36. 帰国
「着いたぞ、坊主。」
シドだ。
俺たちはシドに帰ってきた。
生きて帰れた。
「......」
力がはいらないな。これは精神的なものだろう。
その後、ギルドに寄ってリトルドラゴンの鱗を提出した。
「はっ!大変申し訳ございません!上級か超級か意見が分かれていまして、おそらく上級だろうと思っていたのですが、こちらのミスです。すみませんでした。」
上級と超級では差が凄い。
というか、どの級でも差が凄くあるんだ。
だから、どの強さにしたらいいか分からない事も出てくるだろう。しょうがない。
超級に近い上級の魔物の可能性は考えられた。
俺が悪い。死なせてしまった責任を感じるべきだ。
「こちらは今回の報酬です。」
金貨1枚を受け取った。
「それと、超級を倒したと言うことで、レオ様とロイ様を特例で上級冒険者に昇級する事になりました。」
マジか!?
やったな。はは、嬉しい。
ギルドを出た。
その時にはもう、レッドシャインの人達は見当たらなかった。
「なあレオ、超級を倒したのに金貨1枚だろ?少なくないか?」
ロイが追いかけてきた。
「確かに、少ないな。」
金貨1枚は上級の報酬なんじゃないだろうか。
ギルドは上級として処理したらしい。
「なによりな、報酬が分けられない!金貨1枚だったら半分こに出来ないだろ!」
ロイのやつ、報酬を半分にして貰うつもりだったのか。
それなら、ガットにも渡さなきゃ駄目だろ。
ガットはギルドに行かないで、家に帰ったらしい。
俺も帰るか。体中が痛い。
少し休んでからクエストを受けよう。
「じゃあな!レオ!休めよ!」
「ロイもな!」
疲れてもギルドから近いんだ。
すぐに帰れる。
ざまあみろ、ロイ。
ギィ
「リリ、いるか〜?」
長いこと家に居なかったからな。
リリは別の国に逃げる事が出来ただろう。
逃げていなければいいのだが。
「レオ様!!おかえりなさいませ。お疲れ様でした。
!!?レオ様!ボロボロじゃないですか!」
「はは、勝てなかった。」
「すぐにご飯の準備をします。」
リリが慌ただしくキッチンへ向かった。
逃げてなかったようだ、よかった。
とりあえずは、魔力を出せないことをバレていないようだ。
ボフンッ
疲れた、眠いな。
いや、料理を作ってくれているんだ。
寝たら悲しくなって逃げてしまうかも知れない。
あと、失礼だし。
今の俺ではリリを捕まえられるか怪しい。
「リリ、楽しめたか?この国。」
「...はい。楽しかったです。」
「なら、いい。」
リリは楽しくやっているみたいだ。
よかった。
少しでも、好印象を与えられたかな。
「出来ました。肉とスープとパンです。」
美味い。匂いもいい。最高だ。
スープが温かくてほっとする。
あの体を温めてくれる感じは悪くない。
「美味い。」
「ありがとうございます。」
リリの奴...身長伸びたな。
俺も伸びたから、まだ小さく感じれるけど。
成長の速いやつめ。
食べ終わった後、リリが皿を洗っているのをぼーっと見ていた。
なんだかんだで、水のお金が一番高いよな。
水属性魔法使い、羨ましいぜ。
「あっ。レオ様!私、お風呂をすぐに作れるようになりましたよ。」
「マジか。」
「マジです。」
リリが魔法も成長している。
若者の成長とは、速いものだえ。
「作りましょうか?」
「...ああ、頼む。」
リリがお風呂場へ走っていった。
俺は強くなっているのだろうか。
成長した気がしないな。
だんだんと成長しても、俺からしたら変わらなく感じてしまう。
「できました〜!」
もう出来たのか!速いな。
くそ〜、成長をしっかりと感じさせやがって。
「どうぞ!お入りください。」
リリは皿を洗いに行った。
