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少年の夢
少年は、泣いていた。
風に揺れる草も、空を飛ぶ鳥も、きらきら輝いて喜びに満ちているのに。
ただ一人、大切な物を失ったような、そんな顔をしていた。
聞けば、他人にひどく夢を踏みにじられたと言う。
旅人も周囲の人間にひどく反対されたものだ。
しかし、全てを旅に費やして、夢を現実にした。
今の夢も、きっと叶うと本気で思っている。
少年の涙を拭いて、優しく諭す。
夢は逃げない。こちらが夢から逃げない限りは、夢はずっと待ってくれている。
だから、本当に叶えたいなら、情熱を傾けて夢じゃなくしてみればいい。