ハイテンション野郎の無茶振り
閑話といっても良いぐらい閑話。
「な、なんだお前…」
男のハイテンションぶりに、龍樹は困惑した。
「お前とは失敬な!私はユニフローラだ。よろしくっ!」
「え、えっと、俺はシレネに攫われてきたんだよな…?」
「おいおい少年、人の婚約者は呼び捨てにするものじゃないぞ!」
「フィアンセ?やっぱりあんた、魔人族か!」
「あんたじゃない!ユニフローラだ!さっさと覚え給え。」
「わかった。ユネフローラ、お前は魔人族か?」
「フン。いかにも。私は魔人族だ……
…が、〔ユ『ネ』フローラ〕ではない!〔ユ『ニ』フローラ〕だ!」
ユ『ニ』フローラはそう言い終えると、いそいそと何かを取り出した。
取り出された物は、赤黒い宝石のような物と、針だった。
「少年、この針で自分を刺せ」
急な意味不明な命令に、ほぼ反射的に反対した。
「なに言ってんだ?やるわけないだろ」
「少し血を出してくれれば良い。そして、お前の血をこの宝石に飲ませるのだ。」
「は?どういうことだ?宝石に俺の血を飲ませる?」
「ああ。そうだ。この宝石は、人の血を飲むと勝手に [死の血盟] をする。」
「なんだそれ?」
「そのままの意味だよ。血盟をして、盟約を破ると死ぬ。それだけさ。」
「ん?盟約って、なにを約束するんだ?」
「一個だけだぞ?」
「だからそれが何かって聞いてんだよ。」
「魔人族の奴隷になること」
「……………………は?」
「どした?」
「イヤイヤイヤイヤイヤ、『どした?』じゃねぇよ。
奴隷?嫌に決まってんだろ?お前こそどうした。」
「まあ、早くしてくれ。拘束は解いてあるぞ?」
言われて気がついたが、いつの間にか拘束されていなかった。
「…断る選択肢は?」
「無い」
「……」
「……」
「じゃ。」
龍樹はそう言い残して、ダッシュで逃げた。
猛ダッシュで。
シレネより凄そうなやつに勝てるわけ無い。
「戦ったら死ぬ」この結論が、考える前に出てきた。
というわけで、さっさと逃げたのだが…
「出口どこだあああああぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」
広すぎて迷子になった。
はい、どうも、yomokuです。
取り敢えず魔人族の登場人物を無理やり一人増やした感じです。
今までは酷いもんですが、
自分の中で話がまとまってきたので、ここから修正していこうと思います。
相変わらずの不定期投稿とさせていただきます。
これからもよろしくお願いします。