俺は服を持って、お風呂の所にいった。
防具はベッドに置いてきた。
ザブーン
いい〜。
これがお風呂だというのか。
少し熱すぎると思うが、身体強化で何とかなる。
そういえば、戦闘中に身体強化に全ての魔力を集中させることが出来た。
前までは魔力が残ったのに、全て使えたんだ。
おそらくこれは、身体強化レベル2を使えたと言うことだと思う。
よかった。俺も成長していた。
超級の魔物は強かった。
まあ、あいつらは超級の中でも上位の方だと思うが。
全体攻撃があった。
防げないものもあった。
これから強くなるにはこういった攻撃にも負けてはいけないんだ。
つまり、防御力を上げる必要がある。
それか、速度を速くして、すぐに魔物を倒すかだ。
防御力は身体強化でいいと思っている。
でも、駄目だったら防具をいいやつにしよう。
今思ったが、音の攻撃は耳に魔力を集中させればどうだったのだろうか。
冷静にならないと思いつかないな。
やはり、冷静さは必要だ。
これは数をこなす事で手に入るものだと思う。
クエストを受ければ受けるだけいい事があってことだな。
傷が沁みて痛いから長くお風呂に浸かることは出来なそうだ。
「熱、」
お風呂を出て、服を着た。
うん。ブカブカで動きやすい、いい服だ。
俺は動きやすい服が好きだ。
防具だって本当は必要ないんだ。
攻撃を回避できるのが最高なんだ、動きにくくなったら意味がない。
防具の役割は念のためのものだと思っている。だから
動きにくい防具を装備している冒険者は分かってないなと思う。
その日は、ずっと寝た。
そして、朝になった。
「レオ様、体調はどうですか?」
「ああ、良くはないが悪くはない。」
少し悪いけどね。
「レオ様、ではクエストは...」
「ああ、受けられないな。」
残念だ。数をこなした方がいいと知ったのにも関わらず、何もできないとは。
初級クエストは出来ると思うけど。
「では、レオ様!美味しい店があるんです。一緒に行きませんか?」
急に元気だな、どうした?
毒殺でもして、逃げようってか?
だが残念、身体強化は多少の毒に耐えてくれる。
身体強化って突き詰めると無敵なんじゃないだろうか。
「いいけど...」
「!?では、早速いきましょう!」
リリの奴、張り切っているな。
可愛いやつめ。
これで猛毒の料理を出してくるよう計画していたら、
面白いな。
『レオ様、これをお食べになって〜』ぐはっ!
何をした!?『あなたって本当にめでたい頭してるわ』
な、なんてことするんだ!
なんてな...
おしゃれな店に着いた。
真面目な店に見えるぞ。
流石に毒殺は無さそうだな。
その代わり、高そうだ。
どちらにしても恐ろしい。
お金は持ってきている。
クエスト報酬の金貨1枚を持ってきた。
見たところ、無茶苦茶な値段の店ではない。
大丈夫そうだ、足りると思う。
ギィ
「いらっしゃいませ。何名ですか?」
「2人です。」
「わかりました、こちらへ。」
女性の店員の人がリリを見ていた。
不自然な感じで見ていた...前にこの店に来たんだろう。
普通に美味しい店に来ただけか。
俺は扉の近くにコウモリの魔物が張り付いていて、俺を迷宮の強い魔物の所に落とすかと思っていたぞ。
ロイに聞いたんだが、あのコウモリの魔物はブラックバットと言うらしい。
1匹で上級の魔物で、複数で攻撃してくるが、あれほどの数が集まっていることは普通ないそうだ。
まあ、それも分からないけどな。
普通じゃないって言ったら、負けても大丈夫だと思えてくるからそう言ったのかも知れない。
あいつの足を折る力を鍛えなければな。
「レオ様、何を頼みましょうか。」
俺はその言葉を聞き、メニュー表に目を通した。




