白羽の矢が立つ
よろしくお願いします。
10年目
日常が過ぎていく。後2年で冒険者になる
父にお願いして近くの森で野営の仕方を教えてもらう。母も兄も一緒に来た
テントの張り方を習い火起こしの練習をする。
テントは大きな布を広げ中心の下から棒を突き上げ隅に重しを置く
火起こしは道具が優秀なのか思っていたより簡単で時間もかからなかった
なんか野営ってかキャンプだよね。家族でのんびり団らんだよ
冒険者の訓練ってことで兄と交代で不寝番をしたけど・・・お察しだよね
翌週もお願いして今度は川で野営をしてみた。母も一緒に来た
うん。この時点で察したよ。多分野生動物も出ないって
夕方には兄が村長の娘を連れて合流したきた。家族でのんびり団らんだね
懲りずに訓練ってことで兄と交代で不寝番をしたけど・・・お察しだよね
野営はダメだ。頭を切り替えて狩りに行きたいとお願いしてみた
季節的に良いだろうと言うことで家族総出で狩りに出かけた
家族総出ね。なぜか最初から村長の娘がね・・・うん
もう危機感皆無で行楽感覚なんだよね。これが普通の感覚なのかな?
で狩りの対象はウサギ。角無し2足歩行しない普通のウサギだったよ
娘さんの指導でウサギを何匹も捌く。褒められる程度に上達したよ
焼いたウサギを保存するための方法や使用する葉っぱなども教わった
もう怪物や大型動物もいないしね・・・冒険者を普段見ないわけだよ
帰宅後に父の許可を得てキャンプ道具一式を貰い部屋に置くことにした
抜け出して野営に行くことは無いが暇を見ては火起こしを何度も試してみた
そうだ!お姉ちゃんが帰ってきたらキャンプに行くのを提案しよう
喜ぶ顔も見たいし何より冒険者として頑張る自分を見せたい
あり余る穏やかな日々が過ぎていく
夏過ぎに寄親より手紙が届く
父が言うには「子爵家から入学される方がいるので随従員を頼みたい」との事
御子息の随従員、王都の子爵令嬢の随従員を輩出してると言うのが重視されて
白羽の矢が立ったらしい
もちろん随従員とは次男のこと。王都の子爵邸で行儀や勉学に努めるらしい
兄弟が三人も王都に行ってしまうんだな
姉さんは元気で過ごしてるかな?王都で暮らす兄さん達が羨ましいよ
いつでも姉さんに会えるもんな
翌日、父と兄は領都に向けて出発した
11年目
やりやがった。両親がやりやがった
何がって?来年兄弟が増えるんだよ
確かに両親と僕しか家にいないよ。でもタイミングってものがあるじゃん
入学式で王都に行ける。姉さんに会えると張り切っていたのに・・
手紙も書くけど代金の都合で書き溜めた分を束にして年に数回送るだけ
だから直接会う機会は逃したくなかったんだよな・・・
入学日時と随行の確認をしたところ子爵から出席も随行も必要なしとの
返答があったらしい。流石貴族だよ。子爵と父の阿吽の呼吸が凄すぎる
我が家は両親のやらかしで入学式に参加できなかったが
入学式に参加された子爵から緊急で会いたいと伝達があった
三男も参加せよと告げられたらしい
使者が引いてきた馬に乗り村長の家で母のことを頼むと領都へと駆る
誰か病気や怪我にでもなったのかな?
馬車から手を振るお姉ちゃんの姿が頭をよぎる
不安だが分からない事を考えても意味はない。悪い知らせとは限らない・・・
今は馬に振り落とされない事だけに集中だ。そう思い父の背中にしがみついた
お読みいただきありがとうございました。
無断転載禁止。翻訳も禁止。




