8. 初めての国
あれ?ルベリア王国じゃないのか。
っていうか、国ってこんなもんなのか?
もっと凄い建物がたくさん建っている想像をしていたのだが...
なんか、村の家とそんなに変わらないな。
「ここは、確かカナンという国です。」
「カナン、ルベリア王国と近いのか?」
「海を越えますが近いですね。カナンは自然豊かな国とされています。」
「どの方向にルベリア王国があるんだ?」
「それは...すみません。」
分からんか。まあ、それはそうだよな。
ここの人たちに聞いてみるか。ルベリア王国が人族最大の国であるならば、知っていてもおかしくない。
あの人、なんか被ってるな。
「アルシア、あいつ頭になんか被って...」
そうだ!帽子か!
何で被ってるんだ。似合ってねえぞ。
「帽子と言います。」
「知ってるよ。」
「……」
せっかくだし、あの人に聞いてみるか。
そういえば、ここの人達は何色の髪の毛なのだろうか。アルシアは白髪だが、それはルベリア王国の王族だけらしく、国民は大体が黒髪か茶髪か金髪らしい。
っておい!近くで見たらこいつ、髪の毛がないじゃないか!
新しい人種なのか!カナンという国では髪の毛自体がないのか!
「何で髪の毛がないんだ?」
「レオ様!」
「あはは。年だよ。昔は黒髪をなびかせてたんだよ。
僕ちゃんも年をとると、こうなるんだよ。」
そうなのか...村ではそんな事なかったな。
人間だけの特徴なのか。面白いな。
「ルベリア王国ってどこにあるんだ?行きたいんだけど。」
「こんなに小さいのにそんな遠くに行くのかい?」
「年は関係ないだろ。」
「レオ様!」
「あはは、それもそうだね。あっちにある門を抜けてずっと行った所に港がある。そこで、船に乗りなさい。そしたら、間大陸に着くだろう。そしたらルベリア王国に行けるよ。」
「感謝する。」
間大陸というのはよく分からんが道は分かった。
ルベリア王国のある場所が間大陸だとすると、ここは何大陸なのだろうか。
「気をつけてね。」
「レオ様、言葉使いを気をつけなければ怒る人も出できますよ?」
さっきの言葉使いがだめなのか?
もしかして、その喋り方を真似しろ言うのか?
真似しろと言うのかですかわよ?
というか、さっきの人も敬語使ってないぞ。
敬語はお貴族様だけしか使わないとまだ分かってないのか。
「あとレオ様、船に乗るにはお金が必要です。」
お金!本に出てきた事あるぞ!?
でも、お金がないと船に乗れないのか。
船なんて、乗ってみたいに決まってるじゃないか。
「だったら、この国の人にお金を借りようじゃないか。ルベリア王国の王族ですって言ったら、保護とかしてくれるんじゃないのか?」
「...可能性はありますね。」
まずやる事が決まったな。髪が白いから王族って分かるのは楽でいいな。
でも、それによる弊害もあるよな。誘拐とか。
さっきの人は白髪を見て何とも思わなかったのだろうか。
「アルシア、念のため髪の毛を布で隠しておけ。」
「分かりました。」
あとはカナンのお貴族様に会うだけだな。
場所を聞いておけばよかったな。
でもまあ、大体分かっちゃうよな。
あの建物、明らかにデカいぞ。ここしかないだろ。
「あの建物に行くぞ。」
「はい。」
「アルシア、カナンについて他に知っている事はあるか?」
「はい。カナンは自然を本当に大切にしており、それは確か聖神フローラ様の考えだとされています。
そのため、豪華な建物は極力建てないようにし、自然と一緒に生活をしようとしています。」
自然か。生物が自然であって、その生物が建てるものも自然と言えるのであれば、人間が建てた建物も自然の枠組みに入るんじゃないか?
鳥の巣とかも自然だろ?
よく分からないな。
「カナンの最大の特徴は物々交換で生活しているということです。」
たしか村もそうだったな。あれ?そうだっけ?
とりあえず、変わってる国だってことはよく分かった。
おっ?これが聖神フローラ様か。
デカい銅像だな。
銅像って初めて見たけど、迫力あるな。
これは自然という範囲の中に入っているのだろうか。
「聖神フローラ様って実在した人物なのか?」
「そう言われております。」
この国はたぶん小さいよな。
だいぶ歩いたとはいえ、もうこのでっかい建物に着いてしまったぞ。
扉が閉まっていて中が何も見えないな。
まあ、大きな建物とはいえ外見は質素だもんな。
俺でも中を見せようとはしないな。
ギィ
おい!マジかよ。
重たい扉を開けてみたらびっくり、凄い豪華な室内になっていた。
「はっ!」
アルシアもこれには驚いている。
王族から見ても素晴らしい装飾と言えるのだろう。
外見とは裏腹に色とりどりの模様を使った、物語の王族の城のような感じだな。
カーペットまで敷いてあるぞ。
これは、ルベリア王国が楽しみになったな。
その時、鎧を着た男の人がこちらを見た。
「おいっガキ!なに勝手に入ってるんだ!」
え?駄目なのか!?じゃあ開くようにするんじゃねえよ!
「すまない。お金をもらうか保護をしてもらいに来たんだ。」
「関係ねえ!もう見てしまったんだ。」
「レオ様。この人、剣に手をかけています。逃げましょう。」
本当だ。喋った男だけじゃなく、この建物内にいる全員が剣を握っている。兵士だよな?建物の中を見たらいけない、この素晴らしい装飾が見られたくなかったのか!
「死ね〜!!」
おいおい、死ねって言っちゃってるよ。
普通はバレないように襲うぞ。な?ドーテル。
ヤバっ!
後ろにも兵士がいるじゃねえか!
囲われた。
「死ね〜!!」
ふっ。死ねって言うだけで襲ってこないのかよ。
「ふふっ。」
アルシアも笑っちゃってるよ。
「行け〜!!」
来たな。見せてやるよ。新たな俺流拳を。




