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異世界で壊す異界のロジック  作者: 夢暮 求
【第13章 -只、人で在れ-】
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束の間の休日


「いつになくイライラしていませんか?」

 椅子に腰掛けたアレウスの前に朝食を並べていきながらリスティが訊ねる。

「この前、この細剣に宿る存在を掌握したはずなんですが、一向にこっちの要求に答えてくれないんですよ」

 勝てば読めないロジックを教えてくれる。その約束のはずだったが、細剣――今は短剣になっているが、そこに宿っていた存在はアレウスが日々、独り言のように訊ねてもうんともすんとも言わない。ようやく自身の、そして『産まれ直し』が持つ読めないロジックの正体を掴めると思ったのだが、袖にされては苛立ちもする。

「本当に約束したんですか?」

「しましたよ。ただ、口約束めいたものだったので、明確な契約条件に含まれていないからという理由で逃げられているのかもしれませんが」

「私は契約や掌握といったものにあまり詳しくはないのですが、もしかすると話す時期ではないと思われているのかもしれませんね」

「と言いますと?」

「然るべきときに語るということです。今、教えてしまうと余計な弊害が生じるのでは?」

「そこまで頭の回る存在じゃなかったんですけど……まぁ、リスティさんが言うならもう少し待ってみますけど」

 しかし、我慢強いアレウスにも限界はある。このまま一切合切話さないまま有耶無耶にでもされたら容赦なく短剣を折ってやろうかとすら考えるほどだ。


 それほどに『守りたかったのに守れなかった』のが誰なのか知りたく、読めないロジックの真相を握りたい。あそこまで醸し出しておきながら引っ張られては不満を抱かずにはいられない。


「直感や本能のようなものを宿しているのであれば、これから起こるかもしれないなにかを事前に察しているのやも……あとは、掌握こそされましたがアレウスさんにまだ素直に従う気はないとか」

 パンを千切ってスープに浸し、それを口に入れて飲み込んでから紅茶を飲む。


《貴様のロジックを狙っている者がいる》

「……今までなにも言わなかったクセに」

 脳内に響くように語ってきた存在にアレウスは友好的にではなく攻撃的に呟く。昨日の内に買ってあったリンゴをリスティが綺麗に皮を剥いて切り分け皿に乗せ、テーブルに置く。それを口にしつつ、パンにブドウのジャムを乗せて齧る。

「って、前に家事は全員で分担したり当番制のままって言いましたよね?」

 あまりにも優雅な朝食を味わっていることに気付き、アレウスはリスティへ疑問を投げかける。

「今日は私が料理当番ですよ?」

 祝福を受ける話をしてから数日が経過し、当番決めなど色々とあったのだがそれ以上に存在の掌握や『教会の祝福』を受ける緊張感で完全に失念していたらしい。そもそも当番表も出来上がってはいるがアレウスの記憶には定着されていない。

「リスティさんが料理当番だと朝からこんな風になるんですか……」

 これまでリスティはギルドに仕事へ行く時間が早く、料理当番であっても作り置きであったりパンにジャムや牛乳だけといったことがほとんどであったため、これほど甲斐甲斐しく世話をしてもらえるとは思わなかった。

「騎士を目指してはいましたが元は貴族の()ですよ、私は」

「貴族の出であるなら、作法は習っていても調理は習わないのでは?」

 調理や清掃といったほとんどは使用人に任せてしまっていそうだ。

「戦争においては男は家を出るもの、女は家を守るものですが平和においては男は家を守るもので、女は家を出るものなんです」

「男性が家督を継いで、女性は貴族間の交友維持のための道具としての結婚ですか」

「私は物心が付いたときから無作法者でやんちゃでしたから、そりゃもう周囲が必死に女らしさを押し付けてきたわけです」

「それが調理や清掃に繋がる、と」

「家柄にもよりますが、それらは女の仕事であり、女としての価値を上げるものみたいな雰囲気があるんです。私の家はまさにそんな感じで、だから耐えられずに騎士を目指すことにしたわけです。父親は騎士としての武功もありましたから」

「父親……」

「未練はありませんよ。帝国に渡ったときから、私の両親は処刑されているでしょう。もしそうでなくとも、私は死んだと報告されているでしょうから、生きていても赤の他人ですよ」

「死んだ?」

「無かったことにされている戦い。これだけ言えば分かりますよね?」

 ジョージからエルヴァと新王国の王女の感情の行き違いについては語ってもらったが、王女奪還のために動いた際に兵士たちが話が耳に入ることも多かった。ここからはアレウスの推理になってしまうが、やはりリスティは禁忌戦役に従軍していた。そこでエルヴァとリスティと新王国の王女の間で亀裂が生じたのではないか。そして、禁忌戦役は帝国と王国においても記録されていない。その場合、そこに従軍した者の中で消息を絶った者は死亡扱いにされているのだとしたらリスティの言う「死んだと報告されている」という言葉にも合点が行く。

