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53. 行きの道


朝だ。

起きた時に周りにたくさんの人がいたから、びっくりした。

起きた時は色々と忘れているものだな。


俺以外にも起きている人はいたが、寝ている人も結構多い。

出発はもう少し後になりそうだ。


「やあ、レオ。」


「やあ、ロイ。」


マイクは寝ているな。

家じゃないのによく安心して寝られるよな。

魔物に襲われるかも知れないのに。


「みんな起きろ。出発したい。」


隊長がそう言ったので他の冒険者達は慌てて寝ている人を起こし始めた。

ミラは誰にも起こされなかったが、自分で起きた。


「よし。出発だ。」


俺達は南へ向かって進み出した。


隊の中には目をこすっている人やあくびをしている人が多くいる。

そりゃあ、眠いよな。


ドンッ


「おっと、すまな...」


目の前にはミラ、副隊長がいた。

ヤバい!ぶつかってしまった。

俺も眠くて前をあまり見ていなかったんだ。

謝らなければ...いや、さっき謝ったよな。


ミラは少しこっちを見た。


「チビ。」


なんだと?この野郎。

俺より身長が高いからって調子に乗るんじゃねえ。

ミラが前を向いた時、俺はミラに向かって変顔をした。 


「あははは!」


ロイがそれに気づいて笑った。


やめろ!バレたらどうするんだ。


ロイはミラに向かって殴る動作をし、寸止めをした。


「ふふっ。」


面白い。このハラハラ感が楽しい。

続いて俺も寸止めで蹴る動作をした。


「あはっ!」


ロイが笑った。

やって良かったというものだ。


マイクがそれに気づいて、ニヤニヤしながらカンチョウを寸止めで行った。


これには俺もロイも少し引いて、笑いは起きなかった。 


マジかよ、マイクの奴...凄い勇気だな。

女相手にそこまで攻めるか。

マイクが一番ヤバい奴だよな。


周りを見ると、他の人もニヤニヤしていた。

どうやら、俺達のおふざけを見ていたらしい。

女の人は全然笑ってなかったけど。

なんなら、少し圧を感じた。


マイクはそれに気づいてシュンとしていた。

そして、そのシュンとしたマイクに気づいたロイが、爆笑していた。


それから何日か経過し、副隊長に行った悪ふざけがきっかけで、ニヤニヤしていた他の冒険者の人達とも仲良く話せるようになった。


これは協力して魔物を倒せるかも知れない。

名前はあえて聞いていない。

覚えられないのが分かっているからだ。


「なあロイ、他の冒険者の名前って聞いてるか?」


「聞いてないな。死んだら悲しくなるしな。」


ロイはそういう理由で聞いてないらしい。

俺の理由が恥ずかしく感じる。


ある夜。


「明日はおそらくだが、目的の場所につける。

その近くにある国で1泊してから攻撃を開始する。」


みんなは次第に都市級クエストである事を自覚してきて、ピリピリした雰囲気になっていった。


次の日。


もう会話をする人は少なくなった。

ただ歩いている感じだ。


「見えたぞ〜!!」


!?

あれか...

目の前には巨大な嵐のドームがある。


この中に都市級の魔物がいるのか。

まずこの中に入れるのか?


右には小さな国が見える。

ここで休んでから攻撃するらしい。

お金は?

俺、お金持ってきてないんだけど。


「よし、今日はもう休むぞ。あの国の宿に泊まる。

無料だそうだ。」


「え?無料!?」


「やったー!!」


「よっしゃー!」


...なんか、凄い貧乏みたいだな。

恥ずかしいかも知れないが、これが冒険者だ。


「ロイ、マイク!無料だぞ!」


「おう、やったな。」


「よかったよ。」


なんか反応が薄いな。

もしかして、少数が騒いでいるだけなのか。

恥ずかしい。


「レオ、悲しまないでくれ。僕は嬉しくないとかじゃなくて緊張してるんだ。レオは緊張とかしてなさそうだけど。」


「ああ、そう。」


みんな緊張して騒いでないのか。

じゃあ、騒いでる人は馬鹿ってことじゃないか!

この先の想像が出来てないってことだろ?


入国税も宿代も国が出してくれた。

その国としても、都市級となると凄い被害が出るかも知れないから恐れているらしく、大歓迎してくれた。


「なんで6人もいるんだよ。」


ロイが嘆く。

気持ちはわかるぜ、ロイ。


でもしょうがない。

200人ぐらいいるんだ。

1人1部屋は無理だと思う。

宿も大きなものじゃない。


「まあしょうがないだろ。」


「でも隊長とか副隊長は1人1部屋だぜ?」


「隊長だしね。」


俺が何も言えなくなると、マイクがフォローしてくれた。

俺も納得いってない。

隊長とか関係ないだろ。


幸い、俺達以外の3人は副隊長にした悪ふざけで笑っていた人達だ。


「隊長は強いんだぜ。俺はルベリア王国で活動しているから分かる。」


名前の分からない冒険者が唐突に話した。

たぶん、お喋り好きだろう。


「そんなにか?」


「ああ、噂じゃあ都市級一線流剣士かつ都市級火属性魔法使いだとよ。」


ヤバいな。

剣術も魔術も都市級とは恐ろしい。

俺は剣とか使わないから、そういう分かりやすい強さの証明が出来ないんだよな。


「魔帝が最強だよ。」


別の人が割って入った。


魔帝?

誰だよ。もう多すぎて覚えられない。


「そりゃあ、魔帝は別格よ。」


お喋り好きの男も頷く。


「なあ、魔帝って何だよ。」


ロイが聞いてくれた。ありがとう。


「魔帝はな、世界順位1位の魔族だ。」


世界順位?最強ってことか?

こいつ、最後まで教えろよ。


「世界順位?」


またもやロイが聞いてくれた。感謝する。


「ああ、知らないのか?ルベリア王国じゃ...いや、どこでも有名だな。世界順位っていう大昔の最強ランキングがあるんだよ。そこのトップが魔帝ジェノサイトなんだ。世界大戦で人族を恐怖に陥れた化け物だ。」


世界大戦の時にいたのか。


「なあ、世界大戦って何年前の出来事なんだ?」


「さあな、200年ぐらい前じゃないか?」


結構、昔だな。

いや、最近とも言えるのか?


「1位しかないのか?」


「いや、流石にもっとあったよな?」


割って入った男にお喋り好きの男が質問した。

友人なのだろうか。


「ああ、5位ぐらいまであったような気がする。

俺も1位しか知らないが、魔王がほとんどだったと思う。」


魔王は大昔からいたようだ。

魔帝は世界大戦で活躍したから有名なのだろう。

世界大戦...見てみたかったな。


その後、夕食を食べた。

ちなみに、夕食も無料だった。美味しい!


朝だ。

「なあレオ、緊張しないか?」


流石のロイも不安らしい。

みんなが不安だと理由なく俺も不安になってくるな。


「あ〜、寒い。寒くないか?寒い。」


マイクはガッツリ緊張しているらしいな。

本当に戦えるのか?


門の前に全員が集まった。

ほとんどの冒険者が不安を感じているような顔をしている。


コイツら...上級冒険者だもんな。

2つも階級が上の相手をするんだ。

それは怖いよな。


遠征が長すぎて、もうワクワクした気持ちはなくなってしまった。

だが、体は元気だ。


「よし、集まったな。お前ら行くぞ。」


ずっとゆるいな、この隊長。


「レオ、マイク。死なないでくれ。」


「....おう。」


「ロイもな。」


大勢の冒険者達は嵐のドームに向かって歩いて行く。


















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