46. マイク、吠える
マイクは以前震えている。
「マイク!大丈夫だ!お前は強い!」
「そうだぞ!自分を守る強さがある。」
ロイと俺はマイクに喝を入れた。
風魔法って恐ろしいからな。
絶対に勝てると思うのだが。
「ふっ、ふっ、ふっ、やるぞ!」
おっ。マイクの奴、やる気だ。
手をコウモリの方に構えた。
コウモリはパニクっているのか、木の周りを回っている。
「ウィンドショット!!」
叫ぶと同時に手の少し前から風が発生し、コウモリではなく、木に当たった。
バキバキッ
木に穴が空いた。
やっぱり恐ろしいな、風の力は。
バキバキバキバキ
木が倒れた。
「はぁえ!!??」
ブッ
マイクが木が突然倒れた事に驚き、おならをした。
「シャー!!」
おならの臭いで冷静さを取り戻したのか、コウモリがマイクを襲った。
「だはははははは〜!!!!」
ロイは爆笑している。
「ふっ。マイク!一直線に突っ込んできているぞ!」
「おう!アップウィンド!」
マイクの正面の地面から風が発生したが、コウモリが来るタイミングより少し速かった。
「シャッ!!」
だが、ぎりぎりコウモリの頭だけには当たり、
コウモリが思いっきり上にそれた。
ブッ
そして尻尾の部分がマイクの顔に向くぐらいまで回り
なぜかコウモリがおならをした。
「ぐあ〜!!!!」
マイクは緊張と臭いによって変な驚き方を見せた。
「ぶはははははは〜!!!」
ロイは、またもや爆笑した。
「おいっ、ふっ、笑っちゃ駄目、ふっ。だろ?ふふ。」
「だって、だって、2人でブッて、2人で...」
「「あははははははは〜!!!!」」
駄目だ!
ロイのせいで思考力が低下してしまう。
マイク、あとは自分で頑張ってくれ。
「ウィンドプレス!!」
ブチュ
上と下から風が発生し、間にいたコウモリは潰されてしまった。
やっぱり魔法の方が強そうだ。羨ましい。
剣は全然羨ましく感じないんだよな。
剣だったら、俺流拳だろ?
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、勝ったぞ〜!!」
「やったな〜!マイク!」
「よくやったぞ、マイク!」
「ありがとう!レオ!ロイ!」
俺達は感動のハグをした。
いや〜、それにしても楽しかったな。
魔物退治はいつも真剣だが、上級だったら全然気楽に出来そうだ。
この余裕も強くなったおかげで手に入れたものだ。
強くなればなるほど楽しくなりそうだな。
俺達はブラックバットの右耳を回収して、帰った。
回収の際、魔法使いであるマイクもナイフを使って耳を切っていた。
俺も剣とか買ったほうがいいのかも知れない。
ギィ
ギルドに着いた。
「これ、お願いします。」
自信満々のマイクが耳を受付に渡した。
もちろん俺とロイは後ろでニヤニヤしている。
「おい!こんなに報酬金貰ったぞ!」
「あ〜、マイクが全部貰ってくれ。」
俺は今、お金に困ってないしな。
マイクの為のクエストだし。
「そうだな。」
ロイと納得してくれたようだ。
「いいのか!?ありがとう。」
「じゃあ、次は超級クエストだな!」
ロイが笑顔で話した。
ロイの奴、超級クエストを受けてみたいのか。
単独ではまだ受けた事ないよな。
「僕は行かないぞ?」
マイクは真顔で話した。
これは...絶対に行きたくなさそうだ。
誘っても無駄だぞ?ロイ。
「まあ、そうだよな〜。」
「でも、上級クエストはいいんだろ?たまに皆で受けようぜ。」
ロイは単純に楽しかったから、またクエストをしようってことだろ。
この提案なら皆でまたクエストが出来るぞ。
「嫌だ。」
え?嫌なの?恥ずかしい。
「ははっ、嘘だよ。上級クエストなら受けてもいい。」
「.......」
なんだよ。
俺達は解散した。
パーティーが、じゃないよ。
まだ明るいけど、もう超級クエストを受ける気にはなれないな。
なるべく朝に出発したい。
何でだろうな。
...1日で超級クエストを終わらせられるかも知れないと勝手に思っているのだろうか。
そんなに速く移動出来ないというのに。
とにかくやる気が出ない。
家に帰ろう。
ギィ
「!!おかえりなさいませ、レオ様。」
「...ああ。」
リリが下着姿だった。
何をしていたんだ?
