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城下町
懐かしい風が吹く、城下町を歩く。
町は家も道も門も、どこもかしこもレンガで覆われていて、まるでおとぎ話のよう。
誰かの歌声が高々と、町と心を包んでゆく。
元気いっぱいに子供たちが走り回り、屋根によじ登ったり、実に平和だ。
後を追う大人たちの悩みなぞ、まるで分かっていない。
子供は、元気過ぎるくらいがちょうどいい。
野良猫たちもそこかしこにいて、子供たちの絶好の遊び相手になっている。
野良猫も子供たちも、きっと逞しく生きて行くだろう。
不意に、鐘が鳴る。
町を包むその音は、全てを見守ってくれているような、優しい音色。
絵画では味わえないこの町の魅力を味わいながら、旅人は城下町を歩く。