東京の豪邸
「えらい目にあった…」
龍樹は、警察に連れてかれた後、一樹と紗咲に連絡して、
無事と警察署にいることを報告、警察を説得して貰った。
ついでにお迎えを頼んだのだが、二週間後に行くとのことだった。
なぜ二週間後かというと、二週間後がゴールデンウィークだからだ。
「ん?俺が攫われたのが4月6日、
二週間後が4月20日、
ゴールデンウィークが始まるのは4月29日…
……少しずれてる…?」
龍樹は、「まあ、ざっくり言ったんだろう。」と自問自答をすませ、
一樹に紹介して貰った、一樹の親戚の家に泊まらせてもらうことになった。
「さて、行きますか。」
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ついた。
(本当にここであってんのか?)
と、思うのも仕方ない。
立派な木の門、
長い飛び石の道、
3階建ての和風な家。
とてもじゃないけど、都心にあるような家じゃない。
取り敢えず、入ることにした。
「な、なんじゃこりゃ……」
中に入ると、三十人ぐらいの土下座をしている着物の美女と、
「「「いらっしゃいませ!」」」というキレイに揃った声が聞こえてきた。
「あ、あの、赤井 一樹君に紹介されて来たのですが…。」
「あら〜。貴方が内村君?イケメンね〜。」
と言って顔を上げた一番奥の真ん中の人が、一樹の親戚のようだ。
「あの、看板とか無かったですけど、ここは旅館か何かですか?」
「そうよ〜。ここは[あかい旅館]。隠れた名旅館よ!」
「知る人ぞ知る。みたいなものですか。」
「そうよ〜。たまに外国のお偉いさんも来るのよ〜。
取り敢えず、中へどうぞ〜。」
案内された先には、
壁があった。
「あの〜、ここは?
長い通路に、なにもないまま行き止まりっておかしくないですか?
奥に大きな部屋があるならわかるんですが。」
なにもない長い通路を歩いて来たのに、
案内された先が行き止まりなのだ。
自然と疑問が浮かぶ。
すると、女将である、赤井楓子さんに、
青白い指輪を渡された。
「これは?」
「その指輪を人差し指に付けて、壁に突き出してみて。」
言われるがままに、指輪を人差し指に付けて、壁に突き出した。
すると、壁から、
「ガチンッ!」という音が聞こえて来た。
そして、なにも無かったはずの壁に、大きな通路ができていた。
「なんですかこれ!?」
驚きのあまり、イントネーションがおかしくなった。
「フフフフフ。これは、
別館と繋がっている、[秘密の扉《シークレット:ドア》]よ。
亭主の趣味なの。この先が住居スペースよ。」
そうして連れてこられた部屋が、例にならってだだっ広い。
「こんなに豪華な部屋を使ってもいいんですか?」
「勿論よ。それに、ここより大きい部屋なんて
いくらでもあるんですから。」
取り敢えず、女将と別れたので部屋に入った。
大きなベット 、 大きなタンス 、 大きなドア 、 大きな窓
大きなソファー 、 大きなテーブル 、 大きなテレビ 、 大きな照明
どれを取っても大きかった。
「すごいなぁ」
と、龍樹が感心していると、不意にベットの上がモソモソしだした。
猫でもいるのだろうか?と、的はずれなことを考えつつ、
龍樹は掛け布団をめくってしまった。
そこに広がる光景は、肌色の世界。
黒髪で同い年ぐらいの子が、あられもない姿で寝っ転がっていた。
キレイな白い肌と、黒い髪は、
その美しい体をより一層引き立てる。
胸はギリギリ手に収まらないサイズ。絶妙な大きさだ。
龍樹がその美貌に見とれていると、
女の子が眠そうに目を開けた。
「……………」
「あ、えっと、すいませんでした。」
龍樹はそう言って、女の子にそっと布団をかぶせた。
はい。
ヒロイン追加しまーす。
旅館ということもあって、和風美女って感じです。
相変わらずの不定期投稿とさせていただきます。
これからもよろしくお願いします