拉致と拷問
ちょっとグロいなー。
規制かかるかな?大丈夫だよね?
というシーンがあります。
苦手な方はご注意を。
「ドガアアァァァン!!」
「ガハッ⁉︎」
龍樹は壁に叩きつけられた。
口を手で押さえるが、体内から込み上げる血液は、
龍樹の手には収まりきらず、「ビチャビチャビチャ」
と音を立てながら流れ落ちた。
「こっちの世界にも、魔法って言葉ぐらいはないかしら?」
「魔法…ハァハァ、……そんな…あるはず無い………。」
「貴方には私が消えるところを見せたはずよ。
あれも魔法なのだけれど、気が付かなかったかしら?」
「ああ…やっぱ……そうなのか……
嫌な予感は…してたん……だ…けど………ハァハァ……。」
「とりあえず、生け捕りじゃ無いと駄目みたいだから、
そうね……寝ていてもらおうかしら。
あら、そうだわ。
貴方、黒い指輪を知らない?」
「ゆ…びわ……?し……らな…い………。」
「そう。それは残念なことだわ。」
シレネはそう言うと、何やら呪文の様なものを唱え始めた。
「睡眠の神ヒュプノス、
夜と夢と共に汝の力を使わせ給え、ソムニフェール!」
シレネが呪文の様なものを唱え終わると、
青白い光が龍樹を覆った。
「なんだ…これ………ね…むい…………………。」
~~~~~~~~~~~紗咲視点~~~~~~~~~~~~
すごい轟音と共に、ぼんきゅっぼんな
髪と服と唇が暗い紫色の女の人が飛び出してきた。
「綺麗な人だな〜」と見惚れている間に、
刀の打ち合いが始まっていた。
その時、やっと今の状況が理解できた。
「この人が魔人か。」と。
たっちゃんは、すごい速さで返り討ちにした。
「勝った」と思った。
でも、たった今までそこにいた、
たった今まで勝っていたたっちゃんが、いない。
後ろからまた轟音が聞こえてきた。
振り向くとたっちゃんが青白い光に包まれていた。
たっちゃんはぐったりとその場に倒れると、
シレネと呼ばれていた人に担がれ、どこかへ行ってしまった。
「たっちゃん…………………。」
~~~~~~~~~~~龍樹視点~~~~~~~~~~~~
(何処だここ?)
目がさめると、暗い場所にいた。
何も見えない。
体が動かない。
焦って助けを呼ぼうとする。
声が出ない。喉が痛い。
呼吸はできる。かすれた呼吸音だけが聞こえる。
声が出ない理由がわかった。
切り取られている。
だんだん、ここにいる理由を思い出してきた。
(ああ、捕まったんだ。)
(……そうだ!紗咲は⁉︎)
周りに他の人の気配は無い。
(どうしよう。)
脱出する術を考えていると、不意に扉が開いた。
全身真っ黒な六人組が、部屋の中に入ってきた。
そして、龍樹を囲むように立ち、
1人がこう言った。
「拷問を開始します。」
龍樹は焦った。
(拷問てあの拷問か?なんで拷問?なんで俺に刃物を向ける?
おいおい、拷問て何か聞いてからやるんじゃないのかよ!?
麻酔もしてないだろ!!おいおいおいおい!!!)
1人のダルマさんが誕生した。
龍樹は傷だらけになった。
(死ぬ……)
(殺される………)
そう思った時、
コバルトブルーの液体を首筋に注射された。
「ッ!ッッッ!」
声にならない悲鳴が出る。
「ッッッァッッカッッ!」
? 声が出てきた。
「ッガアッ!アアアアアア! ! !」
どういうことか、声が出るようになった。
黒い六人組は、
「これはすごい!」とか、
「成功だ!」とか、
「こんな能力があるのか!」とか、
口々に言い合っていた。
「傷が治ってる……?
四肢が……ある……?」
手足の感覚がもどった。
「まさか、これが俺の『力』なのか?」
その時、また扉が開いた。
六人組の反応からして、結構なお偉いさんだろう。
「やあ、内村 龍樹くん?無事に発動したようだね。」
なかなかのナイスガイだ。
n i c a g u y だ。
「俺の『力』ってのは、さしづめ〈再生能力〉ってところか。」
「ピンポーン!!!ご〜〜め〜〜い〜〜〜〜と〜う〜〜!!」
「……………。」
「………はぁ。」
「………はぁ。」
「………はぁ。」
「………はぁ。」
「………はぁ。」
「………はぁ。」
どうやら六人組も苦労しているようだ。
ダルマさんの意味、わかるかな…?
相変わらずの不定期投稿とさせていただきます。
これからもよろしくお願いします。