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54. 嵐の中


ザァー


近づくと分かったが、砂が風の向きに合わせて舞っているな。

舞っているというより、高速で動いている感じだ。

もはや魔法の攻撃に近い。


いや攻撃なのか。

前の人たち可哀想〜。

全部初体験じゃねえか。


後ろのちょっとした安心感を感じる。

みんなの顔も心なしか、ほっとしている。


前がよく見えないけど、隊長はズンズンと進んでいるな。

行けるのか。


「ぐあ〜!!!」


何だ!?


隊長の後に続いた人が怪我をしていた。

まさか、砂が体を傷つけたとでも言うのか!?

そこまで威力があるのか。


一応、身体強化を全開にしておこう。

これで入ることぐらいは出来るだろう。


前が止まった。

隊長以外は入ろうとしない。


「や...やっぱり、俺は無理だよ〜!!!」


「俺も。」


「ちょっと私も...」


入ろうとする人はほとんどいなかった。


おいおい!

何やってんだよ!

まあ、しょうがないけどさ。


「邪魔よ!どいて!」


副隊長は行くらしい。

当たり前か、都市級冒険者だしな。


「俺達も行くぞ!」


「「おー!!!」」


レッドシャインの人達も行くらしい。

頼もしいな。


レッドシャインや副隊長に感化されたのか、他の入れそうな人も嵐の中へ進みだした。


入れる人は入れるんだな、良かった。

やはり、後ろはいいな。

みんなの様子を見てから安心して入れる。


「ロイ、マイク。身体強化できるか?」


「当たり前よ。」


「僕も大丈夫だ。」


「よし。陰キャ株式会社、出勤だ!」


「「いえ〜い!」」


「......」


周りの人は不思議な目をしていた。

不思議というより、ドン引きだな。

中には、怒っている人もいた。

ふざけているように見えるからな。


そして、怒っている人達に言いたい。

俺達は今、ふざけている。

でも冷静さがものを言う世界だぞ?

日常でふざける人はふざけるべきだ。

戦闘中と言うわけでもないしな。


ザァザァザァザァザァッ


砂が当たりまくるな。

しっかりと威力もありそうだ。

俺は目に入らないように、砂が向かってくる方向を意識して、目を手で覆った。


体も上手く進まないな。

水の中に近い感覚だ。


「お前らー!!大丈夫かー!!!?」


進めなかったら戻ってくれて構わない。

陰キャ株式会社は社員を大切にするパーティーだ。

アットなホームが我が社の理念だからな。


「おー。」


「あー。」


声は小さいが返事が返ってきた。

良かった。大丈夫らしい。

このまま抜けれてくれ。


ザァザァザァ...


おっ。


ザァー


乗り越えられた。

結構な厚さだったな。


「ロイー!マイクー!」


「ガァー!!!」


キンッ


!?

あっ、そうだった。

ここには都市級の魔物がいるんだった。


ここからは何も見えないのだが、剣同士がぶつかる音や魔物の鳴き声らしきものが聞こえる。

いや、角は見えるな...

