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神様の導きと俺の何度目かの人生。  作者: 可愛い
第二章 旅の始まり

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2度目の王都-大神殿【前編】

よろしくお願いいたします。

話をしたいと言った騎士は無言のまま歩み続ける

中央広場に入った所で騎士が指し示す


「あちらです。参りましょう」

「あれは?」


「大神殿です。500年以上前に建てられたと聞いております」

「そうですか・・・」


神殿に着いた。見たことのあるシンボルだな

中に入る。あれ、祭壇の後ろに神像あるじゃん。偶像禁止だと思ってたよ


奥から神職の方が出てきて騎士と挨拶をする

神職が俺のほうを見て言う


「あの方の弟ぎみですね」背中に電流が走った

俺は神職を見る、次いで騎士を見る


そうか・・こいつは、あの日中庭で誰何してきた騎士か

背を向けて立ち去ろうとすると手を掴まれる


俺と騎士が目を合わせ互いに何か言おうとしたタイミングで

神職が大声を上げた


「神に感謝を」

再度大声を上げる


「この出会いを神に感謝を「神に感謝を」」

俺らを除く神殿内の人々が唱和する


雰囲気に呑まれてしまい話を聞くしか無いと諦める。


最後列に三人で座る

あらためて神殿内を見る。先ほど沢山いた信者が居なくなっていた


神職が俺たちを見た後に穏やかに話し始める

「私は後からではありますが当事者の一人となりました」


「ですのでお二人の会話に立ち会わせてください」

俺も騎士も頷く


神職がどこまでも穏やかな声で話す

「まず、そうですね。私が知ってることを話しましょう」


「ですが皆さんが知ってることを話す必要はありませんよ」

一拍置いて続ける


「三か月前ですかね」

「ダンジョンで死亡した女性の埋葬を依頼されたのです」


「私も多くのご遺体を弔ってきました」

「ですが女性のご遺体は安らかで眠っているようでした」


あの護衛とメイドが頭をよぎる

「死因が何であれ神が寿命を待ちきれず召されたのだと思いました」


「本当に神の愛を一身に受けている様でした」

「正直嫉妬しました」苦笑して話す「内緒でお願いします」とも言う


「埋葬場所は神殿の裏です」

「後ほどご案内いたします」

俺が頷く


「その後に奇妙なことが起こったのです」

「似た内容の告解をする別々の男女」


「神の真意は計り知れないと思いました」

「自ら天界へと導いた女性の代わりに新たな2人を遣わしたのだと」


神職が俺に向き直り

「あなたには遣わされた内の一人、男性が誰かは分かりますよね」


俺は頷く

「そうですね。良かった」安堵の口調で言う


「私が知っている事は全てお話ししました」

「この出会いを神に感謝を」最後に小さく呟く


騎士が俺を見る

「自分の口から何一つ語れないことを許してほしい」淡々とした口調


「だが私は神の指し示す道を進む」

「神が指し示す先へ、導きに従うだけだ」


「これは贖罪ではない、ましてや代行などと恐れ多いものでもない」

「私が私の使命を果たすだけ。ただそれだけだ」最後まで淡々と語り続けた


一呼吸おいて彼は決意に満ちた目で俺を見つめ呟く

「この出会いを神に感謝を」


俺は彼を見ながら話す

「私も神の導きに従います」


彼の顔に安堵の表情が浮かぶ

神職を見ると微笑みながら


「では埋葬先にご案内いたします」と我々に告げた

俺も彼も立ち上がる


神職の案内で埋葬先へと到着する

そこは簡素ではあるが穏やかな空気がまとう場所だった


手入れは行き届いており心から大切にされているのが分かる

墓石に花が一輪おかれている。姉が俺をあやすために良く持ってきた花だ


神様が自ら手折られたのだろう

神職が言う通り神の愛を一身に受けているのだから・・・


祈りを終える

神職は挨拶をすると神殿内へと戻っていった


神殿内へと入るのを見届けて彼が話しだす

「私には娘がおりまして」


しばらくの沈黙の後に続ける

「お姉様とは一緒に護衛役をしておりました」


思わず彼の顔を見てしまう

「貴殿とは離れで会ったと聞いております」


彼は更に続ける

「私も貴殿とは邸宅の中庭でお会いしております」


そこまで言うと黙ってしまう

俺の中で様々な感情が沸き起こる


何も答えられずに墓前にある花へと視線を向ける

そこへ一陣の風が吹き抜け花を俺の方へと近づけた


「姉の遺体を大切に扱ってくれたことへの感謝をお伝えください」

自然と口から言葉が出ていた


「必ずや伝えます」彼が力強く答える

「この出会いを神に感謝を」彼が呟き


「申し遅れました。私はハルドールと言います」

「敬称は不要です。ハルドールとお呼びください」


俺も名乗り返す。彼は大きく頷く

そして俺たちは無言で墓石の前に佇む


暫くすると神職が来て俺たちに話しかける

「今後の事をお話ししたいので場所を移しましょう」


その提案に従うことにした

俺たちは墓石に一礼して神職の後に続く

お読みいただきありがとうございました。


無断転載禁止。翻訳も禁止。

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