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出会い

元々ゲーム用に考えてる話なんだけど、完成が怪しいから小説として完成させる。

頑張って書いていくぞい!

♦プロローグ♦ 改稿 3回 ☆


今日の朝、私の性格が災いして家に食べ物が全くない状態に陥ってしまった。

いつもならまだ3日分ほど残るはずなんだけど、少し食べ過ぎちゃったかな?


しょうがない。かなり億劫だけど隣町に買い物に行こう。

前に一度どうしても面倒でサボってしまったのだが

その日の夕食はとても悲惨だったのを覚えている。

また野草やキノコでしのぐよりはよっぽどマシだ。

そう思い私はしぶしぶ予定より早く向かうことにした。


「でも、そんなに食べたかしら……?」

諦めがつかずそんなことを呟きながら空のリュックを背負い外に出て街に向かう。


その街は小さいけどもはここら一帯の食品が集まってくる市場があり

値段も安く何より新鮮なのだ。貧乏なので大助かり!最高の街だわ!

ただ、遠いという点を除けばね。


「ああ、私の家ももう少し町の近くにあれば毎日行っちゃうんだけどなぁ」

私はそんなことをぼやきながら歩く。


私の家は街から離れた小さい森の中にある。

だだっ広い草原の中にポツンとある森の中だ。

だから、隣町までは小一時間ほど歩かなければならない。


「早く買い物してしまいましょ。嫌なことは早く終わらせる。これが一番よ」


そう呟き気合を入れる。

そして草原を踏みしめ草の香を楽しみながら私は走った。


風が心地よくてなんだかいい気分。

気が付けばいつもより早く街に着いていた。


私は息を整え、街へ入る。

するといつもより市場が騒がしい。

どうやら市場のほうで何かあった見たい?

なんだか気になる。市場の方へ向かってみよう。

そう思い市場の方へ駆け足で向かう。


市場へ付くとその原因がすぐにわかった。

市場のゲート入口にある看板を見てみると

どうやら今日はこの街100周年の記念セールを開催しているらしい。

そして、今日はその最後の日みたいだ。


「わあっ!やったわ!私運がいい!今日を逃したら駄目ね。いっぱい買い込まないと!」


私は、さっそく市場を巡り普段買い控えている医薬品や食料をここぞとばかりに買い込んでいく。

それはさながら自分の息で布袋を膨らませる勢いだったと思う。

ふと、気が付けばリュックがパンパンになってしまっていた。明らかに買いすぎだ。

もちろん途中で気が付きはしたけども!安い、旨いとなれば買ってしまうというのが人情じゃない!

仕方がない事なのよ!そう自分に言い聞かせ重くなったリュックを背負い街を出る。


街を出てからはだらだらと歩く事にしよう。

自業自得とはいえリュックがかなり重い。

下手に急ぐと体力がもたないかもしれない。

そう思い私はゆっくりと足を進める事にした。


街の外に広がる草原を少しづつ進んで家に戻る。

普段はこんなにゆっくりと帰ることはないのだけど、

こうして帰ると普段は気にも留めないようなことが目に入ってきて新鮮だ。

今後はゆっくり帰るのもいいかもしれない。


そうやって歩いてやっと家まで半分の所にたどり着いた頃。

やっぱりいつもの倍以上のリュックを持って帰るのは非常に疲れるな……

どこかに休むところはないかしら?

そう思い、少しあたりを見渡したところで道より

少し外れたあたりに大きな岩を発見する。


「あ、ちょうどいいところに……助かった、あそこで休みましょう」


私はその大きな岩にふらふらと歩いて行き、そこで休むことにした。

大きな岩の方にはリュックを立掛けるようにして置いて、私は横の小さな岩に座る。


「はあ……今度はちゃんと計画的に買わないと……もうこりごりだわ……」


でも、たぶんまた安売りとかあったらいっぱい買っちゃうんだろうな。

そう思いながら足を放りだし休むことにした。

すると、今まで吹いていた気持ちいい風が変わったように思えた。

草のにおいが強くなった気がする。

それに少し空気が湿ってきたように思える。

もしかしたら雨が降るかも?


