表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の導きと俺の何度目かの人生。  作者: 可愛い
第四章 見果てぬ想い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/51

回想-鉱山都市【酒場】

「回想-鉱山都市【エルフ】」から「回想-鉱山都市【酒場】」に変更したものです


よろしくお願いいたします。

馬車が揺れて現実に引き戻される

ユッタを見るといつの間にか俺の肩を枕に眠っていた


俺は自分の指に嵌った指輪を見ながら酒場での話を思い出す

そう俺たちは夕闇の迫る時刻に教えてもらった酒場へと足を運んだんだ


俺はこの世界に来てから夜間に外出したことはなかった

思っていた以上に街には明かりが溢れ不思議な光景が浮かび上がっていた


周囲を見回していたからかユッタにクスリと笑われた後に

場所は昼間確認したから迷わないわよと言われ赤面してしまった


酒場について中に入ると外で聞こえた以上の喧騒であり

店内から神殿騎士が酒場とは珍しいとの声が飛んできた


騎士服で来たのは間違いだったのかと思っていると

酔っぱらった人々が次々と「ドラゴンを遣わされた女神に感謝を」と声を上げているのが聞こえてきた


ドラゴン信仰の強さを感じつつ「女神に感謝を」と返していると「こっちだぞ」と声がかかる

顔を向けると6名ほどのドワーフが俺たちを見ており、その中の一人が手を挙げていた


お前は小さいから人種には見えてないんだ。などと悪態が聞こえる

お前と変わらんと言い返す声が聞こえた後に再度「早く来い」と声がかかった


席に近づくと紹介されるよりも先に手を出してくれ。皆に指輪を見せてやってくれと頼まれた

俺とユッタは指輪を見えるように手をだすとドワーフ達が周囲を取り囲み指輪を見定め始めた


皆がブツブツと言い始め議論が起こるがドワーフ独自の言語なのか

俺には皆目見当が付かずユッタに尋ねてみる


ユッタもドワーフが独自の言語を持っていることは知らず

村に住むドワーフとの会話でも出てこなかったそうだ


俺たちが手持ち無沙汰にドワーフの様子を眺めていると後ろから

「まったく、ドワーフどもときたら客人の扱いが無礼すぎるだろ」と声が飛んできた


ドワーフたちの議論が止まり皆が一斉に声の主を見ると背の高い一人の女性が立っていた

彼女を確認したドワーフたちが笑いながら


「なにを言っとる、人の話を盗み聞きとはエルフこそ礼儀がなっとらん」

「いつ見てもエルフは鼻もちならんな」と言いつつ彼女に席を進めている


初めて見るエルフに俺もユッタも見入ってしまう

その視線を受けて


「人種もドワーフ同様に遠慮がないな」と話すとドワーフから

「お前さんの背の高さを驚かん奴などおるまい」と茶々が飛んでくる


俺たちはエルフに非礼を詫びて席に着く

気にしていないと言う彼女を他所にドワーフが飲み物と食べ物を追加で頼んでいる


知り合いのドワーフから俺たちの簡単な紹介があり飲み物が来たところで会話が止まり

それぞれの祝福の言葉で乾杯が行われた


「仲間と再び会えたことに」

「この良き日に」

「この出会いを神に感謝を」


そしてドワーフたちは再び指輪の話題へと移り指輪を見たいので渡してほしいと頼まれる

俺は指輪を外して渡す。やはり指から外すと光は消え失せてしまうようだ


エルフが食事を始めたので俺たちも食事をとることにした

俺は食事を続けながらドワーフたちの議論を聞き続けてると内容が分かり始めた


スキルが上達したのか分からないが思っていたより早く言語を習得できたようだ

相変わらず俺たちを無視して議論を続けるドワーフたち。それを見ながら呆れ顔のエルフ


俺はエルフを横目で見ながら想像と違う姿に若干落胆していた

耳が尖っていないことや金髪や銀髪でないこと、なんというか容姿が普通の人種なのだ


ドワーフが想像通りだったので期待していた分ガッカリ感が増した感じだ


そういえばユッタの村のドワーフがエルフは外見を人族に真似る魔法を使うと言っていたのを思い出す

今見えてるのとは幻なのかな?だとしたら本当のエルフの姿を見てみたいと考えてしまう


エルフが俺たちの食事が終わったのを見て留め金の従軍記章についてユッタに尋ねてきた

そして黒い霧の怪物について詳しく聞きたいと言われてユッタが話し出す


するとドワーフたちの議論も止まりエルフ同様、真剣に耳を傾け始める

ユッタの語り口は聞き手を引き付ける力があるようで議論の最中にも酒を飲んでいたドワーフたちの手が止まっている


気づくと場が静かになっていた。ユッタの話が終わったようだ

ドワーフたちは腕を組みエルフは目を閉じて思案に耽っているようだ


ユッタが不安そうに俺を見るが俺は首を振って答えることしか出来ない

暫くの沈黙の後に静寂を打ち破ったのはドワーフで


「当面の危機は去ったしドラゴンは健在じゃ。酒でも飲んで今を楽しもう」

そういってカップを飲み干すとドワーフたちは賛同して各々カップを飲み干すとお代わりを注文して指輪の話題へと戻っていく


「これだからドワーフは」と言いながらエルフはカップ一口啜り

ユッタに対して素晴らしい語り口だったと褒めていた


それからユッタに指輪をみせてほしいと言って彼女から指輪を受け取っていた

「やはり光は消えるのか・・」と呟いてから製作者と由来を聞いて


「面白いな」と呟くと

「ドワーフたちよ。これと同じ物を作れると思うか」と問いかける


ドワーフたちは途端に無口となり、暫くして一人が口を開く

「その作品には魂が込められとる。本人でも同じものは作れまい」


返事を聞いたエルフは一つ頷くと

「なるほど、物に魂が宿るか・・」


「ならば、その魂は永劫を得ることは出来るだろうか?」

「魂なき物にも付与は可能だ、なら魂の宿った物ならば・・」


指輪を見ていたエルフは顔を上げ

私が営む雑貨屋に明日二人で来るようにと告げると指輪をユッタ返し店を出て行った


俺たちが立ち去るエルフの背中を見ていると

最初に知り合ったドワーフが呆れ顔で教えてくれた


人種の時間が有限だと分かっているのだが魔法の事になると周囲が見えなくなるのだと

そして悪いようにはされないから明日行ってみるがよいと店の場所を教えてくれた


是非行ってみたいと話すユッタを見て俺も期待が膨らんでしまった

その後もドワーフたちは議論を続けるが俺たちは蚊帳の外だったなと


馬車に揺られながら苦笑交じりに思い出していた

お読みいただきありがとうございました。


無断転載禁止。翻訳も禁止。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