その49 レベリング3
「今日のところはこんなもんかな。」
「そうね。もう帰りましょうか。」
「あいよ。」
みんなもう想像はついてると思うんだが現在レベリングを終えて帰路に着いてるところだ。
ちなみに狩の内容を間単に説明すると、デスウルフをルナが軽く蹂躙した後はしばらくそこ周辺を探索した。実際、割と刺激的な時間で、見たこともないような魔物をいろいろ見ることができて、実に興味深かった。
まずは鎧熊。大きさ、大まかな体型は標準的なアメリカグマ(成体で体重100キロくらいだったかな?)と同じくらいだったんだが、大きな違いが1つだけあった。まあ、名前からもわかると思うんだが鎧を着てた。具体的にいうと、腹や肩などに皮膚が硬化して鱗のようなものに変質してる部分があった。
まあおかげで、弱点が非常にわかりやすかったんだがな。
なぜかというと、生物学の遺伝の分野の話になるんだが形質が親から子に遺伝する理由を考えれば簡単だ。
そもそも、皮膚が一部硬質化するなどの変化が起きるのはそれがその生物の生存に有利だからだ。偶然突然変異などの理由でその形質をもって生まれてきた生物はそれを持っているという理由で、同じ種類の生物のほかの個体と比べて少しだけ生き残る確率が増える。結果、そいつが子を成す確率も少し増えて、そいつが持ってた突然変異した遺伝子は子に受け継がれる。それが繰り返されて、一つの種を築き上げていくのが進化の原理だ。
ホッキョクグマだって最初から白かったわけじゃない。
偶然毛が白い個体が生まれて、そいつは毛が白かったから雪の白に溶け込むことができてほかの熊より食料を多く確保できた。食料を多めに確保できたから子を成すに至った。子供も残して、白い毛の子供が生まれた。これが何代も何代も繰り返されて、やっとホッキョクグマというものになった。
さて、長々と話してしまったが、要するに生物において進化を遂げた部位があったら、そこは進化前は弱点だったということだ。鎧熊に関していえば、腹や肩が硬質化してるということはもともとそこが弱点だったってことだ。
今回に関しては土属性の魔力爪で倒した。土属性の魔力は性質として質量が多い。つまり重い。まあ他にもあるんだが重要なのは今はこれだけだ。単純な破壊力を求めるなら土属性が1番という事だ。
さっきも言った通り鎧熊の弱点は腹や肩だ。魔力爪が便利なのは取り外し可能なところだな。遠距離から生成した魔力爪を射出したら、予想外の攻撃に鎧熊はほぼ反応できずに腹を貫かれてくれた。多少抵抗はあったようだがきちんと刺さってくれた。
一度鎧を貫いてしまえばあとは簡単だった。
だがまあ、俺は無抵抗な相手を甚振る趣味はないし、相手がもがき苦しんでる姿は見ていて気持ちのいいものではないからな。さっさと首を掻き切って苦しみから解放してやった。
デスウルフはただの赤いシミになっちゃったからな、これで今日の食事は確保だ。
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「なあルナ、このへんの敵、ちょっと弱すぎじゃないか?もっと奥まで行ってもいいと思うんだが。」
「うーん。おかしいわ。昨日来たときはこんなに簡単だったとは感じなかったのに...。間違いなくおなじ場所に来てるわよ。でも、敵の構成も昨日と違うし...。」
「まあいいだろ。2人いるからじゃないか?明日はもう少し奥まで進んでみようぜ。」
「わかったわ。」
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【数週間前、聖国内某所】
現在、この私ロドルフ・ダルムは煌びやかな装飾が成された部屋の中にいる。
ここは、聖国の中心部、白城の地下に位置する、聖国の重要人物しか知らない秘密の場所だ。今はあの国の対策についての会議が行われている。
「それでは、あの国、の対策についての会議を始めます。司会進行に関してはこの私が務めさせていただきます。」
「とは言っても、もう話すことなどないだろう。作戦の内容はもう決まっている。」
「ノマルデン突入作戦ですか。作戦の内容自体に変更はありません。今回は少し別の話です。」
「では一体何だね?」
「あの島に駐留させている密偵からの情報です。内部に人影を確認。との事です。」
「ふむ。厄介だな。その情報が確かなら突入作戦を早めてでも討伐に乗り切るべきだ。あの悲劇を繰り返さないためにもな。」
「ええ。今回集まったのは他でもありません、ノマルデン突入作戦の時期を早めることに対してみなさんの意見を聞かせていただきたいのです。」
「賛成だ。」
「私も賛成だな。」
「左様、賛成である。」
私もこの件に関しては反対ではない。あの悲劇は2度と繰り返されてはならない。私たちが、事前に阻止しなければならないのだ。
だが、龍種の助力があるとはいえ、本当に勝てるのか?あの存在は誠の化物、下手にその怒りを刺激するだけにならなければ良いが...。




