Locket-Fire-Works
掲載日:2015/06/10
火を噴いて、火を噴いて、空へ、空へ。
どんどん高く、どんどん高く。
子供心に、目を追いかけた。
ロケットから下を見て。
見上げた僕を、見下ろしていた。
ぱん。
はじけて、
我に返る。
あぁ、そうだ。
僕は、ここに居たんだっけ。
繰り返す動作。
瓶に並べた一本一本。
端から順に火を、つける。
しゅっ、しゅっ、しゅっ。
遠くへ、遠くへ、遠くへ、
火薬が爆ぜる瞬間。
導火線が焼き切れる一瞬。
自分の顔に、かかる火の粉。
焼ける素肌。
至近距離。
一本だけが、笛の音を立て、
林檎の木の上。
真っ黒になった。
そうしてまた、空を目指す。
きっと、明日はバラバラになる。
明後日は、四本束ねて。
もっと遠く。
もっと、空。
行先は上。
思いは、宇宙。
現実は、砕け散って。
風に飛ばされ、用水路の中。
さようなら、烏。
またおいで。
お勤めご苦労様。
その時、僕の目も道連れ。
真っ赤に染まった。




