#09:暴食の洞窟へ
「夢に例の神様が?」
「正確には大罪の女神らしい。」
翌朝、シアンに大罪の女神トリニティアに今まであった事を話した。
事の発端はシアンに告白した日の夜の睡眠中に久し振りに夢の中でトリニティアに再開した事だった。
「久しぶりねセヴン、あなた調査員になったのね」
「女神様だから俺の事を知ってるのは当たり前か」
彼女は頷き
「それで・・・貴方にお願いがあるの」
「お願い?なんだ?」
俺がそう言うとトリニティアは
「貴方の力が今まで以上に強くなる特別なダンジョンがあるの。名前は・・・そうねギルド内の殆どの人が知っている【暴食の洞窟】よ」
「【暴食の洞窟】・・・?確か魔法が一切効かないダンジョンだろ?」
俺が今居る王都から数キロメートル離れた下へ下へと無限に続くと言われている前人未到のクリア不可の七つのダンジョンの一つだ。
名前が上がると言う事は・・・・
「貴方のステータスを限界突破出来るうえに七つの内の一つ暴食の宝玉が手に入れるわ」
「まさか・・・・・」
そのまさかである。
話しているうちにダンジョンに着いた。
「俺の代わりに筆記記録頼む」
「分かったわ」
奥へ二人で進むにつれてどんどん洞窟内の魔物が出て来た。
「さて、仕事を始めよう」
シアンは筆記記録用の用紙とペンを取り出しどんな魔物が出ているかを確認する。
全ての大罪の魔神の名前が書かれている洞窟はその魔神の眷属が出現する。
下層に進むにつれて眷属もだんだんと強くなるのだ。
「豚種が多いな・・・」
「確かに・・・大丈夫?」
俺は大丈夫と言い
「俺には女神から七つの大罪の力を得ている。その洞窟に相応しい力を披露する時が来たようだな」
彼女は咄嗟に後ろに下がり俺は素早く動き手を出す。
「暴食の悪魔・・・アンタの力、使わせて貰うぞ・・・【暴食悪食】!!!」
俺の片手が恐ろしい三つ首の大きな犬の姿になり豚種を次々と食い散らかす。
そしてあっという間に豚魔物種のオーク達が居なくなった。
「よし、先に進もう」
「・・・正直に言ってセヴンの力凄いわね。まるで初心者とは思えない程の戦い方だわ」
俺もそうだなと思い、進むと―――急に中の音が出る。
空腹状態だ。
「そう言えば詳しくは見聞きしなかったけどあまり使い過ぎに注意とは言われてたな」
「・・・暴食のデメリット?」
俺は頷く。
そもそもデメリットが無いのは冒険者らしくないしな
「さて、ちょっくら狩りますか、自分の武器で」
「そうね。焼いて食べたりしましょ、狩った後は」
そして不意打ちで数十のオークを倒し、さらに焼いて食べたりした。
今現在の踏破数は・・・・地下9階層。
※この作品以外にも2作品(曜日毎に)投稿しています。良ければぜひご愛読くださいませ。
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」




