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ブルージャスティスここにあり!  作者: 竹内すくね
Blau Gerechtigkeit Nachspiel!
122/137

ブルージャスティスここにありってな

 男は細く、長い息を吐き出し始めた。

 決めた覚悟/固めた決意。

 確かめるように/一歩踏み出す。

 噛み締めるように/力を込める。

 この腕に宿るは力/この背が示すは志。

 敵を打ち斃す剣はない/己が身を守る鎧はない。

 唯一つ。男の武器は右拳。それ以外には何もなく、自分の信じる正義だけを武器とする。


「なっ、て、てめえ何者だ?」


 怪人。

 悪。影。

 つまるところ正義の敵。男の標的。


「てめえこら、止まれってんだよ」


 怪人は、この国の光である、ヒーローに対して恐れを抱く。

 男は――――ヒーローは足を止めないままで口を開いた。


「見えねえか」


 ヒーローは自分の背中を軽く叩き、気楽そうに笑む。


「何がだっ、何も見えねえってんだよ!」

「俺の名前だ。ブルージャスティスここにありってな」

「お、お前……!? お前が『あの』ブルージャスティス……!?」


 そうだ。

 そうだとヒーローは応えた。

 

「いっ、げ!?」


 次の瞬間、怪人の目の前にはヒーローの拳が迫っており、それを躱す手段などこの世のどこにも存在しない……。


「こいつっ、めちゃおせえ! 余裕で避けられんぞ!」

「避けんじゃねえよボケ!」


 ……とは限らない。

 絶対。不変。百パーセント。そのようなものこそ、この世のどこにも存在しないのかもしれないのだ。

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