4. 魔法の存在
「それは、魔法の一種だ。光属性の魔法だな。
この村じゃ、光属性は珍しいんだぞ?」
マジか、魔法は本でしか存在しないと思っていた。
手から炎とか出るのか?もしかして、俺も!?
「父ちゃんは魔法使えるの?」
「まあ...一応、水属性の魔法をちょっとな。
この村の人は普通、水属性魔法を使える人がほとんどだ。父ちゃんは基本魔法しか使えないけどな。」
それから俺は魔法について知った。
魔法は魔力を使った技であるらしく、魔法には火・水・土・風・闇・光属性の魔法があるらしい。
闇・光属性魔法を使える人は珍しいそうだ。
何でここら辺に水属性魔法を使える人が多いのかというと、遺伝らしい。種族的なやつだな。
黒髪は別の種族なのだろうか。
そして、ひとえに水属性魔法が使えると言っても人によって少しずつ違うらしい。
それはこの世界に漂っている魔素が魔力に変わる時、
魔力の形が一人一人違うからとされている。
「俺の種族は何属性の魔法が使えるの?」
「...一つ言いたいことがあるんだが、レオは人族だ。
そしてこの村の人達は父ちゃんを含め、全員魔族なんだ。」
魔族?魔族って...魔物のことか?村の人達は皆、魔物だったというのか。ニワトリの化け物め...
「魔物?」
「違うぞ。魔人だ。魔物と魔人のことを魔族と言うんだ。」
魔人...聞いたことないな。人みたいな生物のことか?
「本には、魔物しか出てこないや。」
「魔物の方が悪者感が出るからな。人族はどの属性が現れやすいとかはない。ただ、闇・光属性は魔族と同じで珍しいぞ。まあ、魔族と言うくくりで見たら魔族も属性による偏りはないけどな。」
「俺も魔法が使いたい。」
物語の登場人物みたいになれるじゃないか。
でも、水属性魔法を使っているところ...見た事あったっけ?
あ〜だから川に水をくみに来ないのか。
「ちなみに、そういうもんって教えていたが、料理のときに使うこの勝手に燃える皮は、火属性魔法を使う魔物の皮なんだ。だから、魔力を込めると火がつく。」
そんなんだ。魔力って込められるのか...面白いな。
「じゃあ、動物は?あと、魔力を魔物に込めたら?」
魔力を込めたらその属性魔法が発動するのであれば、
火属性魔法の魔物なんか、魔力込めたら一撃だよな。
「いい質問だ。まず、動物は属性魔法が使えない。
そして、魔物に魔力を込めようとしても込められないのが現実だ!現実なのじゃー!!生物は魔力を纏っている。そこに魔力は込められないんだ。」
「俺も纏ってる?魔法使いたい。」
「ああ...少〜しだけ纏ってるぞ。幼いと魔法が使えない人もいるんだ。きっと、これから使えるようになるぞ。」
楽しみだな。属性が現れる瞬間なんか、想像しただけで凄い喜びが溢れてくるな。水属性は便利だろうけど、やっぱり火属性かな〜。かっこよさがずば抜けてるよ。本の主人公になった気分だよな。
あと、人によって違うっていうのもいいな〜。
自分だけの魔法って訳だ。速く属性よ、現れてくれ!
そして俺は6歳になった。
属性が全っ然現れない。
村の外で遊ぶのは禁止された。当然だよな、死ぬかもしれなかったからな。でも、父ちゃんは禁止してないので、俺はたまに1人で外に出たりしている。
ドレイクとカイは一時期、部屋から出なかった。
まあ、あれはトラウマになるよな。特にカイとか。
その時期はずっと父ちゃん監修のもと、俺流拳を習っていた。
そのおかげか、俺流拳はみるみる上手になっていった。
「父ちゃんって俺流拳、いつ作ったの?」
「いい質問だ。俺が30の時に作り始めたな。
それまで俺は剣士だったんだ。でも、素手の方が何かと便利だな、うん。覚えなくていい。」
剣士だったのか、物語の登場人物も大抵は剣士だもんな。特に主人公とか全員剣士なんじゃないか?剣士と魔法使いが流行りなのか。...俺も、剣士がいい。
しかし俺流拳ってださいな〜。名前が駄目だ。
俺流拳っていうのは例えば、相手が上から下へ攻撃してきたとき自分の手が腹の方にあったら、真っ直ぐ突きを入れて、自分の手が腹あたりになければ足を使って蹴りを入れる。そしてその時に腕を次の攻防のために最適な場所に移動させとくような感じの武術だ。
あとは魔力を集中させる場所を、毎度変えるのもポイントだぞ。
魔力関係のことが難しいんだよな。
戦いに意識を割くのに、魔力のことなんて考えられないんだよな。特に攻撃された時なんて、攻撃された箇所しか気にしてない。だって痛いんだもん!
村へ行った。
「ドレイクー!カイー!遊ぼー...」
って、あれ?女の子がいる。回復してた女の人は胸と腰あたりが大きかったのにこいつは違うのか。
なるほど、子供は違うのか。ひげ見たいなものか。
そういえば、大人の女性はひげなかったな。
「レオ!聞いてくれよ。こいつが酷い事を言うんだ。」
髪は長いな。やっぱり女は髪が長いのが特徴なのか。
「うるさいわね!あなた達のせいでお外に出られなくなったじゃない!」
「違うよ!魔物から襲って来たんだ!」
おいおい、ドレイクが怒ってるぞ。
「カイもめそめそ泣いて、みっともない。男じゃないの?」
「泣いてないもん!」
カイも怒ってる。今も泣きそうだぞ、大丈夫か?
ここは、俺が止めなければ。
「まあまあ、皆落ち着いて。魔物から襲ってきたのは事実だよ。」
「うるさいわね!部外者!あなた...あなたは、...臭いのよ!顔も気持ち悪いわ!」
なんだと?この野郎。それは言ってはいけない約束だぞ。傷つくわー。あー傷つく。
「何だよ。何でそんな髪長いんだよ。気持ち悪いいんだよ。逃げる時に髪を掴まれたら、終わりだぞ?」
「バカじゃないの?パパが守ってくれるわ!」
パパって言う言い方、初めて聞いたな。本には書いてあったけど。これも、女の特徴なのか?
「何でそんな悪口言うんだよ!ブース!」
ドレイクが暴走しだしたな。こんなに怒った顔、見たことないな。
「何よ!!あなた達の方が絶対ブスよ!魔物に襲われて逃げてきた弱虫ブスのくせに!」
ドンドン!!
「魔族の分際でこちらに攻撃を仕掛けて来た不届者ども!我がルベリア王国への宣戦布告と見なし、殲滅する!」
物語で見るような鎧を着た人達が規則的な陣形で並んでいる。
殺される。




