59. 揉め事
ボスの所に集合...
まあ、そういう事だよな。
俺達はボスの所に集まった。
戦闘態勢に入っていた冒険者達は真顔になっていた。
不完全燃焼と言うやつだろう。
十分戦ったと思うけどな。
「さて、お前達。角を皆で分けよう。」
集まって分かったが、だいぶ死んでるな。
始めは50人ぐらいいた。
それが20人ぐらいになっている。
だいぶ少ない。
その後、角を隊長が斬り、皆に分けた。
大雑把だが、ほぼ同じようなもんだろう。
「やったぜ!」
「金の原石だ!」
皆がまた盛り上がり始めた。
レッドシャインの人達も盛り上がっている。
驚いたな、お金ならあるだろう。
あっ、武器の素材として使うのだろうか。
それなら、喜ぶのも納得だ。
「隊長が角を分けたって事は、高く売れるのが確定したってことだよ。」
マイクがこそこそと話す。
確かに、そうだな。
帰ってからの楽しみが出来たな。
「超級の角も転がってるぞ!」
バカな冒険者がそう叫んだ。
「「うおー!!」」
一斉に角を取り始めた。
だが、もう遅い。
殺したオークの死体が全て残っているわけではない。
始めの方に殺された死体は溶けているし、魔法で完全に消されたオークもいる。
溶けたって事は1日経ったのか。
あっという間だったな。
でも、1日経ったと分かってたら眠くなってくるな。
「おい!角がないオークが転がってるぞ!」
「こっちもだ!」
「こっちもだ!!」
「ちくしょう!誰か抜け駆けしたな!!」
俺も言っておこう。
「誰だよ!!そんな事した奴!!最低だぞ!!」
ふふっ。言ってやったぜ。
なんて酷い事をする奴がいるんだ。
みんなにも教えてあげるべきだろ、まったく。
「終わったか?帰るぞ。」
隊長がそういい、俺達は嵐の中から出た。
外は昼だったようだ。
光に満ちている。
そして、入らなかった沢山の冒険者達が座っていた。
1日中ずっといたのか?
「おー!!」
「帰ってきたぞー!!」
俺達に気づき、立ち上がって寄ってきた。
「お前ら、終わったから帰るぞ。」
「大変だったぜ。」
嵐の中にいた人は中の事を教えている。
大変アピールが多いな。
なんか、話盛ってるし。
「報酬金、どれぐらい貰えるだろうな〜。」
外で待っていた冒険者がそう言った。
「ん?ちょっと待て。外で待っていた奴らは報酬金なしだぞ?」
中にいた冒険者が言う。
「え!?」
「そりゃあ、ないだろ!」
「おかしいわ!」
外にいた150人ぐらいの人達が一斉に疑問の声をあげる。
「なあレオ、ヤバい事になるぞ。」
ロイがこそこそと話す。
「そうだろうな。」
「みんなの足が止まったよ。」
マイクもコソコソ話す。
ギルドに決めてもらえばいいんじゃないのか?
まあ、俺は中にいたから、どう転んでも貰える。
安心だ。角もあるし。
ただ、100人以上が貰ったら、報酬金はだいぶ減るだろうな。
「お前ら、何もしてないじゃないか!!」
「そんな事はない!!道中の魔物を倒した!!」
「関係ないだろ!!」
「嵐の中に入るかも知れない魔物も倒したんだ!!」
大丈夫か?
誰かが殴ったりしたら、乱闘が始まりそうな雰囲気だな。
コイツら、嵐の中に入れる魔物を倒せるのだろうか。
いや、100人以上もいたら倒せるかも知れないな。
まず、嵐の中に入る力のある魔物だったのだろうか。
俺はどちらかと言えば中の人達だけに報酬金をあげる側の考えだな。
まあ、どっちでもいいけど。
「待て!お前達!ギルドが決めてくれるはずだ!!」
レッドシャインのリーダーが叫ぶ。
流石だな。
みんなは納得してはいないが、歩き始めた。
近くの国に寄るようだ。
報告と今晩の宿のためだろう。
隊長が説明いたら、国の誰だか分からないけどいい服を着ている人は感謝をし、宿代はタダになった。
俺達はすぐ宿に行き、体を休めた。
前の6人だ。
この6人は全員、中に入っていたので皆、眠ってしまった。
「ん?」
俺は起きた。
随分と眠ったよな。
もう夜なんじゃないか?
