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神様の導きと俺の何度目かの人生。  作者: 可愛い
第二章 旅の始まり

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告解

よろしくお願いいたします。

翌日

起床し軽く掃除をして礼拝堂に向かう

礼拝堂には数名の神職がいて何やら動き回っている


邪魔にならない位置に移動し神像を眺めてみる

ギリシャ風の衣装をまとった女神像だ


就寝中に神託があれば女神さまに会えたのかな?

転生時には声しか聞いてないから会ってみたかったな


などと眺めてると

昨日お世話になった神職が近づいてきて挨拶をしてきた


「お目覚めでしたか」

「このお方は万物の女神と呼ばれています」と教えてくれる


挨拶を返し昨日読んだ書物の知識で神職の方と話していると

冒険者風の服を着た女性がこちらに歩いてくる


神職と挨拶を交わし俺に向き直り深く一礼した

お互いに挨拶を交わす


先に俺から話しかける

「昨日お父上とお会いし神の導きに従うとお伝えしました」


やや緊張していた女性は

「私も父同様に使命を果たします」


そして呟く

「この出会いを神に感謝を」


彼女は俺を見つめながら黙ってしまう

神職が助け船を出す


「父上から荷物を預かっているとか?」

「そうです。こちらになります」


彼女が革の装備一式と食料を魔法鞄から出してくる

「返却不要との事です」


「そうですか大変助かります」

ハルドールさんの配慮に感謝してお礼を言う


頭巾で髪色を隠せそうだな。早速着用してみる

「意識してみなければ分かりませんね」

俺の姿を見た神職が伝えてくれる


「少し早いのですが案内します」

と言われたので神職に寄付を申し出るが固辞されてしまう


そこで

「スキルの確認をしてほしい」と告げると寄付を受け取ってくれた

「では私は外で待機しています」と彼女は出て行ってしまう


神職が本を取り出し俺は手を上に載せる

  「多言語完全理解」

  「時空間収納ボックス」

と呟かれた

その後に

  「神の加護」

と呟いた


前に確認した時には「神の加護」は言われなかったのに

不思議な顔をしていると


「加護」の確認は上級神職スキルが無いと分からないとのことだ

そして説明を受ける


「神の加護」を授けられると元々のスキルが変化する

変化は一定ではないが元のものより劣化することは無いとのこと


「神に愛されていますね」

と微笑まれる


問題が無ければ聖女にお会いした際

神の加護持ちだとお伝えくださいと言われた


神職と共に外に出て女性と合流する

別れの挨拶と感謝を伝え駅馬車乗り場へ彼女の案内で向かう


「待合場所は目立つので目立たない場所で待ちましょう」

と言う彼女の提案で移動する


移動すると緊張気味に彼女が口を開く

「貴殿に知っておいて頂きたいことがあります」


「姉上のことです」

彼女は少し思案顔をした後に淡々と語りだす


「最初に会ったとき目立つ髪色なのに

貴族家で働くことが理解できませんでした」


「ですので彼女が随従員になったのは何らかの打算があると考え嫌悪しました」

「貴族家ですから打算を持つのは当然なのですが嫌悪してしまったんです」


「入学前の期間に同じ役職として邸内で接する内に

彼女の裏表のない性格や献身的に尽くす姿勢を見て考えが変わりました」


「更に彼女は忙しい合間を縫って

貴殿の手紙を度々読み返していることを知り興味がわきました」


「そして家族の為に望まぬ苦難を受け入れたことを知り心が揺さぶられました」


少しして口を開く

「ですが・・・御存じの通りです」


「王都の壁は高いのです」

「王都の貴族の誇り同様に」


「彼女を知る私も壁を乗り越えようとはしませんでした」

「事件が起こった際にも・・・」


「私が彼女のために何か出来たのは最後の数週間だけ」

「彼女を疎んじる者達から彼女を守ることでした」


「彼女の望みが叶うように」

「お姉ちゃんは望んでなかった」僕は強く否定する


「弟ぎみ、貴殿は勘違いをされている」

「お姉さまが望んだのは貴殿と会うことだ」


「私には彼女の望みのために護衛をすることしか出来なかった」

「彼女の代わりに同じ護衛役の私が選ばれてもおかしくなかったのに」


「王都の壁が私を守り、王都の壁が彼女を拒否したのです」

沈黙が訪れる


しばらくして彼女が口を開く

「貴殿が帰られた後」


「姉ぎみの献身と自己犠牲を見て同じことが出来るだろうかと自問しました」

「・・・・・」


「彼女と出会う前の私なら出来ると自信を持って答えたでしょう」

「ですが・・今の私には答えられません」


「それが真実の私なのです。私は自身の弱さを知ってしまった」

「・・・・・」


「弟ぎみ、私は貴殿に許しを請うつもりはありません」

「ですが貴殿には分かって頂きたい」


俺は言葉が出てこない


そんな俺を見て彼女が呟く

「私は弱い人間だ」


彼女の瞳に涙が浮かぶ

「私は・・・今度は貴殿に同じことを」途中で口をつぐみ下を向く


音のない世界

涙が地面を濡らしていく

お読みいただきありがとうございました。


無断転載禁止。翻訳も禁止。

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