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雨の別れ
雨が降り注ぐ。
吟遊詩人と別れた街角は、青色に染まっていた。
気怠げで、静かで。
身も心も青に染まってしまいそう。
吟遊詩人は言った。さようなら、と。
もう二度と会うことなどないと、分かっているようだった。
旅人自身、望んでいた言葉でもある。
けれど。
だからこそ。
また会おうと言ってやれなかった。
吟遊詩人が望んでいた言葉を、かけてあげられなかった。
雨が降り注ぐ。
全てを青に染める雨の中、置き去りにされたのは果たしてどちらなのだろう。
雨が降り注ぐ。
吟遊詩人と別れた街角は、青色に染まっていた。
気怠げで、静かで。
身も心も青に染まってしまいそう。
吟遊詩人は言った。さようなら、と。
もう二度と会うことなどないと、分かっているようだった。
旅人自身、望んでいた言葉でもある。
けれど。
だからこそ。
また会おうと言ってやれなかった。
吟遊詩人が望んでいた言葉を、かけてあげられなかった。
雨が降り注ぐ。
全てを青に染める雨の中、置き去りにされたのは果たしてどちらなのだろう。
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