雨はまだ降ってないけど、降ってきたこと考えて

どこか雨を凌げるところをさがさないとまずい。

もし雨が降るなら、これだけの食料だ。

絶対にカバンを濡らすわけにはいかない。


私は急いで周りを見渡す。

すると、遠くの小高い丘に大きなブナの木が生えているのが見えた。


「とりあえず、あのブナの木の下でしのげそうね……」


私は慌ててリュックを背負い直し、ブナの大木まで早足で急ぐ。

だが、重い荷物が背中で左右に揺れて足が思うように運ばない。

しかし、ここで食べ物を濡らす方が今後が大変なのだ。

せっかく買い込んだ食べ物が腐ったりでもしたら飢えと金欠のダブルパンチで

買い物をさぼった時みたいに極貧野草生活になってしまう。しかも一日どころではない。

それだけは嫌だ、何としても回避しないと……!


すると感じた通り、雨がパラパラと降り出してきた。

私は降りかかってくる小雨を浴びながらなんとかブナの木の下までたどり着く。

たどり着いたころには雨は本降りになってしまっていた。


「あぶないあぶない……ギリギリだったわ!少しの間ここで雨宿りしましょう」


ブナの木は丘に生えているおかげで水たまりができておらず意外と快適だ。

私は荷物を大木に寄せ掛け一息つく。お気に入りの緑の服を少し絞り水気を取り払った。

まだ少しジメジメしている気がするが仕方がない。

そう思ってため息をついた。


そんな中、雨の音に混ざって何か声らしき音が聞こえたような気がした。


「だれ……!?」

私は叫ぶ、しかし何の反応もない。

気のせいかな?でもまあ、もう一度耳を澄まして確認しよう。

もしかしたら同じく雨に降られた旅人が休んでいるのかもしれないし。

そう思い耳を澄ます。


「グ……ググ……

だれか…いるのか…?助けてくれ……」


……ほらやっぱり気のせいじゃないわ。誰かいると思ったのよ……

って、助けを求めているの!?こんな人のいない所で!?


私はあわててその声の主を探す。

とりあえず木の周りを一周してみる。

しかし、人の影は見当たらない。


「ん?……あれ?いないじゃない……?」


そんなはずは無い。いない訳がない。

確かに声が聞こえた。そんな考えが頭の中に木霊する。


もう一度木の周りを探す。

だが、やはり誰もいない。私は頭をかしげつつ考える。

まさか、幽霊とか……?いやいや!ありえないわ!


すると後ろの方から

ドサッ

と重みのある音がした。


「ひっ!?なにっ!?何か落ちてきた!?」

私はドキドキしながら後ろを振り返って下を確認する。


するとそこには謎の生き物が横たわっていた。

……驚きを隠せない。どう見てもこいつが助けを求めていた声の主だ。


人間ではない。

体は赤く尻尾も生えてる……まるで伝説上のドラゴンみたい。

ふむふむ、でもどちらかというと人っぽい形ね。


………

……


って、冷静に分析してる場合じゃない!

よく見ると、なんてひどいケガなのかしら!早く手当しないと!

今日は食料の買い物ついでに医薬品も買い込んできたからタイミングが良かった。

少しホッとしつつも焦りながら鞄から包帯と消毒液を取り出して手当をする。


「ふう、これでよし……」


なんとか手当ができたので次は謎の生物を塗れていない地面を探して横に寝かせることにした。

かなりひどいケガだ。安静にした方がいいだろう。そう思い辺りを見渡す。

そこで、ぴちょんと首筋に雨水があたる。


「つめたっ……少し寒くなってきたかも」


雨が降っているせいか気温が下がってきたようで、少し寒い。

怪我人(?)も居るし、今日はここでたき火をたきながらキャンプをすることにしよう。

そう思い私は焚き火用の枝を探す。

幸い木の下なので木の枝は簡単に見つかりすぐにたき火を始めることができた。


たき火のパチパチとはじける音を聞くと緊張していた体がだんだんとほぐれていく感じがする。


体がいい感じに温まってきたころ私のおなかがぐぅと鳴る。

手当の緊張がほぐれたこともあってお腹が減ってしまった。


ここに来るまではリュックの重みを感じるたびに憂鬱な気分になったけど、

こうなれば食料を買いすぎてしまった事も失敗ではなかったな。

よし、何か食べよう。こんな時にお腹まで空いていたらどんどんダメな気分になっちゃうし。


私はいそいそとスキレットをリュックからとりだす。

うん、何を食べようかな……。新鮮な卵とベーコン……。

ベーコンエッグがいいかしら?