「その、無かったことにされている戦いでどうやって生き残ったんですか?」

「王女の慈悲……いいえ、迷いでしょうね。あとはエルヴァの意地と王女への執着。戦場で生き残ったのは運が良かっただけですが」

「内容については」

「話しませんし話せません。禁忌戦役として全ての国が口を閉ざしているのであれば、一人の人間が語るべきものではありませんから。そう、誰もが口を噤むのであれば、私もまた墓まで持っていくことです」

 しんみりとした雰囲気になってしまった。どう言葉をかければいいものか困り、アレウスはとりあえず残っていたパンを食べ終えて、残っていたスープを少しずつゆっくりと口へと運ぶ。

「アレウスさんは今日、なにか予定はありますか?」

「謹慎処分を受けているリスティさんが仕事に復帰するまではシンギングリンの復興作業ぐらいですけど。でも簡単な依頼は受けますよ? でないとお金が底を尽くんで」

 建築系は借家を補修こそしたがやはり素人なので手を貸せず、力仕事ばかりを手伝ってもそれを生業にしていたり、そもそもガラハの体力には敵わない。アベリアやクルタニカがそろそろ終わりに近付いている浄化作業をしていて、ヴェインはジュリアンとその穴を埋めるために教会の奉仕活動。クラリエはシンギングリン近郊まで出てきているエルフと近況報告をしに行っており、ノックスは朝から料理屋巡りをする予定だと言っていた。

「じゃぁ、暇ということですか?」

「ありていに言えばその通りですけど」

「なら以前にお話しした通り、デートをしましょう」

「……へ?」

「支度をしますので、アレウスさんも支度をしてください。あ、服装は普段通りで構いませんよ。私はデートの相手に服装の品位を求めないので」

「貴族の出らしからぬことを言いますね」

「言ったじゃないですか、無作法者でやんちゃだったと」

「えっと、そもそもお金がですね」

「今日のデート代で貯金がゼロになるわけじゃないですよね?」

 それはリスティが高価な物を求めるか否かによる。

「別に買い物を沢山するつもりはありませんから、心配なさらないでください」

 そう言って彼女は自室へと向かった。


 デート云々の話は以前から約束していたことで、様々な出来事が重なって有耶無耶になっていた。リスティもすっかり忘れていたものだろうとアレウスは思っていたのでまずそこに驚いた。だが、約束してしまっていた以上は仕方なく、断る術も持たないために流れに身を任せたが、もう少し抵抗はした方が良かったのかもしれない。


「アベリアに見つかったらなにを言われるか……いや、こういうことを言うと見つかる前振りみたいになるんだけど」

 なぜ自身に都合の良い妄想は現実にならないのに自身に都合の悪い妄想は現実に起こってしまうのか。もしかすると現実に起こってしまう妄想は、本能が危機管理能力の低さに警鐘を鳴らしていることで想像してしまうことなのかもしれない。

「浮かれているな、僕」

 物凄く気分が上がっていることをアレウスは自覚する。だがそれは背徳の感情に近いものであって、決して好ましい感情ではない。

「デート……一緒に連れ歩くだけ、だよな?」

 それ以上はさすがに一線を引いておかなければならない。欲望や興奮に身を委ねてはならない。ただでさえそういったものに弱いのだから、今回は特に気を付けるべきだ。リスティに暗がりにでも連れ込まれでもしたら自制心は保てない。


 ただ一緒に歩くだけなら普段からやっていることだ。デートという括りであれこれと考えなくてもいい。しかし、それはデートと宣言して支度をしているリスティに対して失礼だ。彼女がその気でいるのなら、できることならその想いに答えたいところなのだが。


「なんで今なんだろう」

 そのように思うのも余計な詮索なのだろうか。そもそも有耶無耶になりかけていたことでアレウスはほとんど無かったことと思っていたのだが、彼女はもしかすると待ち侘びていたのかもしれない。パザルネモレの戦いで『教会の祝福』を持っているとはいえ彼女は自身の死を体感しかけ、大勢の死を垣間見た。戦地に赴いたときの記憶が甦り、やりたいことや先延ばしにしていたことを片付けたいと考えたのかもしれない。


 アレウスは自室で普段着に着替えたものの、ここからどのように自身を磨けばいいのか分からなかったため素直に諦めて玄関前でリスティを待つ。十分、二十分と時は過ぎ、三十分も経てばさすがに部屋に前まで行き扉にノックでもしようかと考え始めた頃、リスティが廊下から姿を見せる。