だとしたらまずいことになったぞ。
夜なのに眠れない。
また昼夜逆転になってしまう。
「いててて...」
体が痛いな。
そういえば骨が折れたんだっけか。
部屋の人達は全員寝ている。
これは、皆で昼夜逆転だな。
ギィ
「あっ、レオ。来てくれ。」
レッドシャインのリーダーが扉を開け、囁いた。
リーダーが俺になんの用だ。
話すことなんてないぞ?
「お前、名前はなんて言うんだ?」
「...驚いたな、俺の名前を知らない人がいるとは。
俺の名前はレッド・アーサーだ。」
レッドか、そのままだな。
「レッドは魔人なのか?」
「...?違うぞ。俺は人族だ。」
「でも髪の毛が赤いぞ。」
「これは...染めたんだよ。」
レッドは小声で話した。
そうなのか。赤が好きなんだな、コイツ。
染めるのは恥ずかしい事じゃないだろ。
俺なんて、堂々と青色に染めていたというのに。
「用は何だよ?どこに向かってる?レッドシャインの部屋か?」
「ははっ!流石、記者だな。今から、隊長の部屋に行く。呼ばれたんだ。」
「隊長...」
集まって何をするつもりだ?
祝ったりするのか?
隊長の性格的に、それはないよな。
ギィ
「連れてきたぞ。レオだ。」
そこには、隊長と副隊長がいた。
俺だけ浮いてないか?
ただのガキだぞ。
「よし、集まったようだから、嵐の中での出来事を話してもらう。ギルドに説明をしなければいけないんだ。」
なるほど。
確かに、俺は単独行動が多かったからな。
状況を説明して欲しくて呼んだのか。
隊長も単独で動いていたし、よく分かってないだろう。
「じゃあ、まずは俺から話させてもらう。」
レッドが喋った。
「俺はお前達以外の冒険者といた。沢山の犠牲はでたが、皆で10体ぐらいのオークを倒した。副隊長とは
途中まで一緒にいたが、副隊長は他の冒険者を巻き込んで魔法を放つ時があった。」
10体倒したのか...凄いな。
大方、レッドシャインで倒したと思うけど。
あとロイ。
「そこに冒険者がいたのが悪いのよ!!私は関係ないわ!」
副隊長が反論した。
凄い反論だ。
「副隊長なら上手くやれただろ!」
「知らない!!」
両者一歩も譲らず、だな。
譲らないと話は進まないんじゃないか?
「それで、副隊長はどうだった?出来事。」
隊長は進めるみたいだ。
「私はオークを沢山倒したわ。あと、ボスにも魔法でとどめを刺したわ。ほとんど私の手柄ね。中にいる人なんて全然役に立ってないんだから、報酬金なんかあげなくていいのよ。」
中の人にさえ報酬金をあげたくないようだ。
まあ正直に言うと、あまり役に立つ人は少なかったな。
副隊長は10体以上は余裕で倒しているだろう。
「じゃあ、少年。レオだったか?どうだ。」
「俺は基本的に山にいたな。それだけだ。」
倒したオークの数なんて数えてないぞ。
山でも移動してばっかだったな。
ボスに木を投げたのも、意味なかったしな。
結局、隊長と副隊長で殺せていた。
俺なんて、角を売って金を手に入れるだけだ。
ヤバい奴だな。
いや、結局一番ヤバい奴はマイクなんじゃないか?
あいつが一番少ない労働で儲けてるぞ。




