表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/73

ミノトリスとドラグの料理:前編

ドラグの家で泊ることになったフーカ達。

そこでドラグの娘、ミラと出会う。

ミラは病気だったが、フーカとドラグの力によってそれを克服した。


長ーくなったので半分に分けました。

♦ミノトリスとドラグの料理:前編♦ 改稿回数 2 ☆


ミラのお祝いを終え、辺りがとっぷりと夜になったあたりで

私たちはドラグが使っていいと言ってくれた二階の部屋に向かった。


あまり使ってはいないらしくがらんとした部屋だけども、

きちんと掃除されていてとてもきれいだ。


「なかなか広くていいわね!」


「うむ、私は少し食べ過ぎてしまった」


「あはは、そりゃああれだけたべるとね……」

私は苦笑いをしながらリュックを床に置き壁に立掛ける。


するとリュックを置いたところで廊下側のドアがギィと音を立てて開いた。


「フーカさん今いいですか?」

ミラが大量の毛布を持担いで部屋の中に入ってくる。


「ええ、いいわよ」

私はミラに返事をする。どうやら寝るための毛布を持ってきてくれたようだ。


「今、寝るところを作りますね。少し待っててください」

そういいながらミラは持ってきた毛布をモコモコと盛り立てていく。


「ん?何してるの?」


「え、何かおかしいですか……?」

ミラは不思議そうにこっちをみる。


「え、いや……何でもないわ」

私はその顔をみて少し考える。この顔は悪ふざけではないと解った。

でもなんで、毛布を盛り立ててるのかしら。

……あ、そうか。ドラゴンにはドラゴンの寝方があるのかも。


そう考えている間にもミラは寝床の準備を進めていき三つの布の山が出来上がった。

「はい、完成!」


「ありがとうミラ。えーと、一、二、三……?あれ?ミラも今日はここで寝るの?」


私の問いにミラはおずおずと話す。

「お父さんが、今日はみんなと一緒に寝なさいって言ってくれて……あの、駄目ですか?」


「いいえ、ダメじゃないわ。少し、ドラグさんがそう言ったことに驚いただけよ」

せっかくミラの病気が治る兆しが見えたのに。

もう少しミラと一緒に居たほうがいいんじゃないのかな?