 冷静で真面目、勤勉的であり仕事のできる女性。そんな凛としたイメージの裏に潜む暗い部分だけを取り払ったかのような青を基調とした洋服を着こなしている。一見してスカートと合わせてややふわりとした印象になるが、本人の整った顔立ちを更に高めるような綺麗を押し出す化粧をしているため、可愛さよりも凛然さが際立っている。生半可な男なら酒でも飲まなきゃ近付けない上に、近付けさせないような透き通った瞳はアレウスに感想を求めている。洋服というよりはもはやドレスに近い。多少、入場時に首を傾げられるかもしれないが気品を必要とする場でも彼女が着てさえいれば通用するに違いない。

「綺麗です、けど」

「けど?」

「綺麗です」

 言い直すことを強要される。突っかかる部分ではないとは思うが、どのような感想を言われるか不安を抱いていたリスティからしてみるとその言葉は余計だった。アレウスはただ「なんで僕のためにそんなに?」と続けたかっただけである。

 彼女の格好はアレウスには過剰である。比べられるのは目に見えていて隣をまともに歩けない。

「一度、着てみたかったんですよ。私財を半分ほど放出したときに荷物の整理もしたんですけどそのときに見つけまして」

 リスティは言いつつ胸元のペンダントに手を当てる。

「ペンダントもこの洋服も母親から騎士養成所に送られてきたものです。王国から帝国に逃げることにはなったんですが、エルヴァの付き合いで王国に戻ることが何度かありまして、そのどさくさに紛れて帝国便(びん)に送り届けてもらっていたんです」

「だからって、今ですか?」

「今以外に着る機会がありますか? 両親に見せることは叶いませんでしたが、どちらも身に着けないまま捨てることも売ることもできないまま持ち続けていても仕方がありませんし、これで気持ちの整理が付くというものです」

 聞きたいのはそこではなく、どうして今、そんな重い話をアレウスにしたのかという点だ。そんなことを言われたら、軽い気持ちではなく重い気持ちでデートに行くことになってしまう。

「僕を困らせたいんですか?」

「それもあります」

 あるのか、とアレウスは心の中で呟く。

「でも……そうですね。なんと言いますか、この服を着るに足る淑女になることができる生き様を送ることはできなかったので、服に申し訳ないと告げたい気持ちもあるのかもしれません。ごめんなさい、こんな気持ちに付き合わせてしまって」

「最後にそう言うことで僕が断らないようにしましたよね?」

「分かります?」

 さながら悪戯をする子供のような無邪気な返しをされてしまってはもうアレウスはなにも言い返せない。

「あとでアベリアに一緒に説明してください」

「まぁ、これからデートに行く予定の女性に対して他の女の子の名前を出すなんて、アレウスさんはなっていませんね」

「誰のせいだと思っているんですか」

「ふふっ、分かっていますよ。アベリアさんにはちゃんと説明します。さすがにこれで目立たないようにシンギングリンを歩き回ることはできそうにないので」

 これで多少はアベリアも許してくれるかもしれない。なぜだか分からないがリスティにだけはどうこう言うことは少ない印象がある。だが、不機嫌にならないわけがない。女性にだらしないと思われでもしたら愛想を尽かされる。そうなったらもうアレウスは隠居どこではなく仙人になるべく姿を消すだろう。


 アレウスは玄関の扉を開け、リスティを外へと誘う。


「約束、してくれますか?」

「なにを?」

「これから先、なにがあっても……どんなことがあっても、果たすべきことを優先してください。そしてなにより、祝福があるからと言って無茶な死に方をしないこと」

「それくらいなら」

「約束ですよ」

 説明することのできない不安をリスティの言葉は抱かせる。これから先を直感的に見通しているのはアレウスが掌握した短剣などではなく、むしろ彼女の方なのではないか。

 そう思いつつも、アレウスは彼女の歩調に合わせて一緒に歩く。

「あ、高価な物は買えませんからね?」

 彼女の気品ある服装に惑わされて勢いで買ってしまいそうだったため、自戒も込めて言葉とする。シンギングリンは復興してきてはいるものの未だ高級料理店や、高級品を扱う店が立ち並ぶには時間がかかる。なので高級品はもっぱら行商人の出店頼りとなっている。アレウスは利用したことはないが、稀に高級食材なども出していることもあり、時々だがアベリアが買いそうになるのを周りが必死に止めることもある。

 行商人の懐にお金が入ってはシンギングリン内で経済が回らない。復興中だからこそ、そういった高価な品々が手に入り辛くなってしまうことを逆手に取った商法なのだ。人間性を否定したくはなるが稼げるのなら稼げる方法を取るのは商人のサガとしか言いようがない。高価な商品を購入することはシンギングリンに残っている貴族たちや人々にとっては一種の娯楽ともなるため規制できないのが現状のようだ。もし行商人を追い出せば不満が募るだけでなく、商人たちの間でもシンギングリンが避けられてしまって雑貨のような生活必需品の入荷が滞ってしまう。

