記録に次々と地図の端から端を書き込む。
「魔力が奪われたらただの一般人、体力が奪われたら寿命が短い。」
「つまりそれらを使いこなせば・・・この先の強敵を大罪の力だけで倒せれるのね!」
俺は頷き続けて
「魔力を持たない魔物はただ単に体力を奪われて死ぬだけだしな」
あっという間に19階層まで突破した。
それに築いた俺はシアンから書き込まれた地図を見ると
各箇所周った甲斐があった。だんだん洞窟内の地図らしくなってきた。
「19階層まで突破したから次で20階層か」
「みたいね。でも後の何階層でボス部屋かしら・・・?」
俺もそこだけは知らないのでボスの階層に着くまで進んでみた。
やっとの思いで到着したのは最終階層第110階層だ。111階層目でボスが落とす戦利品が今回の目的の宝玉がある部屋だと言う。
「気付かないうちに結構進んだな・・・何度か飯食った記憶しかないか」
「私も薄々気づいてた結構食糧消費したはずなのに豚系の魔物であふれてた洞窟だったし」
無限階層とはいえ、やっと着いたのだから挑もう。
階層主に―――
「よし、準備は出来たか?」
俺は武器を構えてシアンに聞く。
シアンは
「大丈夫、いざとなった時だけ逃げましょう」
俺は頷く。
さぁ――――
「待ってろよ―――階層主」
ボス部屋の大きな扉が今開かれる。
※この作品以外にも2作品(曜日毎に)投稿しています。良ければぜひご愛読くださいませ。
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」