でも、ドラグさんの事だ、ミラは友達が少ないというし私と仲良くさせたいのかもしれない。

そう思っているとミラが言った。


「大丈夫です一日ぐらい!お父さんとは毎日一緒に寝てますし!」


「な、なるほど……」


その話を聞いて唖然としているとフレイが毛布の山に埋まりながら話しかけてきた。

「おお、フーカ!いい匂いがするしふかふかだぞ!」


「あ、ちょっとフレイ!せっかくミラが作ってくれたのに!」


「ふふ、フレイさんってかわいいです。お人形さんが遊んでるみたい」


私はミラの様子を伺うが全然怒っている気配はない。

むしろこの状況を楽しんでいるみたいだ。


「えへへ、こういうの前からやってみたかったんです」


「あ、お泊まり会ってこと?」


「うん!」

ミラはうなずくと自分の毛布の山に飛び込んだ。


「私も!」

我慢できなくなって毛布の山に飛び込む。

思ったよりも毛布はふかふかで思わずそのまま眠ってしまいたくなってしまう程だ。

たしかにこれならフレイが騒ぎたくなるのも無理はない。


「わあ、ふかふかであたたかいわ……」

顔を毛布にうずめる。

そうしているとミラが話しかけてきた。


「ねえ、フーカさん。フーカさんって旅をよくするんですか?」


「ん?そうね……旅は結構するわ。」


そう答えるとミラの目が輝く。

「よかったらお話とかききたいのですけど……いいですか?」


「ええ、いいわよ!」


そう答えるとミラは飛び上がるように喜ぶ。

「わぁ!やったぁ!」


話すことは別にいい。しかし地上から来たとうっかり言ってしまうと

ややこしいことになるかもしれない。

どこか遠くの異国の事だと説明してしまう事にしよう。


「そうね……それじゃあ、美味しい物を探して旅した話とかどうかしら?」


「わぁっ!聞きたい!」


「ふむ、興味深いな。是非私にも聞かせてくれ。」


「もちろん!」

そういい私は旅の話をはじめる。


その話は夜遅くまで続き、

気が付くと私たちは毛布にうずくまりながら眠っていた。


*


「コケポッポーッ!」


謎の鳥の声が聞こえる。どうやら朝になったみたいだ。

私は眼をこすりながらあくびを一つする。


隣りにある毛布の山を見るとミラの姿は無い。

どうやら先に起きたらしい。

かなり夜更かしをしたのにもう起きているとは、驚きだ。

私はそのままフレイを揺り起こす。


「フレイ、起きて」


「ふぁーっ……むぅ、少し夜更かしが過ぎたな……もう太陽があんなところに」


「もうお昼ぐらいかもね」


私たちは窓を開けて風を部屋の中に入れ、

次はどこに向かうか相談することにした。


「ねえフレイ?次はどこに行こうかしら?

さすがにここら辺の情報がもう少しほしいんだけど」


「そうだな……それじゃあ、まずはここら辺の情報でも集めないか?

幸いここは街だ、何か情報が手に入るかもしれん!」


「ああ、それいいわね!それじゃあ人が集まる場所に……そうだ!酒場に行きましょう!」


「よし、決まりだな!」


私たちはとりあえず酒場に向かうことにする。

下の階に行くとミラとドラグがいたので

もう家を出ることを伝える。


「お世話になったわ。ミラ、ドラグさん」


「いいってことよ。ガッハッハ!」


ふとドラグが訪ねてくる。

「長い旅になるのか?」


「ええ、たぶんね。私もどのぐらいかかるかは解らないわ」


「ふむ、それならこいつをやるよ」

ドラグがゴツゴツした手で、本棚に挟まっていた紙を取り出してくれた。


「これはここら一帯の地図かしら?もらっていいの?」


「ああ、貰ってくれ。俺の家にあっても意味がないからな。

道具は使ってナンボだ!それと、あとこれも持っていけ」

更にドラグは私たちにお弁当を持たせてくれた。


「わあ、お弁当!ありがとう!」


「おう!腹が減ったら適当に食っとけ。ガッハッハッハ!道中、気を付けるんだぞ?」


「ありがとう、あとでいただくわドラグさん!ミラも早く元気になってね!」


「うん、フーカさん!

でも、昨日友達になったばっかりなのにもうお別れなんて、少しさみしいです……」

ミラは物憂げな表情で私に言う。心なしか小さなかわいい尻尾もシュンと垂れていた。


「またあえるわよ、そんな顔しないで!

……それじゃあ、私が寝るときにこのペンダントでお話してあげるわ!

今日あったこととか、面白いことを発見したとかね」


「いいの?フーカさん。それじゃあ、いっぱいお話聞かせてくださいね!」


「ええ、約束よ!それじゃあ、ミラ、ドラグさん!ありがとうね!またねー!」

私は改めて挨拶し外に出る。

そして酒場を目指して街を歩いた。


程なくして酒場に着く。

ドアを開き中に入ると、私たちは中に入ると

マスターらしき人がこちらに近づいてきた。

「いらっしゃいませ、おや、あなたは……。

今日はご飯でしょうか?クエストでしょうか?」


「今日はどちらでもないわ、この街の最近の聞かせてもらえないかしら……

この街に来たばかりだから最近の事情がよくわからなくて」


「ふむ、そういう事であれば確かにこの酒場はうってつけですな。

なにせ街の憩いの場ですから。

そうですね……。さすがにお客様の個人的なことは話せませんが……

なにかここ最近の面白い話でも聞かせましょうか?

