洋ナシのスープ
取引先の方から洋ナシを頂いた。そのまま食べようと思い、冷蔵庫から出すと偶然家に来ていた姉がスープにして、と言ってきた。
スープとな?果物を?
「美味しいのよ、これが。でも手間がかかるからあんたが作って。」
ああ神様、どうして姉はこんなに偉そうで当たり前のように妹をこき使うのでしょう。
洋ナシレシピで検索するとサラダや焼き菓子に使われているそうな。チーズと食べるってお酒のあてに良さそうではないか!じゅるり。サラダを作りたい。サラダが食べたい。
が、逆らうと姉が怖いので大人しくスープのレシピを調べる。
『一、スライスしたサツマイモを蒸して裏ごししておく。』これは却下。時間がかかったら姉は「遅い。もう帰る。」と言い出しかねないからだ。
切り方も詳しく書いてあるがそこは省略。最後にはミキサーにかけるのだから、適当で良いではないか。ざくざくざく。
温めたフライパンにバターをポイっと入れて玉ねぎを炒める。生姜とサツマイモを追加して少し炒めてから洋ナシ投入だ。水とコンソメで煮て、サツマイモが柔らかくなったらフードプロセッサーに入れて攪拌。
裏ごしをカットするのでフードプロセッサーに変更したが、ミキサーでもたぶん大丈夫。
鍋に戻してから白ワイン、塩、ホワイトペッパーを加えて味見。おおお、濃厚で甘くて美味じゃの。砂糖は入れてないが充分満足できる。洋ナシの強い香りがマイルドになっていて果物として食べるより好きかもしれん。
レシピにはないがスープカップによそってからシナモンを少々振ってアクセントにしてクコの実を乗せて完成とした。
おかきをボリボリ食べていた姉がキッチンを覗く。
「良いにおーい」
当たり前だ。少し手を加えたものの明子さんのレシピだぞ。どこの誰かは存じませんが、素敵なレシピを無料で公開してくださっているお方のものなのだぞ。感謝もりもりだ。
姉がリビングに戻った隙にちょっとした反抗で自分のカップに姉のカップより少し多めに入れてやった。
本人に言うとぶっ飛ばされそうだからここだけの話だが、姉は最近太った。だから、これは優しい心遣いでもあるのだよ。