事件後の決意
あれから2日後、龍樹は病院のベットの上にいた。
怪我をしたのは一樹だけだと思われていたのだが、
シレネが去る時に出た砂のような物には、
触れたら切れるという、不思議な力があった。
龍樹はそれを至近距離で触れた挙句、大量に吸い込んでしまったため、
致命傷ではないものの、内臓がやられてしまったのだ。
(俺は治ってきたけど、一樹は…)
「クソッ……」
一樹は未だに昏睡状態であり、
医者曰く、「目覚める気配は無い。」とのことだった。
「おじゃましますー。」
「おお、紗咲。……一樹、どうだった?」
「変わらないよ。」
「そうか…」
「……。」
「……。」
「えっと…じゃあ私、失礼するね。」
「あ、うん。じゃあ、またな。」
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(シレネは、俺を狙っていると言っていた。
『私達』と言っていた。…という事は、
魔人は複数人いる?さしずめ魔人族ってところか。
ってか、あんなのがまた来るのか?
もしかしたら、二、三人、いや、
もっと大勢でくるかもしれない。やばい気がする……。
鍛えたいところだが、まだ俺は動けない。)
「……早く治さなきゃ。」
~~~~~~~~~~ 一ヶ月後 ~~~~~~~~~
「んんん〜なーーおったぁぁぁあああーーー‼︎!」
「おめでとう‼︎」
「いいなー。俺も早く治さなきゃな!」
上から、龍樹、紗咲、一樹である。
龍樹の退院祝い中だ。一樹も無事に目覚めた。
「うおおおおお!」
「ぬおおおおお!」
「うがああああ!」
上から、龍樹、龍樹、龍樹である。
「ちょっと!テンション上がり過ぎ!」
「たつきいい!正気をたもてえええ!」
「うおおおおおおおおおおお!ところで俺、
修行しようと思ってんだ。」
「修行?どこでする気なの?」
「ああ、広い道場を借りるつもり。」
「紗咲、なんであのテンションの急変に対応できるんだよ…。」
一樹が、呆れた眼差しで紗咲を見ていると、
紗咲がもっとびっくり発言をした。
「私も一緒に修行する。」
「……は?」
「カヨワイオンナノコガナニヲイッテイルノカナ?」
龍樹が間抜けな声を出してしまい、
一樹が若干壊れたが、紗咲は話を続けた。
「もう、2人だけを危険な目に合わせたく無いの。
たっちゃんの話からして、また襲って来るかもだし。」
「そうはいっても、俺らとお前じゃ話が違うだろ。」
「そうだよ。龍樹と俺は小さい頃からやってるけど、
お前はそうじゃないだろ?」
「絶対行くもん!」
紗咲は、こうなったら聞かない。
「仕方ないな…。」
「おい!龍樹!」
「いいんだ。実力に合わないものは教えないから。
それに、実戦には連れて行かない。これならいいだろ?」
「…わかったよ。」
「危険な目には合わせねぇよ。安心しろ。」
「ちょっと……私が2人に
『危険な目に合わせたくない』って言ったんだけど?」
「じゃあ、『俺の許可がない限りは』でどうだ?」
「いいよ。絶対許可させて見せるんだから!」
「一樹は?」
「わかった、いいよ。行ってこい。」
こうして、龍樹と紗咲は一緒に修行をすることになった。
紗咲が思いもしなかった、きっつ〜い修行を・・・。
一樹の性格が変わった気がする。
もうちょい ふざけさせようかなぁ…。
龍樹の方がふざけてるもんなぁ…。
……これからもよろしくお願いします。
相変わらずの不定期投稿とさせていただきます。