その85 実験1
バシャァァァァン
ルナの方からだ。ああ、あっちはあっちでちゃんと処理できたようだな。豚もちゃんと生きてるようだし。それにしても、面白いやり方だ。オークの周囲をすべて足元の水を利用して水で覆ってしまうことで窒息させる。
あんまり他に応用できる戦術ではないが、水がある場所ではかなり有用な戦術と言えるな。対抗策としては自分も水の魔法を使って打ち消すか、炎で蒸発させるか。
「ルナ!こっちも無力化できたから、こいつら一か所に集めようぜ。」
「わかったわ。こいつらもそっちに送るわよ。」
そう言ってルナは水魔法で波を発生させることでこっちに無力化したオークの体を持ってくる。さて、俺が無力化した2体と合わせて、一か所にポイだ。
「カイ、一匹残してるみたいだけど何かしたいことがあるの?」
「ああ、四次元干渉をもう少し検証したいと思ってな。かなり強力なスキルのはずだし、使いこなせればかなり役に立つと思うんだよ。だけど、このスキルについてあまりにも知らないことが多すぎるから、今回の戦闘でも活用できなかった。今回を機にいろいろ四次元干渉について確認しとこうと思って、な。」
「あ、だからこいつを残してたのね。さすがカイだわ!」
おうおう、偶然そうしようと思っただけだからそんなに褒めないでくれ。過大評価だよ。まあ、褒められるのはうれしいから何も言わないでおくけど。
「あ、彩華!もう安全だからこっちに来ていいぞ!」
「はい。すぐに行きますね。」
彩華はそういうと背中についた大きな翼を広げたかと思うと一気にこっちまで飛んできた。すげー。
「お前って、飛べたんだな。」
「はい。これが、前に行っていた種族の特性スキルのうちのドラゴノイド側のスキルです。翼術というスキルで、まだレベルが低いので、飛び上がってグライダーのように滑空するくらいしかできませんが。」
「へー。かなりおもしろそうだな。後で見せてくれな。」
さて、本題の検証に移ろうか。別に、何も難しいことはしない。ちょっとスキルを使用して効果を説明文と照らし合わせたり、使い勝手の確認とかするだけだ。そして何気に、スキルの鑑定をしてなかったことに気づく。善は急げだ。さっさと鑑定。
【四次元干渉】
【一時的に四次元に影響を与えることができる存在になるためのスキル】
【三次元の存在であるこのスキルの使用者は四次元を認識することができないため、スキルを使用している間も自分が四次元に影響を与えられる状況にあり、影響を与えているという認識は発生しない】
【四次元の認識に長けた種族は存在し、その種族の特性を色濃く受け継いだ個体は認識が可能】
【しかし、能動的に干渉が行えるような個体が発生することはごく稀であり、数百年に1個体発生するかしないかという程度の確率】
【スキル発動中はそこに存在するすべての多重的な三次元空間にアクセスすることが可能となるが、神もしくはそれを凌ぐほどの魔術的な才能と熟練度が無ければ自分が元から存在していた空間以外に行くことは不可能】
【また、スキル発動中は三次元の存在からは影響を受けなくなり、認識もされなくなるが、一部種族は例外的にそれが可能】
【スキルレベルの上昇で連続使用可能時間が増加し、単位時間当たりの必要魔力量が減少する】
あー、想定以上の分量だな。数枠程度の説明文かと思ったんだが、そんなもんじゃないな。実験の前に多少の説明文の吟味が必要そうだな。




