青地のマント
よろしくお願いいたします。
その後の動きは早かった
騎士団は緊急招集され
三役の内一人は王都への使者として
一人は大森林を接する君主国の神殿へと向かい
一人は避難民が発生した場合の受け入れ態勢の構築をした
癒し手の長は騎士団長と人員の調整をしている
夕食時に休みを取り消された面々が食堂に集められる
エディ班長が青服の見知らぬ女性を伴って現れた
班長は彼女の紹介をしないまま
集まった理由の説明を始めた
大森林内と大森林近郊の2か所へ進出
神殿騎士団の半数と見習い全班が出立する
出立部隊を半数に分け予定地で駐屯
出発日は明日早朝。終了日時は未定
今回は各班に一名ずつ癒し手が配属される
言い終わると彼女を紹介した
俺たちの班に配属されるロッテと言う名の癒し手だった
夕食後は宿舎内で各自待機して過ごすように伝えられた
話が終わり食事を始める
早速アレクが席をロッテに譲り自分は椅子を取りに席を立つ
ユッタやアンナがロッテに色々と聞き始める
ロッテは癒し手として回復中級持ちだそうだ
街育ちで野山の行軍に不安があると聞いたアンナが
アレクに背おって貰えばよいと半ば本気で教えていた
ユッタは服装が気になるらしく手で生地を触らせて貰ったり
癒し手以外でも着ることが出来るのか質問をしてロッテを困らせている
ラデクはロッテより帰ってこないアレクを心配している
エディ班長は食事を取っていてロッテは女性達に任せているようだ
アレクが帰ってくる。自室まで戻っていて遅くなったそうだ
ロッテの周囲をユッタやアンナが固めていて入る余地が無いと落胆してるアレクをラデクが手招きしていた
アレクが詰まらなそうにラデクの隣に腰をおろすと
ロッテから椅子を譲ってもらった件で声を掛けられ途端に元気になっていた
アレクが各自待機って実質休みだろと言うと
ユッタやアンナが街に行けない待機は休みはでない。と一緒に言い
ロッテにも同意を求めていたが困惑の表情でいるだけだった
アンナがチラリと俺を見るが聖女との話だと思い首を横に振る
その後も皆の会話が続き楽しい時間となった
翌日
出発前の点呼で騎士団長と神職が現れた
騎士団長が士気を鼓舞する演説の後、マントの授与式となった
神職から受け取った青地のマントを見習い一人一人に手渡しする
アンナやアレク、ラデク、その他数名の見習いが顔が青くして受け取っていた
皆が喜んでマントを着けるのを見ていたアレクがボソッと
「奉仕活動希望だったんだよな」と呟く
その声を聞いてラデクはアレクの肩に手をやる
アンナは見習いの辞め時を間違えたんだから諦めなと強めの口調で言っている
俺やユッタが不思議な顔で見てると
「見習いになって最初の班長にいわれたんだよ」
「見習い期間中に青地のマントを貰う事があれば危険な任務に向かうって」
「騎士として殉教させてもらえるってな」
俺たちが言葉を返せず黙っているとエディ班長が出立の号令をかけた
その後7日間かけて移動し何事もなく到着
エディ班長が隊長の元へと報告に向かう
班員は焚火を中心にして集まり休憩を取る
俺とフーゴは各自の荷物を配って回る
フーゴは相変わらずアンナに渡す時は耳まで真っ赤になっている
フーゴがアンナを好きなのを班員は知っているが知らないふりをしている
アンナも気づいてるようだが知らないふりで通すようだ
荷物も配り終わり仲間を見渡す
アンナは後1年で見習い期間の満期となり騎士になるか奉仕活動を選択すると言っていた
1年延長希望して火属性を上級まで上げたのだから騎士志望だろうか?
アンナとフーゴを見ながら微笑んでるユッタは見習いとなって2年半だったはず
期間延長を希望しなければ半年後は奉仕活動か騎士へと移動だな
マイペースでノンビリ屋だから奉仕活動が向いてるんだろうけど
スキルが魔法適性だから奉仕活動を選んでもノンビリ出来ないと思う
戦闘スキルを持つ以上、奉仕中の村や街で魔物が出れば信徒を守る必要がある
薪を挟んで反対側に座るアレクとラデクは相変わらず仲が良い
同期で延長期間を入れて4年目、最初は反りが合わなかったと聞いたが
そうは思えないほど同郷や兄弟と言われても納得するくらい仲が良い
アレクはスキル持ちの元貴族で防具スキルだからと家を出される羽目になった
まあ四男で兄達が優秀だからとは言ってたけど武器や魔法系なら他家との婚約
もあったんだろう。確か奉仕活動希望だったな
一方のラデクはスキル無しの平民出身。彼は騎士志望
エディ班長やフーゴもスキル無しって言ってたな
フーゴの進路に関してはアンナしだいなんだろうな・・・
皆へのお茶の用意をボックスにあるお湯を使って準備する
「見習い期間中に青地のマントを貰う事があれば危険な任務に向かう」
「騎士として殉教させてもらえる」
不意にアレクの話を思い出し首を振る
任務が終わっても仲間と一緒に焚火を囲みたい
仲間の誰かがいなくなるとは思いたくない
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