その19 試練の洞窟2
初めてのまともな戦闘?
さて、3ヶ月経った。レベルも上がった。スキルレベルも上がった。進化もした。まんじゅうも強くなった。
今日は!遂に!外に出てみようかと思う!!
まんじゅう点呼!
「1」「2」
よし!行くぞ!
「ブモォォ!!」
ひぃっ!?
...いや、俺強くなったんだったな。今なら勝てるはずだ。
とりあえず周囲を確認する。ミノタウロスはこの一体だけだ。ミノタウロスは標準で斧を持っているが、こいつはかなり長いのを持ってる。いわゆるハルバードというやつだろうか?この狭い通路ではこっちが圧倒的に有利だな。ラッキー。じゃ、やりますか。
「はああぁぁぁっ!」
ミノタウロスに向かって突進する!長物は間合いの内側に入ってしまえば一気に有利になれるからな。
だがミノタウロスもそれはわかってる。俺を進ますまいとハルバードを上段から振り下ろしてくる!
ガキィン!
く、流石に刀で受け止めるには少し重いな。
このまま押し切られたら立て直しがかなりきつくなる。というか再起不能なダメージを食らう。俺はバックステップで回避することを選択した。これで仕切り直しだ。
しゃあない。魔力の回復は時間がかかるから温存したかったんだが...食らえ、『炎蛇!』
俺の手から放たれた炎の蛇がミノタウロスに絡みつく。この攻撃はミノタウロスの意表をつけたようで、全く反応できてなかった。ここまで肉がこんがり焼けるようないい匂いが漂ってくるぜ。
じゃあ次行くぞ!『闇空間!』
「ブモォォ!?」
成功だ。どこからともなく出現した闇がミノタウロスの頭を覆い尽くす。直接的なダメージは一切ないが、光を全て吸収する。ミノタウロスは今何も見えない状態だろう。
よって、今のうちに攻めるっ!
まずミノタウロスに向かって全力でダッシュ!通り抜けざまに脇腹に1発!そして「物理超越!慣性を反転!」これで俺は、止まろうとすると逆向きに加速するようになる。この状態で方向を反転、回転の勢いを乗せた一撃でミノタウロスの右手を切り落とす!
と、ここで闇空間の効果が切れてしまったようだ。もう一度撃ちたいところだが初見じゃなければ間違いなく対処される。物理超越の残り時間も少ない。さっさと終わらせよう。
オーラ(火)を発動、俺の周りに赤い粒子が集まり始める。俺はその粒子を魔術師で武器に集める。これで俺の次の一撃の威力が爆発的に増え、炎によるダメージも増える。
だが俺の狙いはそこじゃない。
俺は片腕になって威力が弱まった一撃を軽々と避け、ミノタウロスに絡み付いてる炎蛇を思い切り切りつける。炎蛇が爆発的に燃え上がる!
このまま焼け死んでくれ、そう、俺が思ったその時だった。
「ブモォォォォォォォォァァァァアアアアア!!!!」
ミノタウロスがハルバードを手放して俺の刀を鷲掴みにし、指を深く傷つけながらも刀身をへし折る!
くそっ、武器をやられた。肉体変質:爪!
ミノタウロスの豪腕が俺の右腕めがけて迫る。避けれない。ならば、攻めるのみ!!!
「さっさと、死ねぇぇぇっ!!!」
俺の爪がミノタウロス喉を貫くと同時に、ミノタウロスの拳は、俺の右腕を砕いていた...。
次回はミノちゃんを食します。




