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旅人が見たもの  作者: あひる
夜の旅
19/36

黒猫

 旅人の進路を黒猫が阻む。

 僅かな光にその瞳は緑色に輝き、じっとこちらを見ている。

 しゃがんで舌打ちすると、いかにも恐る恐ると言う態度で歩み寄って来た。

 指先や足先などに鼻を近付け、ニオイを嗅いでいるらしい。

 動かずにいると、安全と判断されたのか、頭を擦り付けられた。

 撫でればうっとりと目を細める。

 地面に寝転がり、うねうね催促。

 無防備な腹を優しく撫でてやると、何とも言い難い柔らかさ。野良の割に食生活は上々らしい。

 前脚を取り、爪を出して見る。

 うむ、イイカンジに研ぎ澄まされている。

 これでぶっすり刺されたら、二、三日は痛いだろう。

 すっかり旅人に慣れたのか、なされるがままに肉球を揉まれている。

 ひとしきり構ってやった旅人が立ち去ろうとすると、黒猫はきょとんとした顔のまま頭を持ち上げ、しばらく前脚を交互ににぎにぎしていた。

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