勧誘
流れに任せて書いているので、どうなるのかYomoku自身もわかっていません。
一体どうなるのやら…。
「貴方と友達、どっちが先に死ぬ?」
(に、逃げなきゃ…でも、中には紗咲が…)
龍樹には、中にいる紗咲を放って逃げるなんて選択肢はなかった。
ただ、紗咲を助けに行けば、一樹は確実に死ぬ。
つまり、この場で一樹と二人で応戦するしか、
三人が助かる可能性はない。
「一樹、やれるか?」
「やるしかねぇからな。1分稼ぐ。木刀を俺に、
お前は・・・家宝の刀を持ってこい!」
「は!?お前、本当の殺し合いをする気か!?」
「いいから持ってこい!」
「チッ…分かったよ!」
龍樹はすぐさま走り出した。
「すいませんね、オネーサン。あいつが来るまで
俺と戦ってもらいます。」
「あらあら、一人で1分も持つと思ってるの?
すご〜く心外だわ。」
そう言って微笑みを消した“そいつ”は、 ふっ と姿を消した。
「な、どこいった!?」
「ここよ。」
声の聞こえてきた方向は、横でも後ろでもなく、
上だった。
「ズドンッ!」
“そいつ”の振り下ろした脚は、鈍い音とともに、
一樹の腕に到達した。
「バキ、バキバキッ!」
不気味な音が周囲に響いた。
「あ゛ぁぁぁぁぁーーー!!!」
「うふふ。いい声で叫ぶわね。その声、好きよ。」
「ぐがあ゛ぁッッ………ハァハァ……
……褒められても、嬉しくねぇよぉおお!!」
腕を振り上げつつ、完全に意表をつく形で、
渾身の膝蹴りを繰り出した。
しかし…
「ガッ!」
一樹の膝蹴りが、まんまと止められた。
「なっ!?」
「甘く見られたものね。」
“そいつ”はそう言って、受け止めた一樹の膝を、
「ゴキッ」
いとも容易く握り潰した。
「ッッッッグア゛ァァァーーーッッッッッッッッ!!!」
「脆いわね。」
そう言って、“そいつ”は刀を振りかざした。
(なんなんだよ、………もう、駄目なのか。俺は……クソッ。)
一樹は心の中で悪態をついた。
死を覚悟した。
しかし、龍樹が戻ってきて戦況が翻った。
「一樹っ!」
龍樹が、“そいつ”に向かって木刀をぶん投げた。
“そいつ”は、大きく飛び退いた。
その跳躍で、空中にいる“そいつ”を、
龍樹は逃さなかった。
龍樹は、“そいつ”にむかって、家宝の刀を振り下ろした。
「キンッ!」
金属音とともに、火花が散った。
普通ならば、そのまま刀の打ち合いになるのだろう。
しかし、龍樹の家宝の刀は強かった。
それ故、“そいつ”の刀を折ることができた。
“そいつ”は、驚愕の表情をみせつつ、
家宝の刀を手で受け止めた。
「強い…地球でここまで強い人間はいなかったわ。
ねえ、貴方、世界を手に入れる気は無い?」
「何を言っている・・・」
「そのままの意味なのだけれど…
要約すると、『一緒に世界を征服しましょう』ってことよ。」
「断る。第一、お前は何者だ?何故、俺らを襲う?」
「そうね、自己紹介がまだだったわね。
私は、魔人・シレネ。異世界からの征服者よ。
私達魔人が狙っているのは、内村龍樹、貴方の力よ。」
「魔人?異世界?俺の力?ますますわからねぇな。」
「貴方は自覚が無いだけで、膨大な力を持っているの。私達は、それがほしい。
…っと、時間が無くなってきたわね。ここらへんでおしまいにしましょう。
また会える事を楽しみにしているわ。」
「待て!お前にはまだ聞きたい事が…」
シレネは、龍樹の制止を無視して、砂のようにさらさらと消えていった。
「ちくしょう…なんなんだよ……。」
〈魔人〉 〈異世界〉…漫画でしか聞いた事がないような言葉と、
砂のように消えたシレネの顔が、恐怖、不安、
そしてなにより、龍樹の頭の中に、大きな謎を残していった。
やっぱり投稿は不定期です。
気ままに書いていこうと思います。