その8 レベリング開始
うーん、さっきの子完全に見た目が人間だったな。おそらくもう1人の人間型ってのがあいつなんだろう。ってことは星龍戦で一緒に戦うことになるんだろうな。なら今のうちに仲良くしといた方がいいか。後で挨拶しに行こっと。
そんな事を考えながら俺と父さんは帰路についた。
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家につきました。それでさ、帰ってる間ずっと思ってたんだけど、もう1人の人間型ってすごくからかいやすそうだと思わんかね。私は思うよ。今度挨拶に行くとき絶対に俺流の挨拶をしてやらんとな。フフ...。
それはそうとして。俺は手元の瓶を見やる。中にはドロッとした青色の液体が入ってる。これを飲めば魔法に必要なスキルが80%は手に入るんだよな。ちょっと鑑定。
【キメラクイーンの体液】
【キメラクイーンのスライム部分の一部】
【魔力感知、魔力操作、魔力変換、魔力放出、念話が込められている】
【“母さん”からのメッセージがあります】
【見ますか? 『はい』『いいえ』】
え?何かある?んじゃ、『はい』
【おまけとして念話もつけておきました。他人に話しかけられないようなので。キメラでまともな発声器官を持ってるのは人間型だけなのですよ。ああ、それと、あなたの力で地上部分を取り返せたらこの国はあなたにあげましょう。そういうの、好きでしょう?この事をしっかりと覚えておいて、やる気の足しにして下さい。】
...ふむ、これはいわゆる、世界の半分をお前にあげよう!というやつか。まあ、世界じゃなくて国だし、半分じゃなくて全部だし。
...やってやろうじゃあありませんか...。
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というわけで母さんの体液をグビッ!(意味深)
【魔力感知2、魔力操作2、魔力変換2、魔力放出2、念話2を獲得しました】
【他者吸収、吸収強化のレベルが3に上がりました】
これが省略表示の効果か。言葉の量が圧倒的に減って便利だな。
新しく獲得した念話で父さんに声をかける。
『なあ父さん、進化ってどうすればできるんだ?』
『そんなことか。レベルを10まで上げればできるぞ。お前はまだ一度も進化してないからすぐにできると思うぞ。』
『レベルを上げるには経験値を貯めればいいんだよね?経験値ってどうやったら増えるの?』
『ああ、生物を殺める度に増える。どうしてそんな事を聞くんだ?』
『父さん。俺、進化して、魔法が使いたい!』
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ハイ!という訳でやって参りました!洞窟の生活スペースの外!ここは外敵から巣を守るために大量の魔物が蔓延ってるのだ!壁面には所々魔結晶があって少しだけ明かりを確保しているが、戦うには少し心許ない気がする。今日はここでレベルを上げることにする。まあ俺はくっそ弱いんで父さんに手伝ってもらうんだが。
『では、始めるぞ。経験値は自分の力だけで戦った方が多く手に入る。自分で作った武器なら問題ないが、お前は自分で作った武器はない。よって、肉体変質で作った爪を用いて戦え。』
『わかった。最初は何と戦うんだ?』
『最初はゴブリンあたりが良いだろう。(ピィ〜)今のは「魔呼びの口笛」という魔法だ。魔力を消費して狙った魔物を召喚する効果がある。』
父さんが口笛を吹いた瞬間、地面に魔法陣のような光の輪がいくつも発生して、その中央に高さ1メートルほどの影が浮かび上がった。
【ゴブリン】
【世界最弱の一角】
【弱い分、たくさんおり、定期的に処理しないと厄介な存在となる】
では、俺の初戦...開始!!
次回からレベリング開始、その数話後には初進化する予定です。