マスターなのでそういう話は自然と耳に入ってくるのですよ」


「ええ?いいんですか?ありがとうございます!マスターさん!」

私はカウンターに座り、マスターと話をする。


「っと、そういえば。失礼ながら前回お会いした時に名前を聞きそびれてしまいまして。

……お嬢さんのお名前は?」


「あ!そういえばそうね、ごめんなさい!私はフーカ!こっちはフレイっていうの!」


「よろしく頼む!」

フレイはそういうと私の隣りに座る。


「私はジル・アラベスクと申します……。以後、お見知りおきを……。」


「ホットミルクでも入れますので少々お待ちを。

こういうお話はゆっくりしながらしたいものですからね。

お代はいりませんサービスですよ」


ジルが入れてくれたホットミルクを飲み一息つく。

少し落ち着いたところでマスターが話をしてくれた。


「ふむ……面白い話といいますか……

おいしい話ですと、今街で売れているミノタウロスサンドが今年で10周年記念で大安売りを

するんだとか?私も好きなんですよ、あのサンドイッチ!

しっかりとした肉で噛めば噛むほど肉汁がじゅわ~と広がってですね……

いくらでも食べれちゃいますね。お勧めですので今度見かけたら買ってみたらどうでしょう?」


「ジルさん!それ、すごいおいしそう!私も食べてみたいわ!」


「フーカ、違うだろ……

マスター、そういう話じゃなくてもっと街の周りの些細な事でもいいから

何か聞かせてくれないか?」


「なるほどそうですね……最近、森の奥の方に牛の様な鳥の様な……

ミノトリスという化け物が出ましてですね。

そう、ミノタウロスとコカトリスを足して割ったような風貌をしておりまして。

気性は荒くとても凶暴です。

噂ではそのミノトリスが森の奥にある洞窟に巣を作ってしまったらしいです。

その洞窟を抜けた先がお気に入りの釣りスポットでして……

おかげで最近は釣りに行けてないんですよ……」


聞いたことがある。ミノタウロス、コカトリスどちらも伝説の生物のはずだ。

そんな奴がこの世界に居るの?……でもジルが嘘を言っているような雰囲気でもないし。

……本当なんだわ。たぶん。信じられないけど。

だけど、仮にミノタウロスやコカトリスがいないとしても、近しい生物がいるという可能性はある。

なにせここは異世界なのだ。下手な常識は捨てた方が良いわね。

それにしても、二つを掛け合わせたモンスターだなんて……考えたくもないわ。


私はその話を頭の片隅に追いやり、釣りについて尋ねることにした。

「ふーん?ジルさん釣りが趣味なの?」


「ええ、景色もきれいな所でしてね?最高の場所です」


「へーえ……面白そうね、ちょっと詳しく教えてくれないかしら?」


「ふむ……いいですよ?ただし、信じるかどうかはフーカさん次第ですが……」


「え?どういうこと?」


「その洞窟なんですが、明らかに地下へ向かっているはずなのに、

着いた先には青い空と真っ青な海が広がっているんです!

