その36 炎龍
文化祭終わりました!
楽しかった〜。
突然だが、みんなは言霊、というものは信じているだろうか?
おそらく信じてない人がほとんどだろうし、前世では俺も信じてなかった。
だがまあ、こっちの世界に来てからは信じてる。というか、信じざるをえなくなったという表現が正しいかもしれない。
ついさっき俺が使った魔法、『炎龍』。炎蛇で良くないかと思った人もいるのではなかろうか。理由はさっき言った言霊。こいつが関わってくる。
これは炎の魔法だから『炎』や、似たような意味の文字は必ず魔法名に入れる。じゃないと威力がくっそみたいに下がってしまう。
次に『蛇』や『龍』、これらの文字は魔法の性質を決定する。俺が魔法名に生物の名前を含めると発動した魔法がその生物に近い振る舞いをするようになる。
わかりやすい例を挙げるとすれば、魔法名を言わずとも俺は魔法を発動することができるが、炎蛇みたいに生物のように敵に巻きつかせたりすることはできない。炎という物理現象が発生するだけだ。
このように、魔法名というものは大きな意味を持つ。
そして今回俺が選択した龍、俺が元いた世界では神話にのみ存在する生物、それもかなり強力な。蛇なんかとは比べ物にならない程だ。
そして、これが意味すること。
『蛇』ではなく『龍』を魔法名に含めるだけで俺が発動する魔法は大幅に強化されることになる。
まあ、当然弱点はあって消費する魔力の量が大幅に増える上に、魔法名に含まれてる『龍』が生物である以上、俺が発動した『炎龍』は意思のようなものを持つことになる。現状俺の力量では1匹の『炎龍』を制御するだけで手一杯になり、敵に近づかれると何もできなくなる。
今回この魔法を使おうと思った理由は、匠さんたちの移動がかなり遅いから、『炎龍』の機動力がかなり高いから、そして最後の理由、『炎龍』の戦力があれば匠さんの一団なんてものの数ではないからだ。
では、一方的な殺戮と洒落込もうか。
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だだっ広い空間、俺と、大量の匠さんが対峙する。
匠さんたちは個々の立て直しは済んでいるものの、数が多すぎて陣形を組み直すことはできないようだ。
結果、弓士が前線に立つことになる。
弓士たちは少しでも勝利に近づくため、少しでも俺を傷つけるため、俺に向かって点火した火薬を撃ってくる。遠慮は存在しない。
だがそれが俺に到達することは叶わない。
魔法『炎龍』は龍を龍の炎で作り出す魔法。その熱量は計り知れない。
よって、匠さんの火薬ごときでは『炎龍』が放つ熱波を通過することは不可能だ。俺に到達する前に、空中で燃え尽きてしまう。
匠さんたちが持つ遠距離攻撃手段は弓士のみ。
よって、既に匠さんたちは詰み状態。俺の勝ちだ。
「『炎龍』喰らい尽くせ。」




