45. 三人パーティー結成
俺もかよ。
まあ、別にいいんだけどさ。
あと、無属性記者って強いの理由に入るのか?
ただの質問が多い奴ってことだろ?
「分かった。俺も入るよ。」
「マジか、ありがとう。」
「また〜、」
マイクは喜び、ロイはダルそうにしている。
何でロイはダルそうなんだよ。
この3人なら安心して命を預けられるな。
マイクは少し分からないが。
ロイは着実に強くなっている。
初めて会った時とリトルドラゴンと戦った時では大違いだ。
実際、リトルドラゴンを斬ったしな。
マイクはロイだけでも安心して上級クエストを受けていいと思う。
「しかし、パーティーとなると一番最初はクエストなんかよりも考える事があるよな。」
ロイが唐突に何かを言い出した。
一番最初に考える事?
なんだ?
上級クエストを受けると決まっただろ。
俺は超級クエストを受けるのを止めたんだ。
早く出発したいんだが。
マイクの目が見開いた。
「あっ!名前かっ!」
あっ!そうだ!パーティーの名前。
レッドシャインとかだろ?
う〜ん、レッドシャインはダサいよな。
周りの冒険者もそう思っているに違いない。
毎回、ダサいなと思われながらギルドに行きたくないからな。
もっとマシな名前をつけなければならない。
これは意外と重要だ。
精神に関わるからな。
「俺が命名しよう。」
ロイがなんか言っている。
「待て待て、僕のために結成するパーティーだ。僕が命令する。」
「いや、話し合おう。俺も命令したい。」
対立するなよ〜。
ここで対立したら、嫌がらせとかが始まって、最終的には酷い名前が生まれてしまうんだ...たぶん。
いや、絶対そうなる。
ムカついたら俺ならそうする。
「まず、レッドシャインとか言うダサいのは止めよう。」
!?
分かってるじゃないか、ロイ!
そうだよ!
そういう事だよ!
「実は、僕もダサいな〜って思っていた。」
「ああ!俺もだ。」
あんな若者ですけど?みたいな名前は恥ずかしくてたまらない。
絶対にあいつらは若いものからモテている。
そして、そういう事をしまくっているんだ。
ちくしょう!羨ましい。
「もっと真面目な、印象に残らない名前がいいと思う。」
「ああ、そうだな。」
「僕もそう思うよ。」
それから俺たちは必死に話し合った。
議論に議論を重ねた結果、遂に辿り着いてしまった。
完璧という頂に!
「すみません。パーティーを結成したいんですけど。」
マイクが説明する。
俺たちは名前の良さにニヤニヤが止まらなかった。
「は...はあ。では、パーティー名は?」
「ふふっ。『陰キャ株式会社』で、お願いします。」
「わ...分かりました。では、冒険者カードを出してください。」
「「「わかりました!」」」
「預かりますね...はい。出来ました。」
これで俺もパーティーの一員だ。
パーティーと言うものを組んだことがなかったから、
すごく楽しみだ。
ギドとかの時と違って、ちゃんと上級クエストだと思うし。
楽しくやれるのではないだろうか。
「すまない。パーティー設定をしたら、俺は単独でクエストを受けられないのか?」
「いえ、単独でも受けられます。」
そうか〜よかった。
いちいち面倒くさいしな。
「では、パーティーの強さを測る為に皆さん、ここに魔力を流してください。」
「いや、俺はやらない。」
流せないしな。
というか、無属性記者って言われてるなら、バレてるんじゃないのか?
「仕方ない、俺達だけで測定だ。」
2人は魔力を流し込んだ。
「はい。完了しました。あなた達のパーティーは上級です。パーティーですと、2つ上までクエストが受けられます。」
何!?
つまり、上級だから都市級まで受けられるということか?
最高じゃないか...パーティー。
都市級の魔物か...
もう想像がつかないな。
「なあ、俺たちが都市級クエストを成功させたら超級パーティーってことか?」
「いえ、都市級クエスト3回連続で成功させたら昇級します。」
マジかよ...
