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その21 一方その頃(ママ)

無事、旅先に到着できました。ちょっと早いかもですけど投稿です。

 その日、事件が起きました。


 国の民は皆、いつも通りの平穏な日常を過ごしていました。


 2名を除いて。


 それは昼過ぎ頃だったでしょうか。ルナが、すごい勢いで私の部屋に入ってきました。


「ママ!助けて!カイが!カイがいなくなっちゃったの!」


『!!どういうことですか?詳しく説明しなさい。』


「私とカイで、外まで魔物を倒しに行って、そしたら、いきなり大きな魔法陣が現れてカイがいなくなっちゃたの!お願いママ、カイを助けてあげて!」


 娘の頼みとあらば助けてあげるしかありませんね。


『では、その場所に案内してください』


 しかし事態は、私の思いもよらぬ方向に進んでいたようです。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ここに、大きな魔法陣が現れたわ!」


 私は記憶を辿ってみます。魔法陣は誰かが魔法を行使する、もしくは、何か強大な存在、惑星規模のエネルギーなどが集結している場合に発生します。この辺りに魔法陣を発生させるような何かがあったでしょうか?


 そこで私は閃きます。いや、でも、そんな話があり得るのでしょうか?あれは完全に伝承の類いだった筈です。


『魔法陣の色は、何色でしたか?』


「真っ黒だったわ!」


 私の仮説は正しかったようですね。これは私の部屋に戻って色々調べる必要がありそうです。


『ここで何が起こったのかは戻って調べない限りはっきりとはわかりません。でもカイがまだ生きているのは確実です。安心してください。』


「ホントに!?よかった〜。」


『まさか、カイの事、心配してるんですか?』


「ば、バカじゃないの!?私がそんなことするわけないじゃない!」


『あら、本当ですか?まあ、いいでしょう。カイが安全なのはわかりましたが、カイがいつ戻ってこれるかはわかりません。ですので、一旦戻りましょう。いいですね?』


「わかったわ。」


 娘の笑顔のためには、頑張ってしまうものですね。親というものは。


 年甲斐もなく張り切ってしまいました。


 さあ、部屋に戻ってからは、もうひと踏ん張りですよ。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 私の部屋に戻ってきました。


 ルナは家に帰しておきました。だんだん遅くなってきましたからね。


 さて、調べ物を始めましょう。


 と言っても書物を漁ったりするわけではありません。


 折角なので、私の持つスキル、王権について解説しておきましょう。


 王権とは、その名の通り、王の権力を象徴するスキルです。これを持っていると、建国が可能になります。私も、このスキルを用いてキメラの国を建国しました。


 このスキルは、スキルレベルが上がるごとに新しい能力が解放されていくタイプなのですが、その能力というのが、基本的に国づくりに関わる便利スキルのようなものです。正確な体内時計然り。国民の状態把握然り。


 さて、突然ですが、この世界には全能図書(アーカイブ)というものが存在します。全能図書(アーカイブ)にはこの世の全ての情報が記されているとされています。


 実は、王権により解放される能力には、全能図書(アーカイブ)閲覧権というものがあります。もちろん、禁忌と呼ばれる情報や、全能図書(アーカイブ)への干渉権を持つ上位の存在によって隠された情報などは見れませんが。


 全能図書(アーカイブ)閲覧権を行使するのはかなりの集中力を必要とする上に、終わった後にかなりの倦怠感を感じるのであまり使いたくないのですが、今は緊急時。致し方ないでしょう。


 私は意識を全能図書(アーカイブ)に潜り込ませました。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【大魔王】

【試練の魔王、調和の魔王などとも呼ばれている】

【他人に対して試練を与え、試練に成功したものに対して力を与えていたことで知られている】

【非常に愛情深く、人間の征魔軍に配下を殺された際には、全世界に戦争を仕掛けた】

【戦争の末、キメラの島の、洞窟内部に封印された】

【以後、伝承にのみ残る存在となっている】


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 私が目覚めたのは3日後でした。


 そして目覚めた私の前には、何やら真剣な顔をした、愛娘のルナが立っていました。


 ...あぁ、ルナたんかわいすぎぃ...。

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