見てないフリをしつつ、部屋には入る。
いや、部屋に入ってもいいよな!
俺の家でもあるんだし。
うん...いい!
ほんのり汗をかいているな。
お風呂にでも入っていたのだろう。
なんてったって、お風呂は気持ちいいからな。
「今日は速かったですね。」
「ああ、上級クエストを受けてきたんだが、すぐに
目的の魔物が見つかったんだ。」
「凄いです!」
着替えながら会話をしている。
図太いな。
...パンツが白色だった。
あっ。
もうワンピース姿になっていた。
ちくしょう。もっと見ていればよかった。
あ!目に魔力を集中させるのを忘れていた。
やはり、どんな時も冷静に対処しなければ。
暇だったので、2階に上がって魔力操作の練習をする。
今は痒い所に魔力を集中させて、痒いのを和らげる
練習をしている。
最近は俺流拳をもう一回、練習したりもしている。
俺流拳は使う時が少なくて、練習をしないとなまってしまうからな。
身体強化で片付けられるんだ。
長い時間、戦闘をしなくなってしまった。
気まぐれで身体強化をしてみた。
おっ。余分な魔力がなくなった。
全てを身体強化に使っているように感じる。
これは...身体強化レベル3だ。
そのあと、実験してみて分かった事がある。
それは身体強化レベル3は現時点で最強ということだ。
どういう事かと言うと、魔力を集中させるよりも威力が強そうなのだ。
全てを1点に集める魔力操作をしたら、確かに身体強化を超えた力は出せる。
だが、そしたら俺の体が威力に耐えきれず壊れてしまう。
その点、身体強化は全身が強化されているから、余裕で耐えられる。
まあ、実際に試してはないけど。経験則だな。
あと、1点に集める威力と身体強化の威力はそこまで差はないように感じる。
やはり魔法というのは恐ろしいな。
魔法が身体強化しか使えないのはとても残念だ。
明日は超級クエストを受けようかな。
それとも、またパーティーで上級クエストか。
やる事が多くてワクワクする。
2つしかやることないけど。
いや、そんな事はない。
絵とか音楽を聴いたりとか、たくさんあるじゃないか。
やれる時にやっておきたい。
日常はたまにぶち壊されるからな、関係ない他者によって。
次の朝、ギルドに向かった。
俺は立派な冒険者中毒だ。
ほとんどの冒険者は毎日クエストを受けようとしないらしい。
連日クエストをする人は珍しいそうだ。
それを言ったら、ロイの方がヤバいけどな。
ギィ
さて、超級クエストは...ない!?
超級クエストの内容が書かれた紙が1枚もない。
いつも少ないとは思っていたが、なくなるなんてな。
受付に聞いてみよう。
「なあ、何で超級クエストがないんだ?」
昨日は確かあったよな。
「えっと、確かレッドシャインの皆様やミラ様が超級クエストを受けたので無くなってしまいました。」
ミラ?知らないが、レッドシャインか。
朝早くか?それとも、昨日の夜か?
「大丈夫ですよ。またすぐにクエストが発生します。」
そうなのか!よかった。
でも、せっかくギルドに来たのに待つのもな〜。
そうか!ギルドでいつもたむろして盛り上がってる奴らはクエストを待っていたのか!
いや。あいつらは上級クエストぐらいまでしか受けないはずだ。それとは違うだろう。
「なあ、俺が上級クエストを受けたら、超級クエスト達成の連続記録は0に戻るのか?」
「いえ、クエストを失敗しなければ、レオ様は超級クエストの連続記録1回のままです。」
「そうなのか、感謝する。」
安心だな。
じゃあ、上級クエストでも受けようか。
確か、合計10回達成したら昇級だったよな。
今日で超級冒険者になってやるよ。




