3. 襲撃の予感
「はぁ、はぁ、」
何となく分かってきたぞ、俺流拳。
それから俺は早朝から4時まで稽古をして、その後村へ行く生活を送っている。
まあ、大体ドレイク達と遊んでるだけなんだけど。
ドレイク達と言ったように、俺には友達が2人いる。
まずはドレイク、最近は活発に行動するようになった。
そしてカイ、ドレイクの友達でカイも活発に行動していて、最近は外に出たがっている。
ドレイクの友達はもう1人、女の子がいるらしいが、
風邪で寝込んでいるらしい。
女の子か〜、会ったことないな。
俺流拳の稽古は順調だ。
戦いで使う技はとても理論的でおもしろい。
型はとても基本的なものしかなく、応用をどうやって行えばいいのかを教えてくれる。
動体視力と情報収集が大切らしく、最近は流れる力を常に目で感じつつ、周りの情報収集を簡潔に脳に流す訓練を行っている。
まあ、父ちゃんが文字を刻んだ石を投げて、それを見てるだけだな!
そのおかげか、体を動かしてないから動きたくてしょうがない。
村の周りを散歩して、まだ見ぬ植物でも探そうかな。
視界の端から端へ石が素早く移動する。
「今の読めたか?レオ。」
「はぁ、はぁ、読めなかった。」
目で流れを感じるのは疲れるな。手足の方が疲れないんだよな。何でだろ?手足は日常でよく使うから、無意識に魔力を使っているのだろうか。
ちなみに、まだ流れには感じない。溢れ出るって感じだな。人によって感じ方が違うのだろうか。
「今日はここまでだ。よし!順調そのものだな。
そんなレオに道徳を教えてやる。お前はこの力をどう使うつもりだ?」
...魔物が倒せたら命の心配がなくて済むな〜ぐらいにしか、考えてなかったぞ。
「護身術として。」
「そうか、父ちゃんは色々な用途で使ってきた。
そして特に気持ちのいい使い方が、誰かを助けた時だ。なぜなら、それは感謝されて自分の暴力が肯定されるからだ。世間的にも良い事とされているからな。」
確かに、本の物語にも誰かを助けたら皆から感謝されていたな。助けたことないから分からないな。
「助ける事は自分にとって大切かという問題だ。
助けるのも相手と戦うのも何かを守るためにするもんだ。助けるのは分かりやすいが、助ける人がいなくても自分の心のどこかを守るために戦う。
つまり!強くなったら、それだけ多くの守りたいものを守ることができる。俺は自分の心を中心に守った方がいいと思うぞ〜。楽しく過ごしたいならな。」
確かに人を守るために無理をして、体調が悪くなったら楽しくはないか...
要は強くなると良い事があるってことだろ?
強くなるしかないよな。
「強さは用途だからな?使い道なんだ。楽しければいいけど、強さを求めすぎるなよ?」
「わかった。」
父ちゃんが遠い目をしている。何したんだよ...
父ちゃんは確かに強すぎると思う。求めすぎた人の強さって感じがするな。他の人の強さ知らんけど...
「お前はもう強いぞ?俺流拳の理屈を理解していて、魔力も感じれている。偉いな。偉いんじゃ!遊んで来い!」
もう村までの道では疲れなくなったな。
「レオー!遊ぼー!」
「レオー!」
ドレイクとカイがドレイク家の前にいた。
「何してたの?」
「戦いごっこ!でも、村の外に行きたいな〜って話してた。」
「未知の植物!」
「未知ってなに?」
「見たことないってこと。」
村の外...楽しそうだな。本にある植物とかあるのかな。
「行くぞー!」 「「おー!」」
カイも張り切ってるな。
カイも俺と同い年で5歳だ。
青髪の人は4歳から知能が急速に成長しているのか、ドレイクもカイも話すのが上手になった。
「遠くには行かないほうがいいから、ここらへんで探そうぜ。」
「何で、遠くに行っちゃだめなの?」
「魔物がいるらしい。」
「魔物!?」
「えっ!?」
2人とも驚いている。魔物は知ってるんだ。
見てみたいな〜。動物は村で見たけど恐ろしくはなかったな。
「見てみたいな〜。」
「カイもそう思う?僕も!」
「危ないから駄目だよ。遠くにいたらこっそり見ような。」
「「うん!」」
目がキラキラしてるぞ。見たいよな〜...
でも、植物を見るのも面白い。
本に載ってる植物は少ないな。別の所で書かれた本なのか?
もしかして、国って所で書かれた本なのか?
植物の本が古すぎて始めらへんと最後らへんが読めないんだよな。古いからなのか、父ちゃんが何かやらかしたからなのか分からないけど...
国はもっと人がいるんだろ?疲れそうだな。
「ねえレオ、カイ、あれって魔物じゃない?」
「え?」
ドレイクの指の先を目で追うと、確かに魔物らしき生物がいた。この距離で、あの大きさ...怖い。
緑色の羽毛らしきものに覆われた黄色い鱗の長い足がチャームポイントの魔物のようだ。
毛が少なくて、首と足の長いニワトリって感じだな。
「速いね〜。」
「そうだな。」
あれに追いかけられたら終わりだな。でも俺も結構、速いぞ?まだ負けるか...
「ね...ねえ、レオ?横見て。」
「...」
そこには、別のニワトリの化け物が俺たちを見下げていた。
やばい!!遠くの魔物に夢中になっていた。
こっそり近づいて来たのか。ってことは、これから襲うのか?俺達を?俺達、不味いですよ。
幸い、村から近い。叫びながら走るしかないか。大人達よ、気づいてくれ。
「あ...あぁ...あ゛あっ!!」
ドレイクがまずい!戦おうとしている。
戦いごっことは訳が違うんだぞ!?
カイも呆然としている。俺がなんとか...
俺の方に引きつけなければ...
その時、
プッ プ〜 ブッ
魔物に対して構えていたドレイクがおならをした。
「「「....あははははは!!」」」
俺達は逃げ出した。
最後のブッの情けなさが凄い!恐怖と面白さが入り混じって力が入らない。どうしよう...落ち着け、落ち着くんだ。ヒッヒッフー!ヒッヒッフー!
「ゔぁーー!!!!!」
まずは俺の方に引きつけて、目が悪いんだっけか?
なら木にぶつけてやる!
来たっ!
ドカンッ!!
成功するとは...よし、今のうちに村へ、
「村に行くぞ!」
「やったね、レオ!」
カイが笑顔で話しかけたとき、カイの左腕が潰れた。
「あ...ぁ...」
どういうことだ!?さっきの魔物か?...まださっきの木にいる。
まさか、さっきの音を聞きつけて来た遠くにいた魔物なのか。
魔物の足に血がついている。
どうやら、カイの腕を足で踏み付けたらしい。
音がしてまだ全然経ってないぞ!
こいつ...相当速いな。
「カイ!!」
「ドレイク!カイを村まで運んでくれ。」
「レオは、どうす...」
ダッ
魔物が突っ込んで来た。
「いいから行け!」
ドレイクが村へ走った。
よし...どうしよう。
さっきの魔物は木にぶつかっただけで気絶したよな?
頭が弱いのか...?
「くっ」
たくさん突進してくる。凄い速さだ。
目と足に魔力の流れを集中して感じつつ、考える。
木に突進させても気絶しない。
頭が丈夫に育ってやがる!すくすく育ちやがって...
ニワトリの化け物が突進する時、何か...
そうだ!目をつぶっていた。目が弱点?
木に登る時間はないけど、ちょっとは登れるよな...
足に魔力を集中させて、木に全力で走った。
そして木を蹴って、高く飛んだ。
「あー!!!」
今度は手に魔力を集中させ、魔物の目に突っ込んだ。
「ガーー!!」
うげっ!気持ち悪!なんて気分にさせてくれるんだ。
よし...ビビって逃げていったぞ。
それも幸い、村と反対方向。
「はぁ、はぁ...帰ろ。」
おっ!
村の人が来た!大人だ。
「お前さん、大丈夫か!ドーテルに襲われたって聞いたぞ!」
ドーテルって言うのか。醜いニワトリの化け物め、
「大丈夫。逃げていったよ。」
村へ帰ったとき、カイが大人の女性に腕を見せていた。
「痛いっいっ痛い。」
ひっくひっく泣いている。...そういえば、人が泣いているところ初めて見たな。
「大丈夫よ。治すわ。」
その時、女性の手から謎の緑色の光が出た。
なんだ!? 光!?...ニワトリの化け物か?
!!? カイの腕がみるみる治っていく。
なんだそれ!? すごいな...
カイは寝てしまった。睡眠作用があるのか?
「治ったわ。家まで運んであげて。」
それからカイは、家に運ばれた。
そうだっ!ドレイクは?...ドレイク父ちゃんと一緒にいた。
「レオ〜!ありがとな!うちのドレイクを助けてくれて。」
「どうも。」
その後、ビスケットをくれた。うまっ。
それからドレイクと、カイの父ちゃん母ちゃんにお礼を言われて家に帰った。
「レオ!今日は楽しかったか?」
「魔物を追い返したよ。」
「なにっ!偉い!偉いんじゃー!!お前そんなに強くなったのか!?」
「それより、カイの腕が謎の光で治ったんだけど。」
「あ〜...言わなければならぬか。」
この後、俺は面白い話を聞く。




