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あの夏の思い出

作者: 大将

これは私が実際に体験した話です。

あれは、三年前の夏休みのことでした。

私と私の友人3人は夏休みを利用して山梨県a市の山に旅行に行きました。

3泊4日の旅行中にあんなことになるなんて、この時は誰も考えてもいませんでした。

1日目は山に流れている川で遊んだり、森林浴をしたり、普段の生活ではできない遊びを満喫していました。

そして夜になり、みんなで二人用のテント2つを張り、火を起こし、ご飯を食べ、あとは寝るだけになったその時でした。

友人の一人が「ションベンしてくるわー」といい、暗い山の中へ消えて行きました。

私たちはすぐ帰ってくるだろうと思い、そのまま布団に入り寝てしまいました。

夜の2時くらいになり、いっしょのテントに寝ていた友人が、さっきトイレに行ったままあいつが帰ってきていないということを私に話してきました。

他のテントに寝ていたやつも起こし、トイレに行った友人を探しに行くことにしました。3時間ほどさがしたところで帰ってきていない友人らしき人影を見つけ、声をかけてみると、「わりー。今カブトムシがめっちゃいるから、取れるだけ取ったら戻るからー」と返事が返ってきたので、スマホも持っているし、大丈夫だろうと思い、そのままテントにかえりました。

翌日の朝になり、もう返っているかと心配になり、テントをのぞいてみると、そこには昨日の夜と変わらないきれいに畳まれたままの布団が1つと一人の友人の姿しかありませんでした。やはり、返ってきてはいなかったのです。

朝ごはんを食べ、「しょうがない、さがしに行くか」と私がいうと、最初はめんどくさがってた友人もしぶしぶ付いてきてくれました。

その日も木の枝でチャンバラをしたり木登りをしたりしながらその友人を探していると、横たわっている人影らしきものが見えました。

慌てて近くにより、うつ伏せの状態のその人をひっくり返してみると、顔が血だらけの友人と思える死体がそこにはあったのです。

そこで私たちの旅行は2泊と3日を残し終了したのです。

私たちは、神奈川へ戻り自分たちの家に戻る間も無く警察署へと連れていかれ、3日ほど事情聴取をされていました。

そして私たちは解放されて、警察は犯人を探し始めました。

私たちは殺された友人のお葬式に行くことになり、普段は着ることのない、黒の喪服へと着替えました。

いざお葬式になってみると、いつもとは違い、不思議と落ち着いている自分に気づきました。

そして大人しく殺された友人のことを考えていると視界が真っ暗になり、気付いた時には病院にいました。

お医者さんと看護師さんそれと自分の親がベッドの横にはいました。

私が目を覚ましたので、お医者さんと看護師さんは部屋から出て行きました。

お父さんと、お母さんと、私の3人になった病室はとても私には耐えられそうにない静寂に包まれていました。

そのその静寂を一番に破ったのは母親でした。

私が眠っている間、とてもうなされていたようで、母親に、「あなた、さっきすごいうなされていたけど、どんな夢を見ていたの?」と聞かれました。

私はどんな夢を見ていたのか、思い出してみるとそこには殺されたはずの、友人と私の二人きりの空間がありました。

そこでがした会話は必ず犯人を見つけて欲しいという内容だったような気がしました。

そして私は退院し、友人にそのことを話すと、犯人を探そうということなりました。

それから私たちは殺された友人の声なき願いを叶えるべく、二年間にわたり犯人を探しただけました。

しかし、私たち全員が海外へ引っ越すことになってしまい、これ以上捜索を続けられなくなってしまいました。

そのことを殺された友人に伝えなければいけないと思い、週末にみんなで御墓参りに行くことになりました。

無事お墓に着き、殺された友人に、犯人が見つからなかったこと、これ以上犯人探しができなかったことを伝えると、私たちの後ろに何かの気配を感じたのです。

そこにあったのは、殺されてから私たちが初めて見つけた、とてもひどい状態の友人の姿でした。

私たちは驚き、動けずにいました。

その時でした。

「殺したのはお前らか?素直に答えろ。」

この声だけしか私たちの耳には聞こえなくなっていたのです。

私はとっさに

「ち、違う。お前はこれから犯人を探しに行くのか?」

と聞くと静かに頷き殺された友人の姿は消えて行きました。

もしかしたら、犯人が見つかるまでの間怪しい人物を片っ端から声をかけて行くのかもしれません。

もしかしたらこの話を読んだあなたのところにも、

こんなあたり来るかもしれませんね。


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