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自分の指の使い方

今回も閑話っぽいなー

壁を壊そうとした。

壊れない。


窓を割ろうとした。

割れない。


屋上にむかった。

屋上何階だよ…


扉があった。

蹴破ろうとした。

例にならって蹴破れない。


扉には小さなガラス部分があった。

外が見える。

ニンジンを釣り竿でぶら下げられた馬の気持ちがわかった。

今までごめんな、馬。


鍵がかかっていた。

鍵が無い。

足音が遠くに聞こえる。

どうしよう……

足元に尖った壁の破片があった。


ふと、考えがよぎった。

残酷で確実な方法が、一つだけ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



声は抑えた。

指から血が滴る。


「くそッ……いてええぇ……!」


龍樹は、残酷で確実な方法を実行した。

尖った壁の破片で自分の人差し指を削り、

鍵穴に入るサイズにし、鍵を開けた。


「再生能力があっても、痛いものは痛い、傷が深ければ治りは遅い…か。

まあ、当たり前っちゃ当たり前だな。」


龍樹は、痛みに耐えながら逃げ帰るのであった………



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「どうしよう……」


あの日、あの出来事の後、

紗咲は困惑していた。


「たっちゃんが攫われちゃった…!」


そう、龍樹が攫われた直後のことだ。


「いっちゃんに連絡しなきゃ!」


プルルルル プルルルル プルルルル

電話の呼び出し音がなる。

もどかしい。

焦る気持ちは膨れ上がっていく。


「ガチャ」


『紗咲?どうした?』

「いっちゃん!たっちゃんが!たっちゃんがあぁ!」

『なんだよ?まあ、落ち着けって。』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「いっちゃん、早く来て…!」


紗咲は、一樹に全て話した。

実は一樹は退院しており、自宅で休んでいた。

医者は、「一応安静に。」と言っていたらしいが、

「そんなことかまわねぇ!そっち行く!」

と一樹が言っていた。

一樹は道場に来るようだ。


「…………………………ぇ……………」

「!」


何か聞こえてきた。


「さぁぁぁぁああああぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


一樹だ。


「龍樹はどっち行ったあああああ!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ちょっとだけ後の世界で、龍樹は見知らぬ街をさまよっていた。


「傷はほぼ完治した…。

痛みも引いた…。

迷子になった…。

やばい……。」


ふと、看板が目に入った。


『スナック 上京』


この時は、まだ、違和感を感じなかった。

しかし、ここから看板の猛攻が始まるのであった。


『東京メンチ』

『ゼブラホテル 東京』

『キリスト教会 東京本部』

『都心ラーメン』


「……………ここ、まさか……………。」


立ち並ぶ高層ビル、やたら多い人々、大きな液晶パネル


「………ここ、ここ、」


龍樹の予想は正しかった。そう、ここは……


「東京かああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!?!?」


田舎っ子丸出しの服装(道着なんだけど、都心の人は気がつかない。)と、

でかい声に、道行く人々が龍樹に注目した。


「嘘だろ…?あの東京?あのTOKYO?とおおおおきょおおおおおおおおおお!!!!!」

「ねえ、キミ、おーいキミだよ、道着姿のキミ!」


急なTOKYOのせいで人格が壊れかけている龍樹に、

声をかける勇気ある者が現れた。

我に返った龍樹が後ろを見ると……








制服姿の警察官が立っていた。


「ちょっと署まで来てくれるかな?」

「あ………………ハイ…。」

まあ、当たり前っちゃ当たり前ですね。

道着姿の人が街中で頭イっちゃったんですから、

クスリとか疑われても、仕方ないですよね。

ハイ。


そういえば、道着ぐらい見て分かりますよね。

いくら武術をやってなくてもねぇ(笑)


相変わらずの不定期投稿とさせていただきます。

これからもよろしくお願いします。

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