tmp.1 これがボクのご主人さま
※この作品にはわりと突っ込んだシモネタとかエロ話題が多々あるのです。
※元男の子の現美少女エルフちゃんが青年さんにヤられちゃうお話です。
※息抜き小説なので一話は短めで勢い重視のやまなしおちなしいみなしです。
※苦手なかたはバック推奨
「あの、ご主人さま」
昼下がりの午後、何をするでもなくソファーに腰掛けてこちらを見る黒髪の青年に向かってボクは声を掛けました。彼はにこりと笑って返します。
「んー、なんだソラ」
正直この人物に言いたいことは山ほどあるのですが、今言いたいことはこれだけです。
「このメイド服、凄く裾が短いんですけど……」
彼は何も答えず、そっとひらひらの可愛らしいミニスカートのメイド服を着たボクをソファーへと抱き寄せるのでした。
◇
彼の名前は『如月 秋夜』、日本で高校生をしていた時にトラックに跳ねられて、神様を名乗る老人からチート能力をもらってこの世界へやってきた青年です。本人曰く非リア充で全くモテていなかったそうですが、日本人的に見ると結構カッコイイ顔立ちで面倒見も良いのでそれなりにモテていたように思います。
対するボクは『天成 空』、同じく日本で高校生なんてしてました。こちらはトラックと一切何の関係もなく飛び降り自殺してきた人にぶつかってぐしゃーってなって死んだみたいです。ぼんやりとですが何となく上を見上げたら自分に向かって人が降ってきた記憶がありますので。
気が付けば神様は現れずチートもなく、幼いエルフの少女になって森の中で倒れていました。そのままふらついていた所を奴隷商人にゲットだぜされて商品陳列、俺は男だー人間だーと主張しても返事は鞭で、最低限身を守るために丁寧語とボク口調を徹底しました、痛いのはもう嫌です。
後で知ったことですが尖った耳から商人たちはボクをゴブリンと人間のハーフと勘違いしていたようで、『チート主人公が金を貯めたらまず演るべきことをする為』に奴隷商へと来ていたご主人様に買われてしまったのです。
まぁボクの方は金髪蒼眼なエルフ姿でしたけど、彼はそのままだったので一目で日本人だとわかり自己紹介の時に日本語で「中身は日本人だよ!」アピールしまくったのも功を奏しました。得体のしれないオッサンや変態に買われるよりは同じ日本人のほうがマシだと思ったのです。
ほら、大抵のチート持ち日本人は下心満載で買ってもヘタれた挙句に奴隷に一切手を出さず好待遇に処すことが多いと前世のネット小説などで学んでいたので、それに賭けたのです。
ご主人様は日本に居た頃からエルフ好きだったらしく、こちらの世界のエルフは愛玩用に貴族に乱獲されてもう大分前に絶滅してしまったと聞いて絶望していたようです。そこで諦めつつも奴隷は欲しいと行った商館で森鬼のハーフとして紹介されたボク、薄汚れていても金髪蒼眼でステータスを見るとそこに燦然と輝く【種族:エルフ】の文字。
奴隷商がボクがエルフだと悟られないように必死で知らない振りをしながら買い取ったみたいでした。ご主人様いわくロリィけど見た目は最高クラスという話で、エルフだったら城が建つ値段がするとか云われて背筋が寒くなりましたね。
ちなみにボクのお値段、金貨3枚。日本円だと30万くらいだったそうです。チートさえあればあのガマガエルぶん殴ってやるのに……。
何はともあれそこまでエルフが好きなら無下には扱わないでしょうし、同じ日本人で懐かしい話も出来る相手、余計なことさえしなければむしろ高待遇が期待できると笑みが止まりませんでした。
実際に魔法で鞭の傷痕もきれいに直してもらって、毎日ごはんもお腹一杯食べれて割と幸せな日々でした。といってもまだ一週間目なんですが
そんなある日、こそこそしてると思ったらご主人さまがどこからか随分と可愛らしいデザインのメイド服を持ってきたのです。正直抵抗はありましたが養ってもらっている身、このくらいのコスプレで良ければ喜んでやりましょうと着てみたのですが、何というか思ったよりも裾が短い……ちょっと動けば白いものが見えてしまいそうで、それに関して抗議をと思ったら、この有様なわけです。
「あの、ご主人さま?」
「気に入ってくれたか?