最近はそこで釣りをするんですよ。ここらでは見たことのない魚が釣れるんです」


私はマスターの話を聞いて私はフレイと顔を見合わせた。

何やら遺跡に入ってきたときのデジャブを感じたからだ。

「ジルさん、その話続きを聞かせてくれるかしら?」


「……ええ。いいですよ?」

マスターは少し嬉しそうに微笑むと続きを話してくれた。


「あれは、去年の夏ごろでしたかね?なんとなくいつもと別の場所で釣りがしたくなってですね。

森の奥にある池に行こうとしたときでした。森を歩いているのに潮風の匂いがしたんです。

おかしいなと思ってその潮の匂いが漂ってくる方に向かって行くと洞窟があったんですね」


どうにも気になる話だ。話が途切れないように相づちを打ちながら

もう少し聞いてみよう。

「ふーん、ジルさんも結構行動派なんだね」


「ハハハ、どうにも釣りの事になるとですね。いやはやお恥ずかしい。

それで、そのまま洞窟の奥へ奥へと進んでいったんですが、

先ほども言った通り、空と海が広がっていたんですね。

しかし、最初はとても怖くなってしまってですね。さすがに逃げ帰ったんです。

でもあきらめきれなかった。

なにせ海ですからね。釣りをしてみたいじゃないですか。釣り人の憧れという物です。

すぐに魔法使いの友人を訪ねて害はない場所なのか、どういう事になっていたのか

それはもう問い詰めるように尋ねましたよ」


「その友人さんはなんて言ってたのかしら?」


「ええとですね、私は魔法はあまり詳しくないのでわかった所だけ言いますと。

私が見つけたその洞窟は別の時空という事。ほかにも別の時空がつながっているとの事。

と延々と説明されまして。最終的に危なくは無いとは言っていました」


「なるほど……ありがとうジルさん」


「いえいえ、私も久々に沢山話せて楽しかったですよ。」


ホクホク顔のジルを横目に私は思い出した。

フレイが世界を作ってしまったかもと言っていた事だ。

もしかしてあれは間違いだったのかもしれない。そんな考えが頭をよぎる。

もし……もし今のジルの話が今のジルの話が本当なら。

今居るこの場所も別の時空という事。


私は居てもたってもいられなくなって急いでジルへ言った。

「ジルさん、ちょっと席を外していいかしら」


「ええ、かまいませんよ」


「ありがとう。フレイ、ちょっとこっち来て」


私は席を立ちフレイを呼び寄せる。

そしてカウンターから少し離れた人気のないところへ移動する。


「ん?どうしたフーカ」


「フレイ、あなたが前に”世界を作ってしまった”って言ってたじゃない?