「じゃあ、超級は?」
「それは5回連続成功で昇級します。」
マジかよ...
「では、この上級クエストを頼みます。」
ブラックバットを10匹討伐 難易度 上級
証拠として、右耳を10個
マジかよ...
ロイも少し嫌そうな顔をしている。
まあ、そうだよな。
あいつのせいで殺されかけたもんな。
と言うか、カールは死んだしな、コウモリのせいで。
「はい。お気をつけて。」
マイクは笑顔だ。
さっきと立場が変わったな。
俺たちは北門を出て、いつもの森にやってきた。
ブラックバットの討伐...いや、実際はブラックバットの右耳の回収だな。
これって、耳だけ取ってもバレなくない?
いかんいかん、変な事を思いついてしまった。
こういう事は信頼と実績の上で成り立っているんだよな。
まあ、耳だけ取るとかしてる人もいそうだな。
見つけたら成敗してくれる。
俺だってやりたいのに。
「なあ、ロイ。ここにいるんだよな?」
本当にいるのか?
俺は洞窟でしか見たことがないぞ。
「ああ、前にこの森で見かけた事がある。」
そうなのか。
この森は結構広いんだな。
ロイの方がこの森に来ているから、俺は倒すことだけに専念だな。
ん?
俺は倒していいのか?
マイクを勇気づけるためのパーティーだよな。
マイクに戦わせる方がいいよな。
「なあ、俺は戦っていいのか?」
「ははっ。僕としてはレオが戦ってほしいな。」
「いや、駄目だ。どうしてもと言うなら、1匹は1人で倒せ。」
ロイがビシッと言った。
俺より凄みがある。
まあ、身長からして俺に凄みなんてないけど。
バサバサバサバサ
おっ。いるじゃねえか。
懐かしいな〜。
ちょっと体が震えちまうぜ。
「な..なあ、バサバサ聞こえないか?」
マイクは不安そうだ。
昼でよかったな。
夜だったら、もっと怖い。
暗闇の中から突然襲ってくるのは俺もびっくりする。
「聞こえるな。近いぞ。」
ロイがリーダーとなっている。
ならば俺は、副リーダーだ。
そう言えば、マイクって何の魔法使いなんだ?
杖とか持ってなくね?
「なあ、マイク。お前って何魔法使いだ?」
「僕は風だ。」
風魔法使いか...カール。
いや、連想は止めよう。
戦闘中の邪魔となる。
「シャー!!」
「バレたぞ!何でだ!」
ロイが驚く、確かに俺達は隠れられていた。
「...すまない。僕がおならをしてしまった。」
「お前〜!!」
バサバサバサバサ!!
コウモリ達が襲いかかってくる。
来た!
1.2...7匹。
少ないな、勝てる。
「俺は3匹やるから、ロイも3匹やってくれ!マイクは残りの1匹を頼む。」
「おう!」
「ああ、分かった。」
と言っても、ブラックバット達は3匹に分かれてくれないだろう。
ダッ
ブラックバットの目の前まで移動する。
反応出来てないぞ!?
フェイントとかいらなそうだ。
ゴンッ
ゴンッゴンッ
目の前のコウモリを殴り、木を蹴って他のコウモリに
近づき、殴る。
「シャー!!」
よし、頭を殴れば一発だ。
それに、ここは森だ。
木の使い方は分かっている。
木の枝の上に座っていると、ロイが走ってコウモリの下まで来ていることが分かった。
コウモリがロイに素早く近づく。
ちなみに、俺の所にはブラックバットは寄ってこない。
おそらく、勝てないと思ったからだろう。賢い。
ズバッ
ロイは目の前まで来た所で、剣を抜き、下から上へ
斬った。
ダッ
ズバッ
そして、斬ったコウモリの半分を蹴り飛ばし、飛んでいるコウモリに当て、よろけている隙に近づき、斬った。
ヒュッ
ザクッ
最後は剣を投げて刺した。
どれもリラックスしているように思える。
戦い慣れたみたいだ。
マイクはというと、震えている。
寒いのか怖いのかだな。
風魔法使いって寒くなるのだろうか。