そろそろ……いいかなと思って用意したんだけど」
何がどういいのでしょうか、取り敢えず太腿を触るのをやめてほしいです。
「な、なにがですか?」
首元に顔を寄せながら逃がさないように腹を抱きしめてきます、割と本気で力の差があるので怖くて泣きそうです。
「一応、ソラのことは性奴隷のつもりで買ったんだよな」
「…………」
やばいです、正直抱き寄せられた時から察してましたけどやばいです、性転換の葛藤とか心の変化とかすっ飛ばしすぎです! 過程をすっ飛ばして結果を求めるせっかちさんは嫌われるのです、この手のチート主人公にあるまじきガンガン行こうぜ具合です!
このままだとボクの貞操はちっぽけな男のプライドと共に刺し貫かれるでしょう。それだけは阻止しなければいけません。
「ご、ごしゅじんさま! あの、あの、まだ、明るいです!」
「そのうち夜になるって」
どんだけやる気なんですかこの変態野郎、やっぱりガンガン行こうぜですか、気遣いって言葉を辞書で引いてしっかりと蛍光ペンでマーキングしてきてください今すぐに、その間に逃げますから!
「というかソラさ、わかってる?
俺はエルフ大好きだって言ってるのに、
あんな可愛らしい笑みで毎日無邪気に、無防備に接してきてさ、
一週間も我慢したことをむしろ褒めて欲しいんだけど?」
少しでも印象を良くしようと媚びを売ったのが裏目にでましたか……!! ってひいい!? 硬いものが、なんか硬いものがお尻に!! ピンチです絶体絶命ですマジヤバです。早くも最後の手段を使わなければいけないのでしょうか。
「あ、あの、さ」
「ん?」
放逐されることを恐れて今日まで隠し通してきたボクの秘密……そう、彼には前世は日本人で死んだと思って気付いたらエルフになって奴隷商に捕まったとしか話していないのです。ただのボクっ娘だと思っている彼には悪かったのですが、ボクだって奴隷に戻るのは怖かったのです、今度外に出たらどんな目に合うか分かりませんからね。
「じ、実は俺、男なんだよ、今はこんなだけどさ」
「ふぅん?」
久しぶりの男口調なのでちょっとぎこちないですね、普段から練習しておくべきでしたでしょうか。ですがこれで彼は凶行を止めるはず、よそよそしくはなるかもしれませんがこのままトゥギャザーされるよりはマシです。売られそうになったら泣いて土下座して情に訴えましょう。
「騙して悪かったけど、ボ、俺もあのガマガエルの所に戻るのが怖かったからさ、
も、元男を抱くなんて、き、きもちわるいだろ?」
「…………」
引いているのか反応がありませんね、これは行けるかふにゃぁぁ!?
「みゃぅうぅ!?」
い、いきなり、耳はむって! あぁぁぁぁだめ、だめです、噛まないで、敏感なんです神経集まってるんですひぃぃい!?
「まぁ多分本当なんだろうけどな……、
正直、俺はソラの前の姿とか知らないし、
今でも男口調の美少女にしか見えないんだよね」
ひえええ、耳に息はやめてください、くすぐったいってレベルじゃないんですぅぅ! なんで、どうして? ボクの最終兵器が効かないとでも言うんですか!?
「それに、自分が男だと思ってる子をさ……。
自分好みの女の子に染め上げるのって、楽しそうじゃん?」
「 」
だ、ダメですこいつガチです本気と書いてガチです、このままでは勝ち目はありません、腕力でも知力でも経済力でも勝てる気がしません、今この状況から逃げ出せる気もしま……あれ、詰んでる?
「さ、ベッドへ行こうか」
「うわああああぁぁぁぁぁん!!
ろりこんへんたいきちくげどうぺどほーけーたんしょぉぉぉぉ!」
か、体は好きに出来ても心までは好きに出来ないんですからねぇぇぇぇぇ!!
◆BATTLE RESULT◆
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MAX COMBO【3】 <<new record!!
TOTAL HIT【3】 <<new record!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
TOTAL EXP【3】
【一言】
「ぐすん、ぐすん……」