角が2本生えている。


嵐の中は思っていたよりも広く、平野だけじゃなく山とかもあった。


「んわっ!」


ロイが来た。

無事そうだな、見たところ怪我はない。


「はぁ、はぁ、はぁ、」


マイクも来れた。

みんな無事のようだ。


「ここが魔物の住処...」


ロイが周りをキョロキョロする。


「僕は...戦えるのか?」


マイクはずっと不安そうだな。

俺はいざとなったら、マイクを嵐の中に突き飛ばすつもりだ。

死んでほしくない。

今の俺なら、一人ぐらいは守れるだろ。


「行くぞ、ついて来い。」


「ああ、」


「大丈夫かな〜?」


近くには山があった。

ここの頂上からなら全体が見えると思う。

魔物の位置が知りたい。


だからまずは、山に行く。


戦いの音は聞こえているが、どうも平野で戦闘をしているらしい、無視して山に行こう。


「山に登るぞ。」


「山か...」


「結構高いぞ。」


不満の声が聞こえるが、それも無視だ。

山は森みたいなものだからな。

俺は得意だと思う。


ここの山に生えてる木は高そうだ。

少し登ってから木の先端まで辿り着けば全体が見えるかも知れないな。


「ここの山、足場も酷いな。」


ベチャベチャしている。

滑りそうだ。


「靴を洗うはめになったな。」


ロイはニヤニヤしながら話す。

いや、お前も洗う事になってるだろ。


「レオ!?」


「ガー!!」


マイクが前を見て俺の名前を叫んだので、目線の先を追ってみるとデカい魔物がいた。

肌が赤色でムキムキだ。

角は2本生えている。

そしてその魔物の身長より少し小さいぐらいの大剣をもっていた。


「オ、オークだー!!!オークだよ!!」


マイクが慌てている。

だが、大丈夫だ。

この魔物は都市級ほどの何かを感じない。


まず叫ぶ魔物は都市級にはなれないだろ。


「ガー!!」


バキバキバキバキッ


大剣を意外に速い速度で振り回し、木を無視して剣の側面を俺にぶつけてくる。


バキッ


俺はその剣がぶつかる直前に側面を殴り、壊した。


すぐ壊れた、もろいな。


オークは剣が壊れたのを理解するとすぐに捨て、木を投げつけてきた。


壊す...いや、避けるか。


「よっ。」


バキッ


投げられた木は俺の後ろにあった木とぶつかって割れた。

飛んでくる木を意識して避けた後、オークを見ると距離をとっていた。


よくこんなに木が密集している所で正確に投げれるな。 

技術はあるようだ。

そして俺の強さが分かって動きを変える様子を鑑みるに...超級か?いや、上級かも。


「ガー!!」


「叫んでばっかいるときけんだぞ?」


ズバッ


ロイがすでにオークの後ろに回り込んでおり、首を切断した。


「流石、ロイだな。」


「あいつの叫び、うるさいからな。足音とか気にしなくて良かったのが楽だったよ。」


「「ガー!!」」

「「ガー!!」」


おや?

たくさんのオークが山の上からやって来た。

いや、多くね?


「オ、オークだー!!オークだよ!!!」


さっきからマイクは叫んでるだけだな。

もしかしてお前もオークなのか?


「ガー!!」


なるほど。叫ぶのは仲間に知らせるためか。

さっきの叫びは無駄じゃなかったわけだ。


ダッ


俺は左へ逃げた。

なんか囲われそうな気がしたんだ。


オークは当然、俺を追いかけるが、陣形はもう崩れている。陣形があるかどうか分からないが。


幸い、俺の方が足が速い。

もう一度潜伏して徐々にやるか。


「ガー!!」


追いかけているオーク達の後ろの方が止まり、2つに分裂した。


おそらくロイだ。

ロイがオーク軍団の背中を叩いてくれたのだろう。


これぐらいの数なら、いけるか?

俺は止まり、オークの方を振り返った。

するとオークはまたも2つに分裂して、俺を囲もうとする。


ダッ


俺は2つに分岐する所でもたついているオーク達を発見し、そこのオーク達の足元に入り込んだ。


グチャ


ジャンプして頭を殴り、オークが後ろに倒れた。


バキバキッ


「ガー!!!」


後ろにいる、つまっていたオーク達も前のオークが倒れたせいで、バランスを崩し倒れた。


「...お前ら、多少の知恵なんて働かせずに暴れたほうが強いんじゃないか?」


囲っていたオーク達が襲ってくる。


「ガー!!」


叫びながら大剣を俺に向かって振り降ろしてくる。


バキッ


グチャ


俺は剣を貫いて体を殴った。


さっきから剣の側面で俺を潰そうとしてくるな。

確実に攻撃を当てたいのだろうか。


























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