表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/54

52. 遠征初日


なんか、ゆる〜く出発したな。

隊長が先頭に立って進んでいく。

俺達は隊長の後をついて行くだけだ。


副隊長は適当な位置にいるな。

皆に指示する気もないらしい。


そういえば、態度に目がいきがちだが、髪の毛が青色だ。

俺の村の人ではないと思うが、魔人なんだな。


「なあマイク、副隊長って魔人だよな。」


「ああ、そうだな。魔人は間大陸にほとんどいないからな。珍しい。」


「じゃあ、レッドシャインのリーダーも魔人か?」


「あ〜、どうだろうね。人族って噂だけど。」


そうなのか...赤髪なのに人族なのか。

シドまで運んでくれた時に聞けばよかった。

まあ今聞けばいいんだけどさ。

あいつの周りはレッドシャインがいて、話しかけづらいんだよな。


「あの、ずっと憧れてました!」


「私も!ファンです。!!」


「ははっ。ありがとう。」


レッドシャインのリーダー、大人気だな。

勢いが凄いんだったっけ。

装備もカッコいいし、それは人気になるわな。


「レッドシャインはもう都市級パーティーなんだってさ。感じ悪いよな。」


ロイが珍しくちゃんとした情報を持っていた。

俺が一番世間知らずなのか!?

ロイにだけは負けたくなかった。


「ソラさん!ファンです!」


「カッコいいです!」


「ああ、ありがと。」


ソラにもファンがいるのか。

大体、レッドシャインのリーダーもソラもイケメンなんだよな。

女にも男にもモテて、この野郎。


ミラは誰にも話しかけられてないな、可哀想に。

日々の行いの結果だけど、謎の親近感がある。

レッドシャインより凄いはずなのにな。


「あの...1人で都市級までいって、尊敬してます。」


おっ!

ビクビクしながら男の人がミラに接近した。

勇気あるな〜。


「うるさいわ!弱虫は黙ってなさい!!ムカつくわ!」 


うわ〜、キツイ一撃を食らったな。

誰か、この男性に回復魔法をかけてやってくれ。


「おい、ミラさん。それはないんじゃないか?」


ムキムキ男が立ち上がった。

この男も強そうだな。


「は?誰あんた。関係ないでしょ?」


「そうだけどな、お前の事を尊敬してるんだ。それをあんな言い方しなくてもいいだろ?」


「うるさいわね!!そんなのあたしの勝手よ!!」


「ありがとうだけでよかったんだよ!!」


ヒートアップしていってないか。

ちょっとまずいんじゃないだろうか。

俺は見て見ぬふりをしよう。

都市級冒険者に敵視されたくない。


バキッ


「ぐぁ!!」


ミラがムキムキ男にウォーターボールを放った。


速!?

威力もえげつないな。

骨が折れたんじゃないか?

ムキムキ男、吹き飛んだぞ。


隊の後ろらへんがワチャワチャして、前方と分裂していた。

それに気づいた隊長は進みを止めた。


ヤバいぞ。

隊長が後ろを見ている。

というか、前の方の人は全員後ろを見てるな。


圧が凄い。


「うっ、俺は大丈夫だ。進んでくれ。」


「ふんっ。」


ミラは鼻で笑い進みだした。

隊長も進み始めた。


「大丈夫ですか?」


レッドシャインの女の人がムキムキ男に駆け寄った。

あの人、俺を迷宮から助け出してくれた人だ。


「ヒーリング」


手から緑色の光が出た。

あれは...回復魔法だ!


凄いな。見た目の変化は分からないけど、骨折が治っているんだろう。


「治ったと思うわ。」


「あ...ありがとよ。」


あっ!ムキムキ男の心を奪ったぞ!

金髪美人のナイスボティだから無理もないか。


「おいレオ、あいつ惚れたぞ。」


「ふふっ。そうだよな。」


「僕でも惚れちゃうね。デュフっ。デュフフ。」


俺を助けた時、回復魔法使ってくれなかったよな。

まさか!ムキムキじゃないと嫌なのか?

