0:高校野球の舞台へ
中学時代の話です。
とある中学校の昼休み・・・とある中学校の屋上に2人の少年がいた・・・彼の名前は『桜内葵葉』と『古畑進』、身長は2人とも標準的で古畑進の方が少し背が高く見た目は只の中学3年生なのだが
「どうする?」
と声を掛けたのは古畑進、2人は屋上のフェンスにもたれたがら話をしていた。
「何が?」
「決まってるだろ・・・進路だよ」
今の時期は秋、中学3年生の2人は進路はを考える時期である。
「お前にも来てるんだろ?野球推薦」
「まぁな・・・」
野球推薦、つまりスポーツ推薦での高校入学である。
何故この2人に野球推薦の誘いが来ているのか、それはこの2人がシニアリーグつまり中学硬式野球界では有名だからだ。彼らは中学2年生の時に日本選手権大会で優勝、今年つまり3年次は準優勝に終わったがその当時は黄金バッテリーと呼ばれており彼らの才能を野球有名校が放っておく訳がなく都内だけではなく都外からも誘いが来ていた。特にピッチャーの桜内葵葉には沢山の誘いが来ている。
しかし当の本人である桜内葵葉は有名校から誘いが沢山来ているのだが歯切れが悪かった。
「・・・甲子園に行きたいのなら有名校に行くのが1番の近道だぜ」
「・・・知ってるさ・・・けど俺は地元にある光坂高校に行くって決めているからな」
「光坂高校は10年ぐらい前までは有名校だったけどなぁ、ココ数年は1回戦突破がやっとのチームだ。ホントに行くのか?」
「まぁな・・・悔いは無いさ」
と桜内葵葉は無名校に行くと言っているのに関わらず一点の迷いも無いような笑顔であった。
「それにオメェも聞いてんだろ?光坂高校に新しく入る先生の噂。俺はあの人と一緒に野球がしたいんだ」
そうである、なぜ桜内葵葉は有名校の誘いを断ってまでも無名校に行きたい理由それは新しく留任する先生にあった。
その人物は当時まだ小学校に上がったばかりの桜内葵葉が野球を始めるキッカケをくれた人物であった。
「・・・やっぱりそれが動機か」
と古畑進は自分が将来、甲子園、嫌、プロ野球に行く道を蹴ってまで行くことなのかと呆れながらも実は自分も葵葉と同じ考えなんだなと思うのである。
「・・・全く、しょうがないなぁ、なら俺も光坂高校に行くよ。葵葉1人じゃ何をしでかすか分かんないからね」
「よく言うぜ。ホントはオメェも光坂に行きたかったんだろ?」
「まぁね・・・でも正直、名門校に行きたい気持ちあったけどね、でも・・・」
と言うと古畑進は黙りだした桜内葵葉が「『でも』なんだよ?」と問うと古畑は葵葉の方を見て、意を決するかのように
「君と一緒なら名門校を相手にするのも面白い」
と古畑は一点の曇りもない真剣な瞳で葵葉に向けて言い放った。
それを聞いた葵葉は最初は突然の無名校に行き名門校を潰すという大胆発言にビックリをし戸惑ったが葵葉も心では古畑と一緒なら名門校を倒せるかも知れないと思っていたのか
「ソイツは面白れぇな。野球有名校にギャフンと一泡吹かせようぜ」
と葵葉は笑ってはいるが瞳は真剣そのものだった。
それを見た古畑は
「そうと分かれば勉強だな。光坂は野球推薦が無いしな」
と葵葉に言いソレを聞いた葵葉は勉強が苦手、というより嫌いであるため表情を曇らせ「やっぱり推薦で有名校に行こうかな」と愚痴るのであった。
作者のぼやき
野球小説を描いてみました。
予定では主人公達が高校3年の大会までを描きたいと思います。
ちなみに次回から高校の話に入るので中学の話はコレで終わりです。
では次回の後書きで会いましょう!!