9. 追われる身
ダッ
まずは前に出て、凄い前傾姿勢で襲ってきてる奴の足をぶん殴る。
「ぐあっ!」
次に俺が殴りに行く時、俺の速さを目で追えてなかっま奴から胸や頭をめがけてぶん殴る。
行けって叫んだのに動かない兵士はどうせ魔法だろ?
気をつけていればなんて事はない。
「ファイヤーボール!」
その言葉を聞いた瞬間、凄い速さの火の玉が飛んできた。
うわっ!速いぞ。
少し崩れた体勢になった所を剣で斬りつけてくる。
「くっ!」
アルシアの方に兵士が多く行かないようにしないと。
「ぐあー!!」
思い切り扉の方に蹴りを入れようとした。
「あの男の方を止めろー!」
死ね〜って叫んでる人は攻めてこないな。弱虫がよ。
いや...指揮を執るには攻めちゃ駄目か。
ファイヤーボールでカーペットが燃え出した。
あいつら馬鹿なんじゃないか?
燃えてるけど、カーペット。
「「「ファイヤーボール!!!」」」
ぐっ、剣と魔法、どっちを見ていればいいんだ!
少し兵士が多すぎるぞ!
体勢が崩れた所に剣が振り下ろされる。
「ぐあっ!」
更に体勢が崩れた。避けられない。腕で守ら...
ドカンッ
アルシアの方に飛ばされた。
「レオ様!逃げましょう!」
「おう。」
「え?」
アルシアをもった。
今の俺なら2人で走るよりアルシアをもった方が速いだろ。
身体強化をして、残りの魔力を足に集中させる。
ドン!
その音と同時に扉をぶっ壊し、外に飛び出る。
くそっ!手足がもうちょっと長ければ!
隠れるか。いや、門から出てしまおう。
変なことになる前にルベリア王国へ...
「門、閉まってね?」
さっきまで開いていたよな?
隠れるか。
質素な家しかないが国と言えるだけあって家の数はたくさんある。
その家と家の間の変な道に隠れた。
「いつの間に国を閉鎖したのだろうか。」
「おそらく、指揮を執っていた人が知らせたのだと思います。」
「あの叫んでたおじさんか。やるじゃないか。」
「...あの、もう降ろしてほしいです。」
「おお、すまない。」
「いえ!全然かまいません!」
やっぱり、アルシアをもった方が速かったな。
これからはもつとしよう。
「あの装飾を見たのがヤバかったよな。」
「はい。おそらく、自然の大切にしているのに凄い装飾をしているのがイメージ的にいけない事なのでしょう。」
「あの内装って凄いお金がかかるんじゃないか?」
「はい。おそらく門があったのでそこで入国税などを取っていたのではないでしょうか。」
なるほど、あり得るな。
それにしても、物々交換とは何だったのか。
兵士の人達はみんな知っていたのか?
怖い国だな...どの国も怖いか。
いろんな人がいて、その全てを圧倒的な力で支配するわけだよな。逆に怖くないと成り立たなさそうだな。
「いたぞー!!」
ヤバい!ここ見つかるのか。
とりあえず、逃げよう。
「あっ。」
アルシアをもった。
とりあえず、適当にこっちに行くか。
どうだ!兵士どもよ。
くねくねと不規則に進んでいて、見失うだろ?
「そこまでだ!この犯罪者。」
げっ!マジか、先回りされるとは...
「お前たちが何をしたのか分かっているのだろうな?」
こいつ...他の兵士と違う。
重心の置き方から全然違うぞ!
っていうか、他の兵士と違って被り物をしてない。
隊長なのか?ラフな格好しやがって、それでいいのか?
いま若干、右肩を見たのが分かったぞ?
だとすると、そこから斬るんだろうな。
ダッ!
隊長らしき人は足に斬りかかった。
何!?
そして、こっちを見たまま後ろにジャンプした。
何してんだ。
そう思うと同時に剣をすごい速さで投げつけた。
「!?」
ヤバい、予想が出来ない!
アルシアは他の兵士と戦っている。
あいつは魔法で戦うからな、速く終わらせないと。
今度は何をしてくる...
バキバキバキ!
「死ね〜!」
横の家の壁を壊して兵士が斬りかかってきた。
「うおっ!」
避けた瞬間、目の前には隊長がいた。
「終わりだ。」
そう言いながら剣を胸に突いてくる。
「くっ!」
なんとか腕で剣を受け流すが、剣の側面が腕に当たり血が出てきた。
「強いな〜クソガキ。なんか女の方も耐えてるしよ〜。」
駄目だ、勝てない...
「はあ!」
アルシアがファイヤーボールを地面に打った。
「レオ様!」
燃え広がる炎が視界を塞いだ瞬間、2人とも壊された壁の穴に逃げこんだ。
「消えたっ!...いや、家の中だ!お前ら!」
「...いません!」
いませんとも。
別の家にいるからな。運のいい事にこの家には人がいなかった。生活感があるから避難でもしたのだろう。
「レオ様、腕が...」
「大丈夫だろ。」
血が止まらないな。怪我なんて初めてしたぞ。
痛いなー。
「待っていてください。今、回復薬を探してきます。」
アルシアが家をうろうろし始めた。
「っ!ありました!今、かけますね。」
「うっ。」
沁みるな。痛い...だか、アルシアの前でそんなこと言えない。
「痛くない。」
「......よかったです。」
「しばらくこの家にいよう。傷を治したい。」
「分かりました。」
しかし、回復薬なんてあるんだな。
本当に回復するのだろうか。今のところ痛いだけなのだが。
食料もあるぞ、ありがたい。
ただ、家だからか...料理が必要な食材が多いな。
「アルシアって料理できるか?」
「できます。今からしますか?」
「いや、今はいい。しかし、俺と年はそう変わらないだろうに凄いな。」
「...レオ様は何歳なのですか?」
「何となくだが、8歳ぐらいじゃないか?」
森でどれぐらいの期間、過ごしたのだろうか。
正確な年齢が分からないな。
「では、年齢はかなり離れております。」
え?
ただのチビだったのか?
「おそらく今は21歳だと思います。」
...ただのチビだったのか。
「ルベリア王国の王族は一般的な人族とは違い20歳から30歳にかけて心身ともに成長するんです。なので、感覚としては近い精神年齢であると言えます。」
「アルシアは頭いいと思うぞ。」
「ありがとうございます。私は変わり者だったんです。なので、あの村の観察について行くよう命令されました。」
そうなのか、王族っていろいろ根本的に一般的な人族と違うんだな。
アルシアがただのチビじゃなくて良かった。
何はともあれ、アルシアとのうきうきワクワクなお忍び生活が始まった。