焼くだけで食べれるし!そう思いベーコンエッグを作ることに決めた。


スキレットを焚き火の上に置き温める。

そして、いい感じに火が伝わった頃、

リュックから油ののったベーコンを取りだしフライパンに敷く、

ジュージューと油の弾ける音が私の胃袋を直撃する。


正直このまま食べてしまいたいけど、まだ我慢。

次にその上に卵を二つ落とす。黄身は半熟の方が好みなので慎重に焼いていく。

ベーコンと卵を焼くパチパチとはじける音が雨音と混ざり合って非常に心地が良い。

その音とともにあたりに香ばしい匂いが広がっていった。


「カリカリのベーコンもいいけど、半熟卵も捨て難いわよね。うーん!おいしそう!」

わたしは思わずよだれをこぼしそうになる。


辺りにおいしそうな匂いが広がった頃、

先ほど助けた謎の生物の声が聞こえてくる。

どうやら気が付いたみたいだ。

「……なんだ?この匂いは……?ムグ……!?イタタタ!」

なんだか混乱しているらしい。


……良く考えると怪我人の隣りで料理ってなんかごめん。

そう思ながら私はその生物の方へ目を向ける。

すると、謎の生物がこちらに気が付いたらしくお礼を言ってきた。


「……お前が私を助けてくれたのか?

ありがとう、助かったよ。私の名前はフレイという者だ。」

と自己紹介される。


人間が理解できる言葉を発しているだけでも驚愕なのに

まさか自己紹介までされるとは思ってはいなかった。

しかし、少なくとも話している時点で野生動物のように知恵がない訳ではないみたいだ。

礼儀もしっかりしているし。とりあえずあいさつされたから私もあいさつをしておこうかな。

それよりも一体何者なのだろう、すごく気になる。

……そうだ、知恵があるなら正体も本人からついでに聞いてみることにしよう。


「私はフーカよ!あなたどうして倒れていたの?」


フレイの様子は私の質問に話すか話さないか決めかねている様子だ。

もしかして警戒されてる?……よく考えると当然か。

助けてあげたとはいえ出合ったばかりなのだ。

もし助けられた方が私だったとしても警戒の一つや二つでもするに決まっている。


「は、話したくなければいいわ。ごめんなさい。

なんで傷だらけで木の上に引っかかってたのか気になってつい聞いちゃったけど、

余計なお世話だったわね。」


するとフレイはハッとした顔をしてこちらを見てきた。


「いや……すまない。気をつかわせてしまったようだな。

話してもいいんだが……どこから話せばいいかわからなくてな……

長くなるが………いいだろうか?」

そういうとフレイはポツリポツリと話し始めた。


フレイは異世界からこちらに遊びに来たというのだ。それも精霊の世界から。

異世界を超えるときに自ら魔方陣を描いてこちらに移動してきたらしい。


その際こちら側には遺跡の様な物が生成されこちらとあちらをつなぐ

洞窟みたいなものができるとのことだが、

何らかの事故でこちらに遺跡が生成されずに時空の狭間を彷徨う事になったと説明された。


そして、その時空の狭間は常に不安定な状態の場所で、

その空間が何かの拍子に崩れてしまうと自分も死んでしまうという恐ろしい空間なのだそうだ。

そこで、狭間が崩れて無くなる前に全力で暴れまわって時空の狭間に穴を開け

なんとか外に出ることはできたものの、暴れたせいで力を使い果たした上に

飛び出た場所が空中だったらしくそのまま落っこちて木に引っ掛かっていたということだ。


何を言っているかわからないし信じられないような話だけど……。

現実に目の前に人ならざる者がいる。信じざるを得ない。


「聞いてみたは良いけど……意味が解らないという事だけはわかったわ。

……とりあえずうちに来れば?怪我してるし」


「本当か!ありがたい。

……正直どうすればいいのかわからなかったところだ。

お言葉に甘えさせてもらおう」


「でもその前に腹ごしらえね!ベーコンエッグ!食べましょ!」


「ふむ?ベーコンエッグとはなんだ?」


「え、知らないの?食べてみて、おいしいわよ!」


私とフレイは食事をしながらフレイから異世界の話を聞いたり、

私がどんな生活をしているのか。そんなたあいもない話を続ける。

ゆっくりと時がながれ、気が付けば、雨は上がり星が光っていた。

今回はフレイと出会う話で終わり。

それでは!

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