「完全なる復興はありません。復興を遂げても、元のシンギングリンの姿はここにはないでしょう」

「住居は建ってきましたし、異界になっていた頃の爪痕はほとんどなくなっていると思うんですが」

「ええ、そこがなにより重要ですね。ここにシンギングリンという街がある。魔物に崩壊させられたり、他国から攻められて破壊の限りを尽くされてしまったりする世の中で、まだ街として残っている。ただ、ここからの復興はなかなかに時間が掛かります。それらを上手く取り纏める街長がいません」

「そんなに大事な役職ですか?」

「街の(まつりごと)が機能しませんから。かと言ってなんの知識もない者が街長になっても駄目なんです。無法が通ると思われたら、一気に詐欺師や悪徳商人に喰い物にされてしまいますから。なので、私が立候補して街長になることは絶対にありません」

「期待した目で見ていました?」

「はい、かなり期待されているなと思いました」

 街長の話題が出た瞬間に仮のギルドマスターを辞めたリスティならその仕事に就いても問題ないのではと考えたが、それらは全て視線に出てしまっていたらしい。

「元冒険者でありながらギルドの関係者に甚大な被害を出してしまった担当者、そして仮ギルドマスター。そんな肩書きは邪魔でしかありません。問題を起こしていなければ或いは……ですが、私には街を束ねたいと思うほどの情熱はありませんし、担当者とギルドの事務の経験だけでは不足なので」

 あとは、と彼女は続ける。

「私の記録がやや曖昧なのも足枷です。王国出身であることを伏せたままですからね。ちょっと調べられて、そこの辺りが知られてしまえばまず当選しません」

 帝国の街なのだから帝国民であるべき。恐らくはそういった価値観について話しているのだろう。

「僕には難しい話すぎます」

「私にとっても難しい話ですよ。なので、一旦は措いておきましょう。そもそも、私にとって特別な日にこんな難しい話をさせないでください」

「根の真面目なところが出ているんじゃないですか?」

「いいえ、私は子供の頃から無作法者でやんちゃで不真面目だったんです」

 なぜそこを強調したがるのかはアレウスには分からないが、真面目さばかりを意識してほしくはないのかもしれない。


《書庫を守っているエルフに動きがありました。クラリエ様から詳細をお聞きになってください》

 こんなときに『森の声』経由でアレウスに念話が飛んでくる。脳内に響いた声だけで判断するとエルフの巫女に違いない。

《聞いているなら返事をしてください》

 アレウスは足を止めて、目配せでリスティに数分待ってもらうことにする。

「悪いけど今日すぐには対応できない」

《どうしてですか?》

「個人的に外せない用事だ」

《…………あー、なるほど》

 エルフの巫女は『天の眼』でどこでも見ることができる。アレウスを観測して大体を把握したのかもしれない。

《では、そこから動かないでください》

「待て、待て待て待って。今日は外せないだけで明日には対応するから死の魔法を唱えようとするな」

 問答無用で死の魔法を唱えようとしていることを察知し、小声で必死に止める。

《どうして分かったんですか?》

「人の命をなんだと思っているんだ」

《では、明日。必ずですよ? 反故にするようでしたら死の魔法でもって無理にでも来てもらいます》

 『森の声』での念話が切れる。


「なにやら大変なことをまたやることになりましたか?」

「どうして分かるんですか?」

「どれだけアレウスさんを見てきたと思っているんですか。これでもあなたの担当者です。では、支度に入りますか?」

「いいえ、このままデートを続けましょう」

「え? よろしいのですか?」

「急用であるのは間違いないんですけど、今日は特別な日。違いますか?」

「……アレウスさんにしては気が利くじゃないですか」

 リスティは仄かに頬を朱に染めて、嬉しそうに笑みを浮かべる。


 たった一日先延ばしにして世界が終わるというのなら、それはアレウスが今日対応したところで間に合わない事象である。そして、もし今日中でなければ許されなかったのならエルフの巫女は構わずアレウスに死の魔法を唱えていた。そうしないということはエルフの巫女側にとっても一日程度は静観できる状況にある。


「しばらく休みたかったんですけど」

「それだけアレウスさんは求められているんですよ。冒険者として誇るべきことです。シンギングリンでの活動から外れるので、なかなかランクは上がりませんが」

「最後のは付け足さなくて良くないですか?」

 パザルネモレの一戦はシンギングリンのギルド主体の依頼だったため、貢献度としてはかなり稼げた。あとは申請さえすれば一つ上のランクには上げてもらえるはずだ。

「あ、デートらしくまだ出来ていませんでしたね」

 リスティはそう言って手を伸ばしてくる。その意味をすぐに汲み取って、彼女の手をアレウスは取った。

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