あの話なんだけど……今、ジルさんが今言ってたどこかの時空とつながってるって

言ってたけどもしかしていろいろな世界がこのダンジョンに

つながっているという事なんじゃないかって思って」


「む、フーカもそう思っていたか。実はあの話を聞いて私もそう思っていたのだ。

確かにどこかでそういう風にダンジョンと時空が重なってしまうことがあると聞いたことはあるが

……かなり稀なケースだ。だから世界を作ってしまったと思ったのだが……」


「なるほど……そんなに珍しい事なの」


「うむ。天文学的確率だな。それこそ惑星が生まれるくらいの」


「っう……頭が痛くなってくるわね」


「しかし、遺跡の階層ごとに別の時空がつながったという事はある意味幸運だ。

もし普通にダンジョンになってしまっていたら、

モンスターがあふれかえって地上に出てきてしまうところだ」


「え、なにそれ……そんな恐ろしいことになるところだったの……」


「うむ、だがダンジョンの階層が違う時空に置き換わることでそれが無くなった。

だから地上の事は心配しなくて良い」


「よ、よかった……私たちがのんびり休んでいる間に

グレートスライムみたいなのが地上にはびこるんじゃないかと思ってたんだけど。

そんなことはないのね」


「うむ、それじゃあカウンターに戻ろう。

恐らく、いや確信があるがジルの秘密の釣り場は次の階層に続く入口なはずだ。

もう少し詳しく場所を聞いた方がいい。」


「そ、そうね。よし、それじゃあ戻りましょ」


私たちはまた、ジルのいるカウンターへ戻る。

椅子に座りそのままちょうどいい具合の温度になったホットミルクを一口飲んで一息つく。


「おかえりなさい、フーカさん」


「ごめんなさい。少し遅くなったわね」


「いえいえ、大丈夫ですよ。」


「それで、ジルさん。さっき話していたその洞窟、私も行ってみたいんだけど……。

詳しい場所を教えてくれないかしら」


そういうとジルは少し表情を曇らせる。

「教えられなくはないのですが……」


やっぱりミノトリスが出るから教えたく無いのだろうか。すごく凶暴だと言っていたし。

何となくジルの表情からはそんな心情が読み取れる。


「ふむ、すみませんがやはりお教えすることはできません。

フーカさんはいささか好奇心が強いように思えますし、

お伝えしたらそのまま洞窟へ入っていく気がします」


「うっ……鋭い」

普段からマスターをしているジルは人を見る目がある様で

私の性格をあっさりと見抜いたのだ。

しかし、このまま引き下がるわけにはいかない。


「それじゃあ、私がそのミノトリスに倒されないほどの実力があるなら教えてくれるかしら?」


「それはもちろんです。

そうですね……クエストボードの中でも星が付いているものはとても難しいのですが、

星が3つのクエストを3つクリアできたらお教えしてもいいでしょう。」


「ホントに?」


「ええ、本当です。」


「わかった、ありがとう!」

私は冷え切ったミルクを飲み干し、外に出ることにする。


「ジルさん面白い話してくれてありがとう」


「いえいえ、こんなに話したのは久しぶりです。私も楽しかったです。またいらしてください」


そういい私達は椅子から降りて玄関へ向かう。そしてドアを開け外に出た。


外に出て、すぐに私はフレイと相談することに決める。


「さてと、どうしよう。星付きのクエストをクリアすることで教えてもらえることになったけど……

今の実力だとやっぱり厳しいかな?」


「うむ、そうだな。詳しくは解らないがおそらく星2のクエストでもかなり難しいだろう」

フレイは小さくうなずく。


「やっぱり……?はあ、悩んでもしょうがないか」


その時フレイのおなかからぐぅという音が聞こえてきた。


「……とりあえずドラグさんからもらったお弁当でも食べない?

私、お腹すいちゃったわ。」


「そ、そうだな。どこかで座って食べよう。」


「あそこの木陰にあるベンチで食べましょう」


とりあえず、クエストの件は一旦おいておき

私たちはドラグからもらったお弁当を食べることにする。

お弁当の蓋をあけると中からはスパイシーな匂いが立ち込める。

しかし、中身は店で食べたスーラーまんのように見えた。


「スーラーまんだわもう少し違うのを期待したんだけど……あら?」


私は店で食べたスーラーまんと何かが違うと気が付く。

うっすらと透き通る皮の下に見える餡がカレーになっていた。


「わあ、カレーよ、カレー!やった!」


フレイはスーラーカレーまんを頬張りながら言う。

「よかったな!フーカ!それにしてもこのカレーという物、初めて食べたがうまいな!

色々な野菜から出てくるうま味とこのスパイシーで辛いとろとろが食欲を刺激してきて

いくらでも食べられそうだ」


「おいしいでしょ?さすがはドラグさんね!」


ドラグさんと話をしているときにたまたまカレーライスの話になってしまい。

熱心にカレーについてドラグさんに聞かれたのだ。

料理人としての意地があるのか自分の知らない料理があるのを我慢ならない様子だったけど。

まさかカレーをこの短期間で理解して作り上げるとはさすがとしか言いようがない。

私は一口スーラーカレーまんを頬張る。


「すごいスパイシーでおいしいわね!」


「うむ、体もかなりぽかぽかになったぞ」


「本当、ドラグさんの料理はおいしいし、面白いわよね……

ミラの薬だって料理で作っちゃうんだもの」


「全くだな、一体どういう料理を作れば薬になるというのか……

もしかしたら食べたら強くなる料理も作れたりしてな?」

そうフレイは、はたから聞いてもわかるような冗談を言う。


そのフレイの冗談を聞いてふと思いつく。

もちろん材料によってだが薬にもなる料理を作れるドラグさんだ。

その可能性は十分にあり得る。

あのミラの為の料理だって素材から力を引き出して薬にしていた訳だし。

試す価値はあるかもしれない。


「それよ!フレイ!」


「っへ?」

フレイはあっけにとられた顔をしてこちらを見ている。


「強くなる料理をドラグに作ってもらいましょう!そしてミノトリスを倒すのよ!」

思い立ったが吉日、さっそくドラグの店に向かう事にしよう。

私はそう思い残りのスーラーカレーまんを口に押し込む。


「ふ、フーカ先のは冗談というか」


「ううん、絶対できるわ、ドラグさんなら!さあ、行きましょう!」


「ちょ、ちょっと待ってくれ、フーカ!」

フレイはあわてて私の後について来る。


こうして私たちはまたドラグの店に行くことにしたのだった。

料理の力はいいぞぉ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