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37.  レストラン


メニュー表を見てびっくり。

意外と値段が高いのだ。


これは...まずいな。

目茶苦茶に高級店だった。


というか、高すぎないか!?

このよく分かんないスープ、銀貨3枚。

パン、銀貨2枚。


終わってるぞこの店!

あの巨人より酷い性格をしてやがる。

あの巨人でももっと優しいぞ?


全裸で迷宮の中にいるんだ。

決して外に出ようとはせずにな。

この店の奴らは人が来ていないときの巨人を想像したことがあるのか!

たぶんぼーっとしてるぞ!

暇すぎて壁に絵でも描いているんじゃないか!?

裸で、ずーっと待っているんだ。


それをコイツらはすくすく育って、服を着て生活しているくせに、パン1つを銀貨2枚だと!?

人を舐めるんじゃない、巨人を舐めるんじゃない!

舐めていいのはドーテルだけだ!!


ほら、今も笑顔で接客なんかして!

巨人なんて、顔の表情すら分かんなかったぞ!

目茶苦茶な顔だった。

人と同じ大きさでも魔物と分かるぐらいだ。


「レオ様?注文は決まりましたか?」


「ああ、すまない。世界平和について考えていた。

リリと同じものを頼む。」


「分かりました!リリとお揃いですね!すみませーん。」


リリ、謝る必要はないぞ!

コイツらは魔物以下なんだ。

別に魔物が人より下だと思った事はないけどな。


「はい。ご注文はお決まりですか?」


「このネテロスープとネテロハンバーグを2つずつ。

あと、ネテロパンも2つください。」


「はい。かしこまりました。」


ネテロハンバーグ...だと!?

パン2つで銀貨4枚。スープ2つで銀貨6枚。


おい!ヤバいぞ!


ハンバーグ2つで金貨1枚。


おい!死んだぞ!俺たち。

これから俺も奴隷になるんだ。

2人仲良く奴隷になるんだ。

料理、洗濯、掃除、何も出来ないけど立派な奴隷になるもんね。


「なあ、リリ。大丈夫か?」


「はい!大丈夫です。」


駄目だ。リリが開き直っている。

俺が止めてやらねば。


「すみませーん。取り消しで。」


「!?ちょっと何言ってるんですか!取り消しを取り消しで。」


「リリ、お前、まだ間に合う!取り消しの取り消しを取り消しで!」


「ふっ。何言ってるんですか。取り消しの取り消しの取り消しを取り消しで!」


「あはは!お前、馬鹿じゃないのか!?すみません。取り消しの取り消しの取り消しの取り消しの...」


「お待たせいたしました。ネテロパンにネテロスープにネテロハンバーグです。ご注文は以上でしょうか?」 


こいつ...がん無視をかましやがった!?

恐ろしき...高級料理店。


そこまでして金が欲しいか!

巨人も泣いてるぞ、可哀想に。


「ありがとうございます!美味しそうですよ、レオ様!」


「あ、ああ。そうだな。」


リリが嬉しそうだ。

めでたいやつだ、これからどうなるかも分かっていないんだろうな。

だが、リリが嬉しそうだと、俺もいい気持ちになってくる。

いや、別に誰でも嬉しそうだと嬉しくはなるかな。

ただリリは他の人より嬉しさが大きいのは確かだ。


「美味しいですよ。」


「ああ、美味しいな。連れてきてくれてありがとう。」


「ありがとうございます。実はこの料理、結構凝ってるんですよ。」


お前じゃない!何だこの店員!図太いな。

恐ろしき、高級料理店。


店員はそれだけ言うと厨房に行ってしまった。

ここまで言っておいて止めると、何が凝ってるか気になるじゃないか。


「私はレオ様に良くしてもらっていると思います。なので、お礼をしたかったんです。」


「そうか?酷い扱いを受けてる奴隷とか見ないけどな。」


実際、俺はそういった奴隷を見たことがない。

いや、奴隷自体見たことないな。

あるとしたら、奴隷かは分からないが、クイーン家のメイドぐらいだ。

あそこのメイド達は楽しそう...かは分からないが、少なくとも嫌そうではなかったぞ?


俺は商店街とかあんまり行ってないから見てないだけかも知れないな。


「確かに、見たことはないかも知れません。ですが、多くの奴隷は実際酷い扱いを受けているんです。自業自得ですけど。大半は家から出してくれないそうです。」


なるほど。そもそも家から出してないのか。

確かに外で酷い扱いをしたときの周囲の目線が嬉しい訳ないしな。

俺が酷い扱いをしたい時は家でしたいと思う可能性が高い。


俺も魔力が出せたら、すぐ欲に負けてリリに酷い扱いをしていた可能性も捨てきれない。

だから、奴隷の主人の人達を怒る気にはなれないな。

今は自分がそうならなくて、リリが楽しそうでよかったという思いしかないな。


「ふぅ、美味しかったですね。」


「ああ、そうだな。」


俺たちは食べ終わった。食べ終わってしまったのだ。

さて、俺の出来ることは何もない。

いざとなったら逃げる事は出来る。


俺は随分と強いからな。

この店員の笑顔を消すことは簡単だ。


「では、お支払いしてきますね。少し待っていて下さい。」


何!?リリが払えるのか!?

俺はリリについて行った。


そしたら何と、リリは金貨を2枚も持っていた。

何でこんなに持っているんだ。

リンゴ屋で働いても一生稼ぐことのない額だぞ。

頑張って働いたのか。凄いな。


「ちょっと待て、俺が金貨1枚分出す。」


「そんな、いいです。お礼なんですから。」


「いや、自分の分は自分で出すものだ。」


俺は無理やり金貨1枚を出した。

ちょうど半分だったから、いい言い訳を使う事が出来た。

リリは少し、しょんぼりしながら家に帰った。


リリが悲しそうだ。

お礼をそんなにしたかったのか。

家事と掃除をしてくれているじゃないか。


過去に何かあったのだろうか。

こういう人は少し優しくすると、すぐに騙されると思う。

気をつけた方がいい気がするが、そこまで思ってくれるのは嬉しいな。


「その気持ちは嬉しいが、恩義は日々の生活で返すものだ。一気に返そうとすると危ない事があるかも知れないぞ?」


「分かりました。日々返します。」


これでどうだ。騙されてくれるなよ?

リリの育ちの良さから考えると、親は決して悪い人ではなかったと思う。しっかり者じゃないのか?

なのに奴隷になったんだ。

きっと騙されたんだろうな。それが似ていたら教育をしなければならない。

これはリリの為になる。大義名分で偉そうな事が言える。1歳しか変わらないのにな。


その日もまだ昼なのに寝てしまった。

自分の体が回復しているのを感じる。






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