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現実と夢

菫子は寝ている間だけ幻想郷に入れる。しかしそれは夢幻病の症状であることが最近明らかになった。さらに本来見るはずの夢が遊離する夢魂も発症している状態でもある。

本来は現実と夢の世界を切り替えないといけないが夢の世界が現実を体感しているため本来の夢を失っている。

そう、菫子はドッペルゲンガーの怪を異変で使用したため、二人の菫子が誕生することになるのだ。


このままの状態が続くと菫子は最終的にずっと眠り続けてしまう。菫子自身の問題なので今まで聞かずにいたが、ほとんどここにいるのでどう思うのか気になっていた。


「う~ん…、考えた事無かったな。今答えなきゃダメ?」

「強制はしない。ただ俺が気になってただけだし別にそれを咎めたりはしないさ」


菫子は腕を組んで考えた。いろいろ頭を巡らせていることだろう。

少し考えて出した答えはこれだった。

「答えが出たらまた話をすることにする」

彼女の顔は笑ってはいたが、深刻そうな顔はしていた。

結局その日は菫子と別れ、早苗と瑛士はそれぞれ帰ることになった。



以下はその後のノートの文章


「現実か夢か。私はどちらを取るべきだろうか。

その話は前に聞いた事があったが改めて問われると分からなくなってくる。今の生活はとても楽しいし満足さえしている。しかしこの状態は現実の私にも支障が出るのも知っている。それを決めるのはもちろん私。誰もそれは教えてはくれない。しかし彼の発言を私はこのように捉えた。お前の人生だから自分で決めろ、どのような結果になろうが幻想郷は全て受け入れる、と。

たぶんその結論について私は書かないだろう。いつかこのノートを誰かに、もしくは親に見られたときにどう答えるか分からないから、まだ時間はある。ゆっくり時間をかけて考えてみようと思う。」



「考えてたんだ、叔母さんは」

「きっと、彼の発言は菫子さんのターニングポイント、というべきかしら」


もし私がこの立場だったとしたらどういう選択をするだろうと、蓮子は考えた。

「メリー」

「うん?」

「もしメリーが今の立場にいたらどう考える?」

「たぶん絶対に答えられない。自分の選択だしたぶん蓮子にも話さないね」

「やっぱりか。たぶん私もそうする。」

蓮子もメリーも笑ってはいたが複雑な心境だろう。


この後はただの活動日誌が続いていて半分を過ぎてからページは真っ白になった。

そして最後に近づいたページに文字が書かれていた。


そのページのタイトルにはこう書かれていた。


「決断」



前回話した甘味処に瑛士はいた。

彼女はしっかりとした表情でまっすぐ彼の顔を見ていた。


何か一つ決心がついたような晴れ晴れした表情で…




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