33. 異変
ギドは長年の経験か、誰よりも速くロイのいる足の所に向かった。
「はあ!」
グサッ
ギドは斬れた指先を刺した。
「ギュア!!」
うわ〜、痛そ...
グジュ
俺も到着し、斬れた指先を殴った。
「ギュアー!!!」
バサッ
ドラゴンは翼を大きく一振して地面から離れた。
それと同時に尻尾が切れて、地面に落ちていた。
「くっ、」
風で動けない。
ガットとアストロは風で飛ばされた。
尻尾は地面に落ちたと同時にすごい勢いで爆発し、氷のトゲを全方位に飛ばした。
「!!?」
全身に身体強...
グサグサグサグサ!!
「ぐはっ!」
耐え...
ドンッ
ドラゴンが俺に向かって突っ込んできた。
「!?レオ!!」
ロイは叫び、ドラゴンに向かって走った。
「ストーンチャンク!!」
「ウォータースピア!!」
ちょうどドラゴンの近くにいたガットは石の塊を上空に出現させ、ドラゴンの頭に叩き付けた。
遠くにいたアストロは水の槍をドラゴンの目に飛ばし、刺した。
「グァー!!」
逃げようとした所で、ギドが剣を首めがけて振り下ろした。
「ぐっ!」
弾き返された所に今度はロイが振り下ろす。
「はぁ!!」
「グァ!!」
ギーン!!
俺はロイの剣を上から殴り、ドラゴンの首が斬れた。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
全身から血が出ているな。
身体強化が刺さった後にすぐ出来たから、傷は浅いけど。まあ、その後の突撃で深く刺さったやつもあるには、ある。
他の人達も、刺さっていて痛がっている。
剣士はそんなに刺さってないな。
剣で弾いたのか。
その代わり、体を強化する暇がなかったため傷は深かった。
「う、いだ!大丈夫か...レオ。お前、ふっ飛ばされてたけど。」
「ま、まあな。今のところは。ギドこそ、ヤバいんじゃないか?」
「回復薬あるよー!!」
カールが回復薬を持っていた。
俺も買おうかな、回復薬。
「あー、気持ちー。」
ロイから順に少量ずつかけた。
なにせ、1本しかないからな。
「おい、レオ。俺たち...超級の魔物を倒したぞ。」
「やったな、ロイ。」
そうだ、俺たちは超級を倒したんだ。
もう、上級なんて怖くないね。
あっ、そうだ。
ドラゴンの鱗を取るクエストだった。
尻尾とかって売れるのかな。
数に応じて報酬も変わってくるよな。
じゃあ、たくさん取った方がいいか。
「なあ、鱗以外も売れたりしないのか?」
ギドがこっちを見た。
「ああ、売れるぞ。だかな、重いし魔物はよって来るしでキツイぞ?」
そうなのか...じゃあいいや。
ん?
ドラゴンってすごい勢いで溶けるんだな。
それとも、俺が鱗をたくさん取ってしまったからなのだろうか。
「なあ、魔物は全てこんな感じで溶けてるのか?」
「ああ、そうだ。だか、まる1日かかるはずだそ?ちょっと溶けるの速くないか?」
鱗取りすぎてこうなったのか?
だとしたら申し訳ないな。
「ふ〜。」
あとは入り口の瓦礫をどかすだけだな。
でもその前に、体もヤバいし、休憩を入れようか。
「お〜い、休憩しよ...」
洞窟全体が青く光輝いた。
「!!?」
何だ!?
光が強くなり前が見えなくなると、目の前にはさっきの景色と別のものが映っていた。
草原が映ったとかではなく、ただの洞窟だ。
何なら、同壁はさっきまでと変わらないように思える。
何が起きた。
...そうだみんな!
すぐに周りを見渡したが、誰もいなかった。
本当に何が起きたんだ。
ここがどこかも分からなくなってしまった。
でも、とりあえず外に出るのが最優先事項だということは分かる。
ということは、上に行けばいいか。
俺たちはどんどん下っていく形であの空間に行きついた。だから、上がれば外に着くかも知れない。
この空間、広いな。
さっきの空間よりは狭いが、そう変わってはいない。
そして、その空間が前後、見えない所まで続いている。
「ふーっ、おーい!!誰かいないかー!!」
いないらしいな。
意味が分からない。
あと、少しだけだが、薄く光っている。青色に。
さっき光った色とおんなじだ。
絶対に何か関係あるよな。
ただ1つ言えるのは、十分に警戒をしなければならないという事だ。
これは常に身体強化をしている必要があるのかも知れない。
一旦、身体強化をした。
今のところ魔物はいないようだ。
薄くではあるが、光っているため自分の周りは見える。
進もう。
もう大声は出さない。
魔物に見つかるかも知れないからな。
嫌な予感しかしないんだが....気味が悪い。
バサバサバサバサッ。
!?おいおい、なんか前から音が聞こえるんだが。
ロイがバサバサ言ってる訳ないよな。
やっぱ下に行くか?
とうしよう。さっきの経験から下に行くと強い魔物がいる気がしてならない。
そしてこの洞窟もよく分からないから速めの行動が大切だ。いつまた変な事が起こるか分からない。
突っ走るか。
身体強化をして、足に魔力を集中...いや、下半身全体だな、集中させよう。
ドンッ!!
俺は前にぶっ飛んだ。
速!?
ドカンッ
「うぐっ!」
あ〜、痛い。まだ治ってないんだよ、この野郎。
ただ、どうやら魔物は襲ってこなかったらしい。
なんか...身体強化したあとに残る魔力量が多くなった気がする。成長期だからか?
身長も結構伸びたはずだ。
まあ、大人には程遠いけどな。
とにかく、上に行こう。
「はあ、はあ、」
本当に傷は治るのか?
ずっと痛いんだが。
あと、少し眠いな。
ギドの助言通り、ここは寝たほうがいいだろう。
俺の身体は夜だと言っている。
俺は寝転がった。
するとそこに、トカゲの魔物がいた。
ドンッ
すぐに距離を取った。
ヤバいぞ!静かだった!
俺が眠るのを待っていたんだ!
前のトカゲじゃねえな。
幸い、周りにはトカゲがいない。1匹のようだ。
「!?」
トカゲがウォーターボールを出してきた。
「くっ!」
直撃した。
痛い痛い痛い痛い!
高速移動ばかり気にしていた。
すると、トカゲが高速で目の前に現れた。
ゴシュ
それに合わせて殴りをいれ、トカゲは倒れた。
それを警戒してたからな、やってくれて助かった。
あとコイツ、死んでない。気絶しているだけだ。
あ〜、ウォーターボールに当てられて凄い痛みがくるな。ジンジンしている。
気分が悪い。とどめを刺してから休憩しよう。
ゴンッ
よし、少し寝よう。
本当にこの洞窟はどうなってしまったのか。
生きててくれよ、みんな。




