20. 準備中
「お母様、ただいま戻りました。」
お母様!?若い見た目だな。いや、実際に若いのか。
とんでもない威圧感を感じるが、おそらく物理的に上の位置にいるからだろうな。
「青髪の村に行ったのですが、そこに火属性魔法を操る魔物が現れまして、村の人や兵士など関係なく殺されてしまいました。」
いい嘘をついてくれた!ありがたい。
「そうか、アルシアだけでも生きていて良かったと言うべきか。それで、隣にいるのは誰だ。」
これは...俺が話すのか?アルシアが代わりに話すのだろうか。敬語で話せばいいんだよな?
アルシアが代わりに話す訳じゃないんだよな!?
「は!私はアルシアが森で困っている時に助けたのでありますのよ?」
「そ...そうか。なぜ森にいたんだ?あの森は普通の人ならば立ち寄らないぞ?」
「は!私はカナン国の周辺で遊んでいましたら、森の中に人が見えたので助けに行こうと思って森に入りましたのよ?」
「...ふっ、ふはははははは!!!」
びっくりした〜!何、急に笑ってるんだ!?
「いや〜、すまない!語尾に疑問形をつけているのがおかしくてな、敬語の使い方もおかしいが。」
アルシアの敬語はやはりおかしかったらしい。
俺もずっとそう思っていたよ?
「我が娘の命の恩人だ。礼はさせてもらう。今日はもう休め!疲れたろ?」
「はい、ありがとうございます。」
「は!感謝させて貰いますわよ?」
「ふははははは!!!」
俺の部屋が用意されていた。
準備がいいね〜。
家の中には、メイドと言う生活のお手伝いをする人達がたくさんいる。賑やかだ。
コンコンコン
誰かが扉を叩いている。
俺は魔力を拳に集中させた。
「レオ様、入りますよ?」
なんだ、アルシアか。脅かしやがって、このいたずらっ子め。
「レオ様、お母様との拝謁でふざけないで下さい!」
なんだと?
「俺はアルシアの真似をして何とか、敬語を使っていたんだ。」
「私はそんな変な話し方をしていません!」
「そうだっけ?」
俺の想像上のアルシアはいつもこんな感じだが。
敬語はもう少し勉強する必要がありそうだ。
「レオ様。今までずっと私を守って下さりありがとうございました。私たちはレオ様達にとても酷い事をしてしまいました。償いきれない罪を犯したと自覚しています。なので、これからレオ様に何か助けが必要な時はいつでも声をかけてください。協力いたします。」
「ああ、そうか。分かった。」
次の日の朝、また拝謁があった。
何回するんだよ!
「新勇歴170年!アルシア・クイーンが帰ってきた事を祝い、祝宴を開く事が決定した!明日、開こうと思っている!」
新勇歴...聞いたことあるぞ?父ちゃんが言っていたような気がする。
思い出せ、う〜ん。そうだ!俺は新勇歴160年に生まれたとかなんとか言っていたじゃないか!
それを信じるとするならば、俺は今、10歳か。
もうそんなになるのか。早いな。
「そして、アルシアを助けた人!そのお礼として、金貨100枚を与える!好きに使え!」
金貨、100...枚だと?
やったー!!これだけあれば、色々な事ができるぞ。
何回するんだよ!とか言っちゃって悪いね〜。
何回でもしていいよ?なんちゃって〜、あはははは!
いかんいかん、ニヤニヤしてしまった。
「これにて解散だ!準備を始めよ!」
俺は何もしなくていいらしい。
暇なのでこの家の中を探検する事にしたのだが、広すぎて迷子になっている。
地図とかはないのだろうか。
いや、侵入者に家の構造がバレてはいけないか。
色々と地図があったほうが便利だよな。
これからは、自分だけの秘密の地図を書くとしよう。
しかし広いなこの家。これだけ広ければあれだけのメイドの人数も少なく感じるぞ。
「デカい扉だな...」
そこには、一際目立つ扉があった。裏門だろうか。
ギィ
なんだここは!?
本がたくさんあるではないか!凄い。
そしてこんなにも広い空間なのに、誰もいないぞ?
あっ、一人いた。メイドがここにも潜んでいやがった。
掃除をしているな。というか、見てきたメイドは全員掃除をしているな。広い家は掃除が大変だな。
「なあ、この本って見ていいのか?」
「っ!!あ、はい。ただ、奥の部屋には行かないでください。まあ、閉まってますけど。」
「分かった。感謝する。」
やったー!知識の宝庫だ!何から読めばいいのかな。
とりあえず、題名を見て考えよう。
「........」
本が多すぎる...読みたい本が分からなくなってきたぞ。
「あの〜、1つ聞きたいことがある。」
「はい。何でしょうか。」
「常識とかが載っている本はないか?基礎知識みたいなのが載っている本を読みたい。」
「そうですね...分かりました。ついてきてください。あっちにあります。」
分かるのか!凄いな。
この広い家だから掃除する担当場所は決まっているだろうが、それにしても本の数が多すぎるぞ。
と言うか仕事中って読書しちゃ駄目だよな?
本が好きなのか。
「おっ。もう夜か。」
あのメイド、まだ掃除してるぞ!恐ろしい。
本を読んで分かったことがいくつかある。
まず、この世界には人族語と魔族語、海洋語と言う、三大言語があるらしい。
もちろん、俺が話せるのは人族語だけだ。
俺の村は魔人しかいないのに人族語だったのは不思議だな。
海洋語はあるとされているだけで使う事はないらしい。
というか、解読出来てない。
俺は魔族語ぐらい覚えようかなと思ったが、もう少し基礎知識を身につけたいため、ちょっと後回しにさせてもらった。なので、後半は魔族語をずっと勉強していた。
次に、この世界は魔法と剣術が主流となっており、
どちらも初級、中級、上級、超級、都市級、国級、
帝国級、神級の段階に分かれている。
ネーミングセンスは悪いと思うが、剣術と魔法で言い方が同じなのは楽でいい。
中級の人が一番多く、上級からはもう凄い部類に入るらしい。特に国級からは本当に少なく、レベルが違うらしい。
国級は名前の通り、国の力と同等の力があるらしい。
怖いほどの強さだな。
神級は初代勇者しか到達していないとされており、帝国級とはレベルが違うらしい。怖いな。
前にも聞いたが、魔法には火・水・風・土・闇・光属性があり、闇・光属性魔法を使う人は少ないらしい。
そして、剣術には一線流、風流が主流で、特に一線流が大人気だそうだ。
今は新勇歴170年だが、その前には勇歴があったらしい。まあ、新勇歴って言っているなら前は勇歴だろうなとは予想していたがね。
勇歴は一万年続いたらしい。長いよな。
初代勇者が生まれたときから年を数えているそうだ。
新勇歴は第100期勇者が生まれたときから年を数えているらしい。
第100期勇者は世界大戦で大活躍したから有名になったらしい。
ただ、初代勇者も同じぐらい人気で、人族最初の人とされている。
勇者の特徴は白色の髪で一般的な人より長生きする事らしい。あと、光属性魔法が使える。
読んでみて思ったが、ルベリア王国の王族は勇者の
親戚なのだろうか。
これだけの知識を得たあと、魔族語を勉強し始めた。
これも、基本的な事しか覚えられなかったが、人族語と似たような感じだったので、すぐに覚えられると思う。
次の日、祝宴が始まった。