リーダーもゴリゴリのムキムキではないが、ムキムキである事は確かだろう。

俺は少し筋肉があるぐらいだからな。

これでは駄目なのか...?


「魔物が来たぞ〜!!」


ん?

上級の魔物かな、襲ってくるな。

でも、これだけ人がいたら瞬殺だろう。

まず、これだけの人数で襲ってくるってことは頭が悪いんだ。強い魔物のはずがない。


「あれは上級の魔物だ〜!!」


大勢の冒険者が構えた。


そこまで緊張する必要ないぞ。


「うわっ、本当だ。」


「おいマイク、落ち着けって。」


みんな上がってるな。


「行くぞー!!」


「「「おー!!!」」」


たくさんの人が魔物に向かって走り、戦闘が始まった。 


俺は行かないぞ。

そんな人数、必要ない。

ロイも行ってないし。

マイクは少し動いたけど、行ってない。


ミラもソラもレッドシャインの人達も止まったまま、

眺めている。

他の冒険者もちらほら動かないで見ているだけの人達がいる。


「倒したぞー!!!」


「「「うおー!!」」」


「あいつら...元気だな。」


ロイがちょっと引いている。

俺もちょっと引いてる。


「倒せたのか?じゃあ、進むぞ。」


隊長はそう言って、再び進み始めた。

相変わらずゆるいな。


その後も魔物が襲って来たが、その度たくさんの冒険者によって倒された。


「今日はここまでだ。」


その言葉を聞いた冒険者達は袋から木炭を取り出したりして火をつけたり、布を敷いて寝たりしだした。


俺は肩にかけた大きい袋からパンを取り出して食べ始めた。

いや〜、硬い。だが、それが癖になったりして。


「レオ、お前...いつもそんなの食べてるのか?」


「ああ、安いしな。」


「お前、お金ならあるだろ。」


「防具とか剣とか、そのうち買いたいからな。」


「マイクは何を食べるんだ?まさかレオと同じじゃないよな。」


「まさか、僕は干し肉にチーズだよ。しかもこれは柔らかくて美味しくなっているんだ。」


まさかとは何だ。失礼な奴らだ。


「単独で超級クエストを達成したのに、硬いパンって悲しいな。」


「うるせい!」


ロイの奴、悲しいとか言いながらニヤニヤしてるじゃないか。


「中級クエストばっか受けてる僕は柔らかい肉とか食べているのに...可哀想。」


「何だお前ら!俺は...おいどんは幸せだぞ?」


パンの良さが分からないらしいな。

俺なんて、高級な柔らかいパンより、こっちのパンの方が好きまであるぞ。


「ちょっと失礼するよ。」


え?

レッドシャインのリーダーがやって来た。

このワチャワチャした雰囲気の中で良く割って入って来れたな。


「君はあれだろう。超級クエストを単独で達成した

レオだろ?聞いているよ。記者くん。」


「超級パーティーの人も俺の事が分かるんだな。」


ロイとマイクはシュンとしている。

さっきまでの勢いはどうした?


俺達は初めての人が苦手なんだ。


「分かるとも。君は有名人なんだよ?子供なのに上級冒険者なんだ。胸を張っていい。」


「ああ、そうか?ありがとう。」


「挨拶に来ただけだ。またね、レオ。」


「ああ。」


そう言い残すとレッドシャインの人達のもとへ行ってしまった。

あっちも楽しんでるみたいだな。

火で囲むのいいな〜。

温かいし、明るいし。


「お前達も喋ってくれよ。」


「いや〜、ごめんごめん。ちょっと世界平和について考えていたんだよ。」


「僕は絵について考えていた。」


その後、俺達は明日に備えて眠りに落ちた。

警備は誰もしていない。

だが、魔物が近くにいないのは確認済みであるため、不安は少ない。


そうして、朝